そこに日本人がいた!―海を渡ったご先祖様たち (新潮文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101324814

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  • 江戸時代から幕末、明治、大正と島国日本から飛び出して、世界各地へ飛んでいった最初の日本人たちのノンフィクション。
    現在のような情報通信手段がない中で、一旗上げようと地球の裏側へ行った者など。雄飛という言葉がまさしく。言葉も文化も何も分からず、とりあえず行ってみるべ精神。日本人にもフロンティア精神は備わっていたんだな。
    ちょんまげ頭に和装姿で大小の太刀を腰に差し、ラクダに乗ってエジプトへ。果てしなくシュールな絵面だ。
    こういうご先祖様達を見ると、大抵の悩みごとなんてひどく小さく感じるね。
    良書でした。

  • 現存する記録から、世界各地に渡った日本人(最初にその国に定住した人)を紹介していく。

    開国後の幕末~明治の人が多いものの、戦国時代などの記録もある。

    特に興味深かったのは、南アフリカに明治半ばに移住した商人、マダガスカルに明治に移住した商人、それから明治の初めに修理の為長崎に寄港した外国船に誤って取り残されて世界中を回り、ニュージーランドに住む事にした少年など。

  • ・世界中に散らばったファーストジャパニーズを追いかけた一冊。18世紀のあの頃に既に日本人が?というロマンに溢れた一冊。
    ・アフリカ大陸の果てにまで、明治中期には既に日本人娼婦が渡っていた事に驚く。娘子軍と呼ばれるからゆきさんたちの逞しさよ。
    ・幕末期以降のものが多いのだけど、沢山の日本人がヨーロッパやアメリカに漂流して辿り着いている事から考えると、記録がないだけでもっと遥かに昔から世界各地に日本人の姿はあったはず。ロマンを掻き立てられる。
    ・明治のこの頃、貧しかった日本は単純労働だけを頼りに海外へ出ていた。だがその志や誇りは現代の海外留学・赴任者に決して劣らないと筆者はあとがきに言う。海外へ出るのが目的ではなく、出てなにをするかだ。納得である。

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