整形美女 (新潮文庫)

  • 243人登録
  • 3.30評価
    • (17)
    • (20)
    • (69)
    • (10)
    • (4)
  • 40レビュー
  • 新潮社 (2002年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321233

整形美女 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 阿倍子と甲斐子の同級生の二人が、偶然同じ美容外科で整形手術を受けた。
    幸せを夢見て、一人は目を二重に、鼻を高く。一人は目を一重に鼻を低く。

    自分にとって「幸せ(の基準)」が明確であれば、整形してもしなくてもきっとハッピーなのだろう。
    しかしそれがはっきりしていないからこそ、日々迷いが生じ悩む。
    甲斐子の計画自体は?と思うが、明確な基準を持ち遂行する努力をおしまないガッツには頭が下がる。
    女の執念と後ろめたさが入り混じって、ホラーである。

  • 整形手術を受けた2人の女性を軸として「美しさとは?」という命題を筆者独特の哲学を持って描いた作品です。


     主人公の一人、甲斐子がもって生まれた容姿は、本書のはじめに登場する老医師曰く「絶世の美女」。ところが彼女はその容姿に満足せず、あえて小さな目、ふっくらした頬、鼻を低くし、腰も太めにして、貧乳手術をすることまで考えていました。

    「なぜ?」

     彼女は実は男性にもてたことがなく、彼女自身、この先ずっと自分はもてることがないと悲観していたのです。そこで彼女が考えたのは「男性にもてる容姿」に自分を変え、男性を惹きつけられるような「匂い立つような清潔感のある不潔感」(男性サイドから言う「清潔感のある色気」だそうな)をかもしだせるように自分を変身させるということ。彼女は3段階の「計画」を練っていました。そして整形後、彼女は彼女の予想通りに、恋愛市場で「勝ち組」となっていくことになります。

     そういえばこのテの容姿って、「あいのり」に出ていたちゃきそのものやん。確かこの人もあいのりの旅ではやたらモテていたような気が・・・。そうすると、モテるためにこういう容姿に整形するという行為はなかなか世の男性たちの好みをよく読んでいたのでしょうね。


     もう一人の主人公、安倍子は甲斐子の高校時代の同級生。彼女はもともとは甲斐子が望んでいたような容姿をもち、とりたてて美人ではないがなぜか男性にはもててしまう女性だった。彼女はほんのささいなきっかけで整形をします。甲斐子の写真を持って。そして整形後の彼女は、甲斐子の整形前の悲哀を味わうことになり・・。


     これだけの話だったら、「女性が思う美人と男性が思う美人って違うのねー」とか「いくら美人でも、内面からでる色気(お色気、じゃなく色気。清潔感のあるといわれる色気)がないとだめねー」なんて程度の感想で終わってしまうし、おもしろくない。このへんはいかにも姫野作品だなあと思うのですが、おもしろいのはこっからなのです。ふふ。


     その後、甲斐子は高学歴高収入の男とできちゃった結婚をし、子供もできます。が、なんだか毎日が満たされない。安倍子は自分が「整形美女」であることを隠し続けることが不潔であると思え、辛くなり、カミングアウトをします。そして自分の好きな道を進んでいこうとするところで話は終わり。


     ふたりとも、変身の仕方や美についての考え方が違うけれど、幸せを夢見て整形をしたことには違いないのになぜ、このような結末になってしまったのか。


     詳細は実際にこの本を読んでみてうなってみてほしいけれど、私は「主体性」、「自分の価値観」の問題ではないかと思いました。男性にもてるために自分の内面を変え、主体性まで消してしまい、価値観のよりどころは他人の目と化してしまった甲斐子は、自分が無意識に見過ごしている自分自身の価値観にフィットしていないことに気づけないがゆえに毎日が満たされなくなっているのでしょう。
     一方安倍子は主体性も自分の価値観も持ち合わせています。実は彼女は作品の中で年を重ねるごとに「自分の内面」を自分らしく作っていってます。私はこの作品では「美しさとは?」よりも「自分らしさ」の大切さを改めて感じました。

  • よく分からないまま半分読んでやめてしまった。なかなか掴めなかったなあ〜・・・なんでだろう。多分最後まで読んだら結果的には面白かったのかも。

  • 美人すぎてモテない女は不細工に整形し、不細工でモテない女は美人に整形する。男は実は不細工の方が好みなのか……?我々の価値観を変える問題作。

  • 美人の甲斐子がブスに、ブスの阿倍子が美人に整形、ふたりとも幸せではなくなっていくが……… 整形しなくても同じ未来になっていたのではないかと思う。結局は中身の有り様が問題で、それが見た目や他人への印象に表れていくのではないかなと。 初読みの作家さんだったけれど、文体があまり好きではなくて読みづらい部分も。

  • 中盤以降くらいまで面白く読んでいたが、段々とめんどくさくなる。女の細かい描写等が私に合わない。

  • わかる気がする。

  • それぞれの思いによって整形をほどこした2人の主人公の境遇が二転三転する。

    外見が内面を決めるのか、内面が外見に現れるのか。

  • 切り口が面白い。
    比喩が面白い。
    いろんな寓話や神話がちりばめられている。

  • 整形と、女性の業と、男の小ささ。自分から見える世界とは異なるが、違和感なく軽やかに描かれるため、みょ~にリアリティがある。女性の生きる大変さを感じた。

全40件中 1 - 10件を表示

姫野カオルコの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
姫野 カオルコ
姫野 カオルコ
姫野 カオルコ
姫野 カオルコ
宮部 みゆき
姫野 カオルコ
姫野 カオルコ
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

整形美女 (新潮文庫)に関連するまとめ

整形美女 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

整形美女 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

整形美女 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

整形美女 (新潮文庫)の単行本

ツイートする