バビロンに行きて歌え (新潮文庫)

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著者 : 池澤夏樹
  • 新潮社 (1993年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101318110

バビロンに行きて歌え (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • アラブのある国の<組織>に属する若者<ターリク>は、組織の命令を実行した後、国外に追われます。

    船で着いた先はトーキョー。
    言葉もわからず、パスポートもなく、金も乏しく、追われ続ける、不安に充ちた暮らしが始まります。

    老獣医、OL、ロックバンドの男たち、蝶の孵化を仕事にする女・・・・・。
    ターリクは訳ありと少々怪しまれながらも、その聡明で素直な人柄からを受け入れられても、ひと所にとどまることができません。

    ターリクが出逢う人たちも、何かを失い、諦め、出直そうとあがき、どこかに傷をもって暮らす人々です。
    未来を描ききれていない人々でもあります。

    それでも、もっているのは、故郷の記憶と歌声くらい、というターリクに比べれば、ずいぶん多くのものを持っています。
    未来をどころか明日をも描けないターリクに、ほのかな希望の光をみるのは皮肉なものです。

    皮肉じゃなくて、作者からの叱咤激励かな?

  • 高1の時、読書課題で読んだ一冊。なんか色が目に浮かぶっていうのかな。雰囲気が好きだった。

  • ずいぶん前に読んだな。
    おもしろかった。
    内容,ストーリーもだが,章ごとに語り手が替わり,主人公を追いかけて関係者に聞き込みをしている探偵になったような気分。
    俯瞰しているような,それでいて中に入り込んでいるような不思議な感覚になる。

  •  こう来たか。
     その展開は予測できないけど幸せなものであった。

  • アラブの兵士が東京に来てロックシンガーになる、というびっくりなストーリーだけど、都会の力にはそういうのもあるのかもなあ、とすんなり落ちて、なかなか楽しめた。出てくる人物造形も面白く。歌詞が出てくると少々興ざめしたり、雰囲気の古さをところどころ感じるけど、実際かなり前の本なので致し方なしかと。

  • アラブの一人の若きテロリストが東京で大人になっていく。

    シュールな話です。

    都会の持つ異常性と暖かさみたいな物がにじみ出ていて、不思議な気分になります。

  • 東京という街に紛れ込んだ、異邦人。
    遠い中東の若き革命軍の兵士。
    そんな物語。
    昨今の若者の心の在り方にタブる気がするわ。
    なんだか、加藤ミリヤの様な一冊だった。

  • 学生時代に読んだが、再読。都市社会学のゼミのレポートでこの小説を題材に、都市論を書いたことが。ディアスポラの存在をロックを媒介として描く。

  • 東京という街。

    無関心な人々が集まる街。何かを求めて人々が集まる街

    そこに突然迷い込んだ不法侵入者。

    異物だからこそ、人々は心を開いていく。
    人と関わることを避ける人々は、なぜか異物を受け入れていく。
    そこには、無関心な日常から逃れたいという希求があるのかもしれない。

    戦争というどん底を味わっているからこそ、感じることのできる世界はある。
    でも、それは幸せとはいえない多くの犠牲で成り立つ世界。
    そこから外れた世界にいる人々は、そういう世界のことをみつめ続けなければいけない。
    戦争という世界があるということを常に意識しなければいけない。

  • 池澤夏樹さんの選んだ世界文学全集を読んでいるのに、池澤夏樹さんの小説は読んだことがなかったから読んでみようと言う試み。ちょっと後ろめたかったから。
    古本屋で見つけたやつを購入。

    中東のある国から、事情があって日本に密入国することになったアラブ人ターリクの話。本国で何かまずいことをしでかしたらしく、しばらくは帰国できない状態。数ヶ月日本に滞在し、ほとぼりが冷めてから帰国する計画だが、その間にさまざまな日本人と関わることになって…みたいな話。

    いろんな人の視点から話が語られるのは面白かった。
    けど、全体としてはあまり好みに合わなかった。フーコがターリクのバンドについての意見を述べたり、陽介が島でこのバンドの音楽を聴いてのめり込んでいくところらへんからは急速に流し読み始めちゃった。後半もしっかり読んだら面白かったのかも。

    個人選集の解説は「なるほどなあ」と思いながら読めたんだけど、小説はまた話が違うみたいだ。他の小説はどうなんだろうとも思うけど、たぶん買わないと思う。

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