おもたせ暦 (新潮文庫)

  • 199人登録
  • 3.83評価
    • (17)
    • (27)
    • (18)
    • (2)
    • (2)
  • 30レビュー
著者 : 平松洋子
  • 新潮社 (2010年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316536

おもたせ暦 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 『おもたせ』というよりも『おすそわけ』がメインなような。
    お取り寄せガイド+ちょびっと料理教室てな趣。
    好評だった話ばかりではなく、たまに失敗談が挟み込まれているのがいい感じ。
    水切りヨーグルトで作る『シュリカンド』、作ってみたいと思ったけれど
    平松さんの作り方だと乳清が全部流れちゃうから勿体無いなー
    などと思ってしまうあたしは貧乏性(笑)。

    この本を読んで思ったのは
    いくつになっても女子はおすそわけが大好き(はあと)ってことだった。
    最近はめっきり縁遠くなってしまったけど、好きなバンドがたくさんいて、
    日参するくらいの勢いであちこちのライブハウスに出没していた頃、
    そこでしか逢えない友だちに配るためのおすそわけセットを
    嬉々として作っては配り歩いていたことを思い出す。
    配ったのと同じくらいの数貰うので、結局荷物が減らないんだけど
    今思うとあれは幸せな重みだったなーなんてちょっと思った。
    そういう気分を思い出させてくれたことには感謝したい本である。

  • 実質は『おみやげ暦』8割、『おもたせ』2割くらいです。
    おもたせはあくまで受け身なもので、『もってきてもらったもの』だから。
    けれど、あえてこのタイトルなのはまえがきを読めばわかる。
    「おもたせですが…」と出す場合も、「おもたせだけれど」と出される場合も、なんだかあらたまったような特別な響きがあるから。
    でも、昨今のデパートの「おもたせ特集」という宣伝はどうかと思うよ。

    持っていくとき、相手に喜んでほしい、おいしそうに楽しむ姿が見たいと、いろいろ考えるわくわくドキドキ感がこの本からは伝わってくる。
    一緒に楽しんで「おいしいわ」とお気に入りのお菓子をほめてもらいたい、と反応を見るために『おもたせ』を期待するのだ。
    いやしいのとはちょっと違う。
    ひとときの演出しているような感じと言えば言いすぎか。
    本の中には『誰』に『どんなシチュエーションで』渡したのか渡したいのかを書いている。そこが単なるおいしいものリストと違うところだ。
    アジアンフードに興味ある友人にアジアのハーブと『レシピ』をお土産に、翌日会う友人のために一緒に食べる『シュリカンド』(←これが今話題の『水切りヨーグルト』ブルガリアがおすすめでした)を作ったり、酔っぱらったお父さんのうしろめたさの象徴「折詰すし」に思いをはせたり、と多岐にわたる。
    余談だが、母の故郷堺の『くるみもち』を平松さんは取り上げていて、母に聞いたところ就職した伯母が幼い妹である母によくお土産として通り道のそのお店によって買ってきてくれたらしい。
    この本のおかげで「くるみもち」が「胡桃もち」ではないことを知って、ああそうだあれは枝豆の味だったと知ったらしい。
    しかし、お姉ちゃんが会社帰りに買ってもってかえってきてくれたおいしいお菓子、という姉との優しい思い出はン十年たっても色あせることはない。
    そういうエッセイだった。

  • 食べ物を魅力的に描ける人は本当に文章力のある人じゃないかしら。食いしん坊+語彙の豊富さ+表現の幅広さ。平松さんは完璧。

    今まで知らなかった平松さんの本を手にとったのは、パラパラとめくった見出しに「まつのはこんぶ」を見かけたから。我が家の定番お使い物。

    塩野「花衣」、オオサワ「ガーナ」、しろたえ「レアチーズケーキ」…気になるものばかり。甘いものだけでなく、水なすのお漬物やコロッケサンドも登場。シュリカンドやシュワンヤンロウのたれは自分でも作ってみたくなる。

    美味しいものを見つけたら、他の人にも味わってほしい。なんでもないときにも持って行きたい。
    この感覚がある人は幸せだと思う。後から身につくものじゃないだけに。

  • 菓子箱(に限らずコロッケサンドや羊肉のタレや缶詰や野菜や…モノはなんでもいいんですね。でもやぱり、お菓子の章が好きかも)を真心込めて選んで、人を訪ねたくなる作品。
    平山さんの文章もおもたせの品々の写真もすごく美しくて心地よくて、説得力のある内容でした。

    余談ながら、「おもたせ」という言葉が最近誤って使われてる気がしてならなかったんだけど、やっぱりそうでした!正しいおもたせの意味、冒頭に丁寧な解説があります。

  • 作者のエッセイは目についたら購入している。
    この本は探して購入したがやはり面白い。
    ”おもてなし”とはどういう精神かを考えさせる本だ。
    各話に紹介されている商品の綺麗な写真が付いているのもありがたい。

  • 平松洋子さん「おもたせ暦」、2010.8文庫です。「おもたせ」は「手土産」とは違って、もっとざっくばらんとかw。いただいたものを、その場で開ける。いただいた側が、その場でふるまう。「おもたせですけど、いっしょにいかが」。

  • おもたせとは、手土産を頂いた側の言葉で手土産とはちょっと違う。
    例えば、「おもたせで悪いけれど」のように手土産をその場で開けて食べようとするときなどに使われる言葉である。
    その言葉からは少し気楽な感じを受ける。

    本書には数々のおもたせが登場する。
    そしてそれにまつわるお話が、気楽な日常の風景なのだけれど読んでいて幸せな気分にしてくれる。
    文章からも素敵な人物であろう著者の人柄が感じられる。
    単純に読み物としても満足だけれど、たくさんの美味しい食べものが紹介されていてとても実用的だ。
    いくつも気になるおもたせがあったので、買い求めてみようと思う。

  • “おもたせ”の意味をきちんと知ったのは、恥ずかしながら、この本を読んでから。日本語っていいなぁと改めて感じる。
    本書は、手土産についてのエッセイと思いきや、その向こう側には人がいて、ささやかなコミュニケーションだったり、人間模様だったりが垣間見えて楽しい。平松洋子さんのリズムのある文章、凛とした表現に、今回も唸った。

  • 人を訪問するときにちょっとしたお土産をもって伺う。「おもたせ」とは来訪者が持参したものをその場で出して皆でいただくもの。だいたい「きえもの」ということになる。気を張らずにしかし相手の事を考えたものを携える。
    ここに登場するおもたせはどれもそのようなもの。今をときめく流行りのお菓子や手に入りにくいものというより、長い年月人々が愛したもの、何度食べても飽きない味のものだ。それぞれに写真があり、中身本体はもとよりその包装にも惹かれるものがある。昭和の雰囲気を漂わせるものも多い。
    相手のことを思い、取り寄せ、その店に買いによりもって伺う、そんな著者の優しさを感じさせる文章だ。関東ばかりでなく、関西のお店も多く登場する。ちゃんとお店の情報も掲載されている。その味を知っているお店も多いが、まだのものも是非味わってみたくなる。

  • どれもこれもおいしそう。
    自分で食べたい。

  • 食べることの幸せと、贈ることの楽しみ。
    日常の幸福感がちりばめられた一冊。
    こういう感覚を持って暮らしている人に、私は憧れる。

  • 誰かに何かをあげたい、喜んでもらいたいし一緒に楽しみたい。
    そう思うことはすごくわくわくするし、おみやげやプレゼントを選ぶのも楽しい。そういう引き出しがたくさんあるのもうらやましい。
    でもここまで「喜んでほしい」気持ちが出てしまうと、頂いた方はけっこうプレッシャーだろうなぁ。

  • [おもたせ] 相手の持ってきたおみやげに対する尊敬語。

    「おもたせ」という言葉の元来の意味、はじめて知りました。手みやげとか贈答品の意味ではなかったのですね。使ったことのない言葉でしたが、日本らしい響きを感じる美しい言葉に感じました。

    いつだったか、テレビでタレントの方が「差し入れ」について語っていました。
    その方の差し入れは評判がいいそうで、その思い入れをいくつか紹介していました。

    ・主役の方や先輩に先んじて持ってこない。
    ・良く知られているものでなく、ちょっとヒネリのきいたものを選ぶ。

    ほかにもいろいろありましたが、いずれも気を使っているんだなあと感心させるものでした。

    さて、本書ですが、ここで紹介された品々も著者・平松洋子さんのやさしい心遣いが詰まったものばかりです。

    そんな平松さんの心遣いをエッセイのように楽しみ、ときには自身の手みやげ選びの参考にしたり、また自分へのご褒美に買いに行ったりと、本書にはそんな楽しみがいくつも詰まっています。

    そうそう、タイトルを「おもたせ暦」として、「手みやげ暦」としなかった理由も考えてみました。
    きっと、平松さん自身が大好きな品々なんだと思います。
    手みやげとして持参したものを先方が
    「おもたせで恐縮ですが……」と出してくださったらなお嬉しいという意味合いがあるのではないでしょうか。
    もちろん、はじめから期待されているわけはありません。もし、ご相伴に預かれ、ご一緒に楽しい会話をしながら美味しさを共有するひとときが持てたなら、それはまた貴重で素敵なことではないでしょうか。


    「笹巻けぬきすし」 
    なぜ「けぬき」なのか、これも考えもしなかった……。

    「桃林堂の小鯛焼」
    お祝い事に、ご祝儀に添えて。

    「フルーツパーラーレモンのフルーツサンド」。
    平松さんはここのを友人からもらい、食べず嫌いだったフルーツサンドを食べるようになったという。しかし、残念なことに、日本橋の高島屋地下にあったは店は閉店。
    でも、メルヘンというサンドウィッチ専門店あり。

    どらやきの「うさぎや」は阿佐ヶ谷の店の方。私は上野か日本橋で買っている。3店とも別の経営らしいが。

    「ローザ洋菓子店」の青い缶入りクッキー。本当はシュークリームをご所望とのこと。
    私はローザのご近所にある「泉屋」の紺色ラインに浮き輪のロゴが描かれた缶に入っているスペシャル・クッキーズも好み。

    「ジャン=ポール・エヴァン」でマカロンですか?!
    ショコラトリーですからショコラが定番ですが、あえてマカロンなんですね。
    そういう私もチョコレート自体は買ったことがなく、いつもケーキかエクレアでした。

  • 大学の図書館で発見。はまって何度も読み返し、他の作品もまとめて購入。
    平松さんの作品はどれもこれも食べ物が美味しそうで・・・いつか東京に行ったら、うさぎやのどら焼きが食べたいです。

  • おもたせ。おいしそうなものがいっぱい。一冊家にほしいな。

  • 2012/03/09 文庫で再読。一ヶ月の中断を挟み読了。海南チャーハンを真似して作ってみる。

  • <内容>
    名店の逸品から手作りの一皿まで、季節感を取り入れながら、相手の笑顔のために集められた「手土産」とそれにまつわるエピソード。具体的にイメージし、手に取ることができるように、実物の写真と店の詳細・地図も掲載してある、実用的な一冊。

    <感想>
    おもたせとは、「いただいたものを、その場で開ける。いただいた側がその場でふるまう」という流れを含んだ、貰う側の言葉であるとのこと。「せっかくですから、一緒にどうぞ」などと言われて、それではご相伴を、というあの不思議な滋味が「おもたせ」の面白さである。

    相手を喜ばせたい、相手の笑顔が見たい、という気持ちの詰まった手土産。どんな人にどんなものをあげると喜ばれるのか、うんうん悩んでいる時間もまた楽しいものだと思う。著名なフードジャーナリストである著者もそういう性格らしく、その抜群のセンスで選ばれた手土産の数々には思わずなるほど、と頷く。和菓子、ケーキ、梅干、水茄子。稀に失敗もありつつも、でも基本的にはハズさない品の良いセレクトばかりで、自分が貰ったら絶対嬉しいだろうなと思う。そして実際に人に贈ってみたくなる。

    手土産の後ろには人と人との関係性が見えてくる。昨今のSNSなどを通したちょっとした言葉の繋がりもいいけれど、実際的な人との往来を楽しむための手土産には、よりはっきりと心を届けることができる「重み」がある。そして、手土産が「おもたせ」になったときのおいしい時間の共有もまた、大人の付き合いのちょっとした良味なのかもしれない。

  • お土産って大切だなって感じた。忙しいからと、つい手近な物安易な物で妥協してしまいがちだけど、やはりこだわりたいなってしみじみ感じました。

  • すごく参考になった
    まねして買い物にでかけたくなる。

  • 読んでるだけでは満足出来ず、しょっちゅう読む手を止めてはネットで検索してしまいます。竹中缶詰のオイルサーディン食べてみたい!

  • いただいたものを、その場で開ける。こういうのはどんどん欧米化していったほうがいいと思っています。素敵な本。
    http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage094.htm

  • 読みながら、どれもこれも美味しそうでニヤニヤしてしまう。笑

  • 誰かの笑顔が見たくなる、そんな本。この本に載っている店を制覇したい。

  • 「おもたせ」のお菓子・惣菜・瓶詰めなどの紹介とそれにまつわるエッセイ集。交友の広い人と食いしん坊におすすめできる

全30件中 1 - 25件を表示

おもたせ暦 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

おもたせ暦 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

おもたせ暦 (新潮文庫)の単行本

ツイートする