看守眼 (新潮文庫)

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著者 : 横山秀夫
  • 新潮社 (2009年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316727

看守眼 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 短編ミステリー6作
    横山さんの短編は、短編なのに人間の奥深いところまでをえぐる描写で、その奥深いところのさまざまな心理、感情を描き出すところがすごい!
    また主人公も警察関連だけでなく、いわば平凡な人たちがメインで、その暮らしの中から奥深い感情があぶりだされてきます。

    収められている物語は
     看守眼
     自伝
     口癖
     午前五時の侵入者
     静かな家
     秘書課の男
    の6編です

    ・看守眼
    刑事になれなかった看守の物語
    短編ながらストーリがすばらしい
    主婦とその不倫相手の男からなる事件の真相を看守の眼から明らかにします。
    主婦の失踪に対して、不倫相手の男が殺害容疑で逮捕されるも証拠不十分で、不起訴。
    釈放されたその現場で、怒った夫が、復讐するために不倫相手の男を殺害しようと襲い掛かるが、逆に返り討ちにあってしまい、殺されてしまった事件。
    その不倫相手の男の拘留期間中の行動を見ていた看守が、この事件の真相を探るというストーリです。
    最後に明らかになる真相もすごいですが、さらにそれに続く女の強かさも深い。

    ・自伝
    自叙伝の執筆を請け負ったライターの物語
    自伝を独白する大企業の会長は「30年近く前に愛する女を手にかけた」と自白。
    その言葉の真意は?そしてライターの生い立ちと合わせて、ライターが出した答え。
    そして悲哀..

    ・口癖
    家裁調停委員を務める主婦の物語
    離婚調停にきた女は、高校時代の娘の同級生。高校時代に娘が不登校になった原因と思われる女。その女の離婚への内情を察し、優越感に浸っていたところから急転直下の展開に。
    「それしきのこと」が口癖から暴かれる娘の過去..
    悲しく、苦い話でした

    ・午前五時の侵入者
    県警のホームページを管理する警部の物語。
    午前五時に県警のホームページが何者かに改ざん。担当の警部はその隠蔽を画策して、対応に追われる。そして、ページを改ざんした犯人に突き止めるという展開。

    ・静かな家
    地方紙の整理部に身をおく元記者の物語
    個展の終了日を過ぎて掲載してしまったその個展の案内記事をめぐって、巻き込まれた殺人事件のアリバイ。
    さらに、自分の失態を隠すべくとってしまった行動が傷つけてしまった女性などなど。
    サラリーマンの悲哀が感じられてしまう物語

    ・秘書課の男
    県知事の秘書の物語
    県知事が自分に対して冷たくなったと感じ始めた主人公。
    自分自身の問題行動を県知事に知らしめたのは誰か?
    若手のスタッフなのか?
    疑心暗鬼になりながら、明らかになった、真実は..
    男の嫉妬、そして女の嫉妬がキーとなる物語ですが、最後は逆にさわやかになりました。
    ありがとうは赦しを請う言葉


    っとどれもこれもとてもよい物語でした。
    やっぱり横山秀夫は短編ながらもすごい
    お勧め!

  • 横山秀夫、やっぱり好きです。「教場」のような雰囲気を持ちつつ、それよりも世界が練りこまれていて、洗練されたミステリーに感じる。決して押し付けがましくもなく、慎ましく、それなのにダイナミックな結末が用意されたショートショート。すごく謙虚な人なんだろうなあ。謙虚って大切だ。謙虚に生きねば。

  • 好きです!

  • もしかすると日本人にだけ分かる感覚なのかも、この作家の描く組織への愛憎交えた帰属意識は。
    何故そこにとどまる?って発想ばかりなんだけれども、現実感をもって差し迫ってくる横山節はこの短編集にも確かに存在しております。まぁ若干筋立てが粗いのかな?って気がしますが、意外にこの作家、ストーリーの構成は?ってなところがありますから。というより、この作家の真価はそこには無いということです。

  • 6つの短編集。

    総じて大人しめというか、
    キャラの薄いの主人公が多かった。
    強烈なキャラが多い他作品と比べ、
    ある意味新鮮だと思った。

    それぞれ、安定して面白いのだけど、
    1年後には内容をキレイに忘れてる気がする・・・
    ちょっとした時間にサクッと読む、
    そういう読み方には最適な本だと感じた。

  • 短編だからか、ミステリーとしては今ひとつ。看守眼は、刑事への執念をみせる主人公の姿を描く。「努力もせず夢をみる人間は雇わない」という『自伝』の中での兵頭会長の言葉が、頭に残る。

  • 刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。

    後味がすっきりしない作品が多かった。

  • どこから読んでも嘆息させられる作品集。
    「64」までいささかブランクがありましたが、この頃の作品群で
    すっかりミステリー界の大御所の地位を築き上げました。
    こんごとも長編ばかりでなく、キラリとひかる短篇集なども読んでみたい。

  • ミステリ短編集。刑事志望だったのに看守になった警察官、忠実に政治家に連れ添っていたのにハブられた知事など、それぞれの主人公はどこかツイていない。またそれぞれの話の終わりもハッピーエンドではない。そんな内容だから清々しい読了感はないのだが、感情移入してしまう不思議な小説。スーパーマンでなく平凡な人であっても、それぞれの人生を全うすることに意味を感じる。

  • 安定の素晴らしさ。

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