東電OL症候群(シンドローム) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316345

感想・レビュー・書評

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  •  毎晩、円山町に立つ東電OLの精神の闇について興味はあるが、殺害した犯人が冤罪であったこと、また新犯人像などには興味がない、読み物として一貫性はあるにしろ、同じことを何度も主張する意味が不明である。最大の読みどころは東電OLに共感する女性たちのインタビュー箇所かな

     以下は同事件を題材にした小説
    鳴海章『鹹湖 彼女が殺された街』(1998年、集英社)
    久間十義『ダブルフェイス』(2000年、幻冬舎)
    桐野夏生『グロテスク』(2003年:文藝春秋、2006年:文春文庫)
    真梨幸子『女ともだち』(2006年、講談社)
    折原一『追悼者』(2010年、文藝春秋)

    追記:『鹹湖 彼女が殺された街』『追悼者』二冊は未読

  • 電力会社のエリート社員だった女性が毎夜売春する生活を長期間続けた末殺害された実話をもとにしたノンフィクション小説執筆とその中から浮かび上がった現代の断層を描いたところ、女性読者から尋常ならざる反響が寄せられたそうだ。その多くは、敬慕する父を失い、エリートへの道を閉ざされて堕落へひた走った被害者への同情と共感だったというから、興味深い。図書館で借りた日に、3時間ほどで半分ぐらい読み進めた。元の作品も読んでみたい。

  • 『東電OL殺人事件』の続編。
    無罪判決から一転、有罪無期懲役を言い渡し、迷走を続ける司法。
    そんな中、作者は感想を寄せた読者に会い、話を聞いたりと被害者女性の闇に更に踏み込む。
    そうしていくうちに、社会の闇へ闇へと導かれる。

    2015.2.15

  • 『東電OL殺人事件』の続編。『東電OL殺人事件』は読んだのだが、続編の方を読んでいなかった。最近、無罪という形で決着したことで、この本が重版となったようだ。

    続編では、この事件に触発されたかのような事件の伝播が描かれており、それがタイトルにシンドロームと言葉を冠した理由なのだろう。現代の暗部をこれでもかと深く抉ったルポルタージュであるが、そこまで描くかと思う部分もある。

    それにしても謎の多い、衝撃的な事件である。

  • 最近の裁判をめぐるさまざまな報道や震災に対応する会社の苦悩などがこの事件と重なって、再度東電OL殺人事件を読み返してみた。この東電OL症候群と両方読むことで、最初は感じなかった作者が伝えたかったことが少しでも深く理解できたような気がしている。

  • 07.4.14

  • グロテスクを読んでいたのでそういうことだったのかと思って読んだ。孤独とずっと向き合ってきた被害者に共感をおぼえる女性も多いだろうな。でもその人を神格化するのは違うと思う。

  • 同著者の「東電OL殺人事件」の補足本とも言える、加害者の判決後のルポ。「東電OL殺人事件」の印象があまりにも強すぎたので、それに比べると印象は薄いが、事実と著者の思考が丁寧に突き詰められている様は見事です。

著者プロフィール

1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者、業界紙勤務を経てノンフィクション作家となる。1997年、民俗学者宮本常一と渋沢敬三の生涯を描いた『旅する巨人』(文藝春秋)で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2009年、『甘粕正彦乱心の曠野』(新潮社)で第31回講談社ノンフィクション賞を受賞。

「2014年 『津波と原発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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