サヴァイヴ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 176
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101312637

感想・レビュー・書評

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  • 「老ビプネンの腹の中」
    白石を取材する傲慢な日本人ライターの描写が秀逸。ハリー・ポッターシリーズのリータ・スキーターを思い出すほどでした(笑)
    ラストが爽快で素晴らしい。パリ・ルーベ、見てみよう。

    「スピードの果て」
    煽り運転ダメ、ゼッタイ。

    「プロトンの中の孤独」
    『俺をツール・ド・フランスに連れてけ』
    この言葉の布石具合と言ったら、もう。。
    弱ペダの浦久保と庭妻のエピソードはこの話の換骨奪胎だと思っても良いのかも。

    「レミング」
    石尾と赤城のコンビの魅力が凄いです。

    「ゴールよりももっと遠く」
    魅力がさらに凄いです。
    一人レースに同行した記者の抱く葛藤(八百長による繫栄か衰退か)を想像するとたまらんものがありますが、そこを快刀乱麻に断つ石尾さん凄い。

    「トウラーダ」
    一読したとき、え、こんなダウナーな話で締めるの?この前の「ゴールよりももっと遠く」で締めておけば気持ち良く終われて良かったんじゃないの?と思ったが、銛だらけになった血まみれの牛と己を重ね合わせるアスリートたちの生半可では無い、宿命というかサガのようなものを眼前に突き出さされたようで、やはりこの話がラストで良かったと思いなおしたのでした。


    結論:傑作!

  • サクリファイスとエデンの番外編
    短編集で、サクッと読めて、面白い。
    このページ数の少なさでこれだけの面白さ、
    頭のいい作家なんですね

  • 面白い!!シリーズものだとはしらず。これだけでも十分たのしめた!ロードバイクの話でかっこいい。

  • 目次
    ・老ビプネンの腹の中
    ・スピードの果て
    ・プロトンの中の孤独
    ・レミング
    ・ゴールよりももっと遠く
    ・トウラーダ

    シリーズ初の短編集。
    日本ではマイナースポーツである自転車ロードレースの選手たちを主人公に、日本や海外で戦う男たちを描く。

    スポーツはどれも、自分との苦しい戦いであると言えるけれど、自転車は特に止まることができない過酷な競技だと思う。
    止まること=倒れることだから、苦しくても前に進み続けなければならない。

    そのようなストイックな個人技でありながら、団体競技でもある自転車ロードレース。
    エースを勝たせるために、チームは存在する。
    そのドライとウェットの兼ね合いがうまいんだなあ。

    例えば時々ロッカーを荒らされる選手がいる。
    何も盗まれない。ただ荒らされる。
    なぜか?
    ちゃんと納得のいく理由がそこにはある。
    選手の安全を守るため、そしてチームの輪を守るため、ロッカーの荷物はただ荒らされる。
    格好いいわぁ。

  • やっぱり石尾さんはかっけー…
    このシリーズは主要登場人物がみんないいですね。
    今回は短編集。

  • サクリファイスシリーズ 短編集
    若き日の石尾や赤城、ポルトガル時代のチカ、サクリファイス以後の伊庭など 様々な短編が詰まってる。

  • まあまあ

  • 2017/10/16
    あっという間に読み終わり。
    サクリファイスの世界の短編。
    石尾の若いときとか。
    引退後の姿がまったく想像できない石尾。
    想像できない通りレーサーのまま死んでしまった訳だけど、衰えて走れなくなった彼がどうなったか見たかったなと改めて思った。
    ロボットみたいな人だという印象しかなかったけど「ちょっとアタックしてくる」とかなんかかわいかった。
    どんなおっさんになったのかな。
    ずっと変な人であっただろうけど、赤城と一緒に老いを生きてみて欲しかった。

  • 短編集なのにそれぞれ読み応えがある印象。プロの自転車レースの駆け引きや選手の人生観等とても興味深く読めます。このジャンル、なかなかないのでサク者には今後も書いてほしいです。

  • チカのその後も良かったけど 何と言っても若かりし頃の石尾と赤城のストーリーがよかった。サクリファイスでの石尾のイメージとは違っていて 彼の本質に触れて サクリファイスの結末の違和感が和らいだ。彼なら あの結末は有りかも と。
    赤城ファンでもあるわたしには 赤城がたくさん出てきて ますます好きになった。
    あーでも チカもいいんだよねー。
    短編集は物足りなく思うことも多いけど これは違ったね。またサクリファイスから読み返したくなった。
    あー次作が楽しみ

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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