隠蔽捜査 (新潮文庫)

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著者 : 今野敏
  • 新潮社 (2008年1月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321530

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有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
東野 圭吾
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隠蔽捜査 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 警察官としては優秀な竜崎だが、どうやら家庭では「無能な父親」のようだ。
    邦彦のために何が出来るのか、何をするべきなのか。
    竜崎の選択は、ある種理想の父親像なのかもしれない。たぶん、実際に竜崎の立場に立ったとしたら途方もなく難しいことなのだろうが。
    悩んだ末に出した結論は、やはり竜崎らしいものだった。
    常に原理原則の信念をもって生きる竜崎。
    しかし警察内部には自らの保身のために隠蔽工作に走る人たちもいる。「警察の威信」を名目に掲げて。
    警察官として決して見過ごしてはならない隠蔽工作。
    それは何も正義感からだけではない。もしも工作が明るみに出るようなことになったら、そのダメージは計り知れない。
    警察の権威は失墜してしまう。安易に工作に走る人たちにはその切実な危機感が薄い・・・と竜崎は思っている。
    刑事部長である伊丹との関係も面白い。
    小学校の同級生であり、同期でもある。
    伊丹は友人だと思っているようだが、竜崎にはその自覚がない。
    小学校時代に苛められた記憶があるからなのだが、伊丹はそのことをすっかり忘れている。
    二人の奇妙な関係がどう変化していくのか。楽しみでもある。

  • くそ真面目なキャリア官僚、竜崎。
    読み始めは、えー大丈夫なのコレ。と思ったのですがジワジワきます。
    愛すべき馬鹿真面目。

    刑事モノって無骨な所轄刑事がキャリアと対立して〜って言う話が多いイメージだったので
    (無骨な刑事モノ、勿論大好きです)
    キャリア官僚目線って何だか新鮮。

    竜崎が一本気すぎて奥さん大変そうだなぁ、、!
    所轄での竜崎も楽しみです。
    いやー、これは人気が出てるのも頷ける作品だなぁ。

  • 結構面白かった。警察小説ではあるけど、竜崎家の話も面白い。
    竜崎のような頭の堅い官僚は嫌ーいと思っていたけど、読み進めてるうちに、竜崎は官僚の中でまともな方なのかも?と変わってきた。冴子の存在が大きい。こんな女性になりたい。
    子どもが犯罪に手を染めたとき、自分が親だったらどうするだろう。子どもを擁護しようとする親が多いのではなかろうか。自首させ、罪を認めさせ、罰を受けさせるという決断は、親としてもキツイと思う。さらに自分のポジション問題が絡む。世間体もある。それでも親として正しいことをした竜崎は素晴らしい。
    シリーズ化されてるみたいなので、読んでみようかな。その後の竜崎を知りたい。

  • 隠蔽捜査シリーズ第一弾。

    警察官僚でエリート街道を突き進んできた主人公。
    家のことは妻の仕事、東大以外は大学じゃない、直属の部下でも信用はしない。
    自分の理想に従い人生を歩んできたが、組織を揺るがす殺人事件に加えて予想外の大問題が起き、今までになく動揺しつつもすべてに真正面から向かっていく。


    警察小説はいくつも読んできましたが、官僚の立場から見るストーリーは初めてで。
    新しい視点で楽しめるかと思ったら、なんとも好きになれない主人公。
    エリートっていうのは本当に嫌な人種なのかと思ってしまうくらい。
    こんなにも主人公に感情移入できないのは初めてでした。

    が、終盤になって、そのイメージががらっと変わり。

    上に立つ人種というものが、みんな彼のようであればいいのに…なんて思いました。

  • 全く融通のきかない警察キャリアの竜崎と幼馴染で同じくキャリア組の伊丹の絡みで進んでいく。
    唐変木という表現がぴったりの竜崎と組織を守るために腐心する伊丹が好対照で面白い。
    警官による連続殺人事件と竜崎の息子の犯罪で思い悩む竜崎。
    なぜだか最初のうち、竜崎に抱いていた反感が途中から竜崎を応援したくなってくる。
    國松長官狙撃事件をベースにした物語。
    官僚として組織防衛を優先するものと官僚として正義を貫こうとする竜崎。
    思わず竜崎を応援してしまう構成の巧みさに完敗。

  • ミステリとは言いがたいですが…母から奨められ一気読了。主人公・竜崎が父に似ていてツボでした。

  • 順番違いで読んでしまったので、改めて最初の「隠蔽捜査」を買った。
    まだ竜崎が大森署に来る前の話。
    どうして大森署勤務になったのか、事件を挟みながら家族とか各署の人たちに触れてそれぞれの紹介も兼ねているような。
    先に読んでしまった感想からと初回の竜崎とのイメージは少しだけ変化あったな。
    でも、芯は本当にぶれない人だ。
    特に奥さまが実にいいねぇ・・素敵!!
    ちょっと似ている性格のせいか、いちばんのファンになったわ(笑)
    そしてなんと言っても大森署はかつての住まいの管轄署。
    お気に入りの戸高の登場シーンに思わずニヤニヤ
    楽しみが倍増、次も早く読みたいわ。

  • 行きつけの図書館が蔵書点検で1か月休みになるのであわてて本を10冊借りに行った。なんとなく手に取って事前情報全くなしで読んだ。最初は主人公竜崎がムカつく感じのやつだったけど、途中からブレナイところがいい感じになっていく。キャリアがキャリアの中でどう立ち回るかが焦点。現場の事件と連動して展開が早いので読みやすかったし、結末もなかなかいいところに落ち着いた。続きがありそうと思ったら案の定8冊も出ている、続きも読むべし。

  • ☆4 横山秀夫の警察小説が好きなので、こちらも読んでみた。 サスペンスの要素も多少あるが、内容としては基本的に警察内部の葛藤を描く、企業小説(官僚小説)である。 主人公は普通の警察小説では敵キャラとなりがちなキャリア官僚・堅物なくらい原理原則=建前を貫く。最初は嫌なキャラクターと感じていたが、最後まで読むとかっこよくさえ感じてしまう。

  • 新たなJ様お薦め本
    こちらもシリーズものらしい。
    ものすごく正しいエリート。
    ここまでくればほんとに人として可愛くさえ感じてしまいます。

    警察モノでありながら、ドンパチアクションはなく、 どうやってこの状況を乗り切るのだろうとハラハラしました。
    ちょっと人の気持ちに鈍感すぎだけど、
    こんなエリートばかりなら、よい組織ができるかも?

  • 東大・エリート・・・
    キャリア官僚だから
    コレくらい出来て当然だ!

    最初は正直
    「くどいわ!はいはい」
    と思った。

    しかし、読み進めるウチに
    たまたまこの本の主人公は
    エリート設定だけど
    例え普通の人だったとしても
    嘘をつけば・・物事を
    1回隠蔽したら
    それを隠すために
    次々誤魔化さなければいけない。
    最後には
    最初にあんな嘘をつくんじゃ無かった。
    と後悔する。
    なるほどと納得出来た。
    そして、共感できた。

    最後正しいと思った道を進んだ結果
    清々しい程の降格人事だったが
    読んだ後も清々しかった。

  • 典型的なタテ社会であり権力争いやタテマエがはびこる職場と、自分の地位と出世と特権のことしか頭にない幹部たち。
    主人公竜崎はそんな職場環境で生きる、典型的なキャリア警官だ。
    そんな主人公が、とある事件と、プライベートで起きた不祥事にどう立ち向かっていくか。
    隠蔽するか?公表するか?
    人生最大とも言える、これからの人生を左右するかもしれない二つの選択に頭を抱えるが、彼らしく事案に正面から向き合い、対処していく様子が描かれている。
    読み始めは、ただのガチガチな嫌味な官僚って感じで印象の悪かった竜崎だけど、読み進むにつれて、彼の人間性がどんどん明らかになってゆき、知らぬ間に彼を応援し始めていた。
    竜崎を支える妻の冴子、部下の谷岡が良い味を出している。
    続編も読みたい。

  • お堅い警察幹部の総務課長に最初はイライラしてしまったけど、読み進むにつれてなんで不器用で大変な人なんだろうと同情までして、さらーっと読み終わってしまった。

  • 推理小説を読むぞとかまえて入ったら
    ここまで推理要素が封印されているとは
    意外でしたが、中途半端なのより良かったかな
    隠蔽捜査シリーズって、このパターンが続くのかな?
    変人キャラの警察官僚、竜崎伸也
    続編で、どういじられるのか気にはなるが。

  • 今どきここまで頑固で、真面目な人がいるのか。
    ストーリーは簡単だが、惹きつけるものがあり、サクサク読めた。

  • 典型的な融通の利かない官僚、竜崎。と思っていたら、なかなか温かみのあるやつじゃないか。
    警察小説であり、家族の物語でもありますね。
    実際の警察官僚の出来はわからないが、隠蔽とか平気で行われているんだろうか?
    シリーズ物のようなので、今後の家族との絡みであったり、伊丹との絡みであったり、所轄の刑事とのやり取りであったりが期待できそうです。

  • ドラマスタートしたときに初回の途中まで見て
    タイトルとあいまって、
    家族を顧みず、息子の不祥事をもみ消す(もみ消せと言われてそうするのかと思った)
    好きでない、と思ってみるのを止めてしまいました。

    この本は主人の友人から廻ってきたもの。
    読んでみたら…
    タイトル、中身とあってないじゃん。

    竜崎さんの、小さい頃からの物事の考え方や心の移り変わり、
    組織での考え方など、緻密に描かれていています。
    シリーズ物と知り、続きも読みたくなりました。

  • 2013年、私の読んだ本のベストはこれです。
    警察官僚、エリート意識ばりばりの竜崎。
    こんな主人公でどう話を進めていくのかと思っていたら、こう来ましたか。
    途中、本当に話がどう進むのかわかりませんでした。

    一月からTBSのドラマでやるようなのですが、キャストがイメージに合わない! ドラマを見ようと思う人は先にこの原作を読んでください。

    絶対、おもしろいです!

  • H25.10.07
    話が進むにつれて分かる竜崎の性格に好感がもてる。
    悩みながらも最善を尽くす姿は見事でありかっこよかった。

  • 警察ものでこんな読了感は想像していなかった。出世争いは権限の取得のため、それが力を発揮して世のためになると信じてやまない主人公。正義を知る小説だ。

  • 竜崎は明らかに嫌いなタイプの人間だ。が読み終わってみると印象が変わった。竜崎はある意味変わってないのだが、読み手が竜崎にもつ印象が変わったという感じかな。実に面白い小説だった。次作も読んでみようと思う。

  • 今野 敏 『隠蔽捜査』
    (2005年9月・新潮社 / 2008年2月・新潮文庫)

    竜崎伸也は、警察官僚(キャリア)である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。
    その朴念仁ぶりに、周囲は〈変人〉という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。
    エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。
    組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。
    警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。 (文庫裏表紙より)

    主人公、竜崎伸也は正論の人である。そしてクソがつくほどの真面目人間だ。
    竜崎をよく知る同僚でさえも彼の正論をたてまえというが、彼はそれを否定する。
    たてまえすなわち理想主義ではなく、原理原則を大切にしているだけだ、と。
    常に正論を口にする竜崎は、周りの人間と相容れない孤高の男として描かれている。
    正論を口にするのは容易いが、それに従い自らを律するのは難しい。
    人は皆そのことを社会生活の中で学んでいくものではないのか?

    日本の警察機構の腐敗ぶりが新聞紙面を賑わす昨今、この男にスポットをあててどうするのか、と勘繰ったが、読み終えて納得した。
    今だからこそ、なのだ。
    このシリーズが今、人々に享受されている。
    これすなわち、竜崎という男を現代の日本が求めている、ということに他ならない。
    彼を主人公に据えたことで、この作品の成功は約束されていたのだ。

    今野敏さんの作品は『蓬莱』以来読む機会がなかったのだが、このような作品をものするまでになるとは正直思わなかった。

    描かれている事件は、確かに重く暗いものだが、謎もアリバイも、あっと驚く真犯人も出てこない。
    ただその事件によって大きく揺らぐ警察という組織を守るために、竜崎は心血を注ぐ。
    ここに到る緊迫感を、信念を貫く男の姿を、美しいと思うまでに描ききっている。

    竜崎の妻、冴子の造形も素晴らしい。
    最後に、私が竜崎に惚れこんだこの夫婦の会話を引用して、この駄文を終わろうと思う。


     「あなた、本当に友達いないでしょ」

     「いないが、それがどうかしたか?」


    今年のベストカップル賞を進呈しよう。

    85点(100点満点)。

  • エリート警察官僚を主人公にした警察小説。
    すっと頭の中に入ってくるような簡潔でわかりやすい文章なので、
    大変読みやすいです。

    最初は鼻持ちならない嫌な人という印象しかなかった主人公ですが、
    読み終える頃には、味のあるキャラクターへと私の印象は変わっていました。
    原則論で生き、一切ぶれす、“変人”キャラは読み進めていくうちに人間臭く感じ、それがまた面白くもありました。

    ミステリー要素やサスペンス要素は少ないかと思いますが、
    家族小説的な要素があり、私はその部分で最後まで面白く読めました。

  • 人気シリーズ第一弾。
    3作目『疑心』を読み始めたのを機に振り返る。

    映画、漫画、小説等では通常悪役や憎まれ役、引き立て役として扱われる“キャリア警察官”が主人公という異色の設定に心惹かれて購入。

    いかにもキャリアという東大至上主義、家庭を顧みない仕事人間だという描写に、初めは不快感。ホントにこいつを主人公にして魅力ある物語にできるのか?と疑心(笑)。

    不器用というか、阿呆というか…なくらいに融通が訊かない竜崎の考え方・生き方の根底にあるのは“国のために全精力を傾けるのが国家公務員の勤め”という信条が理解できるようになるにつれ、感情移入できてきた。

    とんでもなく真面目なために周囲からの誤解を招きながらも、自分の信じることを貫き通す生き方に、いつの間にか共感。

    息子の不祥事も最終的にはもみ消すことをせず、しかるべき処置をとった潔さにも好感。

    気がついたら一気読みしていた一冊。

    2010年頃に読了。

    2012.03.01.書く。

  • 警察庁のキャリアという特権階級に居ながら、独自の信念と特権意識を持った人物が主人公の物語です。
    キャリアの中ではきっと浮いた存在なんだろうけど、でも彼を誰も責められない・・・それくらい強烈な信念を持った人間が警察庁に居たらどうなるか?それを見事に描いているのはすごいと思います。
    筆者の作品は正直良く分からないものもあるのですが、これは本当に面白かったです!

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隠蔽捜査 (新潮文庫)の作品紹介

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は"変人"という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。警察小説の歴史を変えた、吉川英治文学新人賞受賞作。

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