明治天皇〈4〉 (新潮文庫)

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制作 : Donald Keene  角地 幸男 
  • 新潮社 (2007年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101313542

明治天皇〈4〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 最終巻。日露戦争、韓国併合から天皇崩御、乃木希典殉死に繋がる。
    特に日露戦争に亘るところは、「坂の上の雲」と重ねて、興味深いエピソードが書かれている。
    明治天皇について、何故か一人の人物の肖像を描き出すまでに至っていないとする。その理由として牧野伸顕は語る。「陛下は公の天職を御尽くしになる御資格の外は、殆ど御自分様即ち私と云う側面はないのである」

    (引用)
    ・この時期に先立って既に日本と英国の双方で、このような同盟を唱えていた人物がいた。福沢諭吉は明治28年、「時事新報」に日英同盟を提唱する社説を書いた。
    ・天皇が海軍よりむしろ陸軍を好んでいる事実は、誰もが知っていた。天皇は、軍艦に乗るのが嫌いだった。その一因として、重油の臭いを好まなかったことがある。
    ・もし、天皇がロシア皇帝のように、司令官となるべき将軍や提督の任命を強要したり、あるいは何か個人的な喧嘩のために和平交渉の日本全権にもっとも相応しい人物の指名を拒否しようと思えば、仮にそれが如何に日本を危険に晒すことになったとしても、天皇は思い通りにすることが出来たはずだった。幸いにも、そういうことは起こらなかった。
    ・天皇の勅語に、繰り返し登場する主題が一つある。それがあまりにも度々なので、これこそ天皇の最も深い信念の表現に違いないと考える誘惑に駆られることがある。それは、平和への願いである。

  • 明治天皇の崩御と乃木少将の殉死まで
    天皇という国体に市民が寄り添って成立していた明治という大転換期、コンパクトだが強い国家
    天皇はかくあるべしという信念のもと溢れる感情を押し留めて最期を迎える明治天皇の高い精神性
    近代日本を考えるうえで良書

  • 日露戦争から明治天皇の崩御に至るまでの日本の状態がよく分かりました。
    明治天皇が諸外国からも君主として高い評価を得ていたことが分かります。
    歴代天皇の中で最も「天皇」であろうとした明治天皇。
    「天皇」とはどういう存在であるべきなのかを考え続けた一生だったのではないでしょうか。

  • いわゆる物語的なものではない割りに、楽しんで読めました。
    もちろん、内容をしっかり追っていこうとすると時間がかかりました。

    歴史を学べたとか、明治天皇のことをすこし理解できたとか、そういうこともありますが、なによりもその存在がありがたいと思える本でした。

  • 5月から読み始めていた
    ドナルド・キーン「明治天皇1〜4」
    ようやく、よ〜〜〜うやく読み終わりました。
    長かったです。

    私の全く知らない歴史がそこにありました。

    伝記小説ですからそれほどおもしろいわけでもなく、途中で厭きてちがう本を読んだりしましたが「全く知らない時代を知りたい!」という好奇心だけでどうにか読み終わりました。

    たとえば
    伊勢神宮に初めてお参りされたのが明治天皇。
    それまでの天皇は京都御所から一歩も外へ出られたことはなかった。
    そんな天皇が東京へ移られた・・・・いつ、どのような経緯で移られたのか。

    また、廃藩置県について、
    こんなに大変なことだとは実感としてなかったですね。
    日本中の武士がリストラされたわけです。
    藩体制をやめて県に置き換わった程度の理解しかなかったのですが現代でたとえれば
    日本中の公務員がある日突然、全員リストラされる・・・・というぐらいの出来事だったわけです。

    まぁ、そんなこんな、明治時代というのは天地がひっくり返るほど大変な時代だったということですがそれをドナルド・キーンさんに教えていただくという所が複雑ですね。
    ドナルド・キーンさんだから明治天皇の伝記が書けたと言うべきなんでしょう。

    大の西洋嫌いの父(孝明天皇)のもとに生まれ、伝統的な公家の教育を受けて育った明治天皇が確固たる意思を持ってこの激動の明治維新後の舵取りをとられたことは本当に日本にとって素晴らしい事だったのだとこの「明治天皇」を読んで初めて知りました。

    また日本と中国、日本と韓国の歴史的な関係も詳しく書かれており日本人としてきちんと知っておくべき歴史でもあると正直思いました。

    ドナルド・キーンさんはすごい方です。

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明治天皇〈4〉 (新潮文庫)の作品紹介

日露戦争で、明治天皇が旅順陥落の勝利に示した反応は、敗北したステッセル将軍の名誉を保てるよう指示することだった。「大帝」と呼ばれた開明的君主の心にあったのは「平和への願い」だったのである。日本が韓国を併合、極東支配を強化しつつある1912(明治45)年7月30日、明治天皇は崩御する。卓越した指導者の生涯を克明に追い、明治という激動の時代を描き切った伝記文学の金字塔。毎日出版文化賞受賞作。

明治天皇〈4〉 (新潮文庫)はこんな本です

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