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- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101316543
感想・レビュー・書評
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いろいろな味についてのエッセイ。
どこそこのおいしい食事紹介というより、『味』にまつわるもの。
もちろん愉快だったり幸福だったりするだけではなく、苦いものや首をかしげるような面妖なものについても書かれている。
特に印象に残ったのは『おごった味』『吸う味』。
おごった味というのは、最近はやりのプチ贅沢みたいなものだろうか、読んでいてわかるわかる!と膝を打つ。
フランス料理のフルコースとか京懐石とかじゃないところがみそです。
もう一つの『吸う味』は甘鯛を食べる話なんですが、『花のズボラ飯』でいやというほど強調されていた『食べる行為のエロさ』というものが、もうこれでもかというほど濃密に書かれている。
エッセイと考えれば相手は旦那さんなんだろうけれど、あえて『男が』というぼかした書き方が生々しく、赤面してしまう。
食べるの難しい魚って無言になる。
なんかもうこの時点で後ろ暗いような色気が出てきて、それを『男』が……いやー、もうエロいエロい。
食べ物本のはずなのに……いや食べるということはいろいろな『感覚』につながっている。
このエッセイの『味』というのは味覚以外だけではなく人の五感、もしくは六感にまで及んでいるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
よかった。
平松さんの本を読んだあとは、シンプルな料理ほど美味しそうに感じてしまうし、何か真似して作ってみたくなってしまう。