バビロンに行きて歌え (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101318110

感想・レビュー・書評

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  • 池澤夏樹の小説が好きだ。

    本作の1篇である「倉庫のコンサート」が高校の現代文の教科書に載っていた。まだ授業はそのパートではないのに、私は授業中にこっそり読んで、一人で灰色の乾いた世界観で音楽に浸っていた。もしかすると他にもそういう同級生がいたかもしれない。きっとその同級生は、私と同じく空間と音楽が好きな人だっただろう。私たちを引き付ける、そういう透明な匂いを発している。この作品は。

    読後も、その世界の気配が漂っている。

  • 高1の時、読書課題で読んだ一冊。なんか色が目に浮かぶっていうのかな。雰囲気が好きだった。

  • アラブの一人の若きテロリストが東京で大人になっていく。

    シュールな話です。

    都会の持つ異常性と暖かさみたいな物がにじみ出ていて、不思議な気分になります。

  • 学生時代に読んだが、再読。都市社会学のゼミのレポートでこの小説を題材に、都市論を書いたことが。ディアスポラの存在をロックを媒介として描く。

  • 東京という街。

    無関心な人々が集まる街。何かを求めて人々が集まる街

    そこに突然迷い込んだ不法侵入者。

    異物だからこそ、人々は心を開いていく。
    人と関わることを避ける人々は、なぜか異物を受け入れていく。
    そこには、無関心な日常から逃れたいという希求があるのかもしれない。

    戦争というどん底を味わっているからこそ、感じることのできる世界はある。
    でも、それは幸せとはいえない多くの犠牲で成り立つ世界。
    そこから外れた世界にいる人々は、そういう世界のことをみつめ続けなければいけない。
    戦争という世界があるということを常に意識しなければいけない。

  • 高校一年生の夏に出された課題図書。初めて面白い課題図書に出合った!と思いました。内容忘れちゃったからまた読もうと思うけど、いかんせん読みつかれる本な気がしてしてません。当時行き付けのパスタ屋さんにターリクそっくりな人(ターリクの顔なんて知るはずないけど)がいてきゃっきゃ言ってたのが懐かしいな(笑)

  • <購入>2004年10月頃 <感想>飛行機を使えば、数時間で外国へいける。体を遠くへ運ぶことは簡単にできるけれど、心は体に追いついてこない。観光旅行に行くときは、地に足が付いていないようなフワフワした感じがする。見るもの聞くものすべて日本と比べてしまう。そんなことしても意味がないのに。

著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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