- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101312637
感想・レビュー・書評
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「老ビプネンの腹の中」
白石を取材する傲慢な日本人ライターの描写が秀逸。ハリー・ポッターシリーズのリータ・スキーターを思い出すほどでした(笑)
ラストが爽快で素晴らしい。パリ・ルーベ、見てみよう。
「スピードの果て」
煽り運転ダメ、ゼッタイ。
「プロトンの中の孤独」
『俺をツール・ド・フランスに連れてけ』
この言葉の布石具合と言ったら、もう。。
弱ペダの浦久保と庭妻のエピソードはこの話の換骨奪胎だと思っても良いのかも。
「レミング」
石尾と赤城のコンビの魅力が凄いです。
「ゴールよりももっと遠く」
魅力がさらに凄いです。
一人レースに同行した記者の抱く葛藤(八百長による繫栄か衰退か)を想像するとたまらんものがありますが、そこを快刀乱麻に断つ石尾さん凄い。
「トウラーダ」
一読したとき、え、こんなダウナーな話で締めるの?この前の「ゴールよりももっと遠く」で締めておけば気持ち良く終われて良かったんじゃないの?と思ったが、銛だらけになった血まみれの牛と己を重ね合わせるアスリートたちの生半可では無い、宿命というかサガのようなものを眼前に突き出さされたようで、やはりこの話がラストで良かったと思いなおしたのでした。
結論:傑作!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サクリファイスとエデンの番外編
短編集で、サクッと読めて、面白い。
このページ数の少なさでこれだけの面白さ、
頭のいい作家なんですね -
面白い!!シリーズものだとはしらず。これだけでも十分たのしめた!ロードバイクの話でかっこいい。
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目次
・老ビプネンの腹の中
・スピードの果て
・プロトンの中の孤独
・レミング
・ゴールよりももっと遠く
・トウラーダ
シリーズ初の短編集。
日本ではマイナースポーツである自転車ロードレースの選手たちを主人公に、日本や海外で戦う男たちを描く。
スポーツはどれも、自分との苦しい戦いであると言えるけれど、自転車は特に止まることができない過酷な競技だと思う。
止まること=倒れることだから、苦しくても前に進み続けなければならない。
そのようなストイックな個人技でありながら、団体競技でもある自転車ロードレース。
エースを勝たせるために、チームは存在する。
そのドライとウェットの兼ね合いがうまいんだなあ。
例えば時々ロッカーを荒らされる選手がいる。
何も盗まれない。ただ荒らされる。
なぜか?
ちゃんと納得のいく理由がそこにはある。
選手の安全を守るため、そしてチームの輪を守るため、ロッカーの荷物はただ荒らされる。
格好いいわぁ。 -
やっぱり石尾さんはかっけー…
このシリーズは主要登場人物がみんないいですね。
今回は短編集。 -
サクリファイスシリーズ 短編集
若き日の石尾や赤城、ポルトガル時代のチカ、サクリファイス以後の伊庭など 様々な短編が詰まってる。
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まあまあ
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短編集なのにそれぞれ読み応えがある印象。プロの自転車レースの駆け引きや選手の人生観等とても興味深く読めます。このジャンル、なかなかないのでサク者には今後も書いてほしいです。
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チカのその後も良かったけど 何と言っても若かりし頃の石尾と赤城のストーリーがよかった。サクリファイスでの石尾のイメージとは違っていて 彼の本質に触れて サクリファイスの結末の違和感が和らいだ。彼なら あの結末は有りかも と。
赤城ファンでもあるわたしには 赤城がたくさん出てきて ますます好きになった。
あーでも チカもいいんだよねー。
短編集は物足りなく思うことも多いけど これは違ったね。またサクリファイスから読み返したくなった。
あー次作が楽しみ