君はこの国を好きか (新潮文庫)

  • 160人登録
  • 3.44評価
    • (11)
    • (18)
    • (44)
    • (4)
    • (1)
  • 22レビュー
著者 : 鷺沢萠
  • 新潮社 (2000年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325156

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

君はこの国を好きか (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ジニのパズルを読んで読むシリーズ その2

    群像さんリツイートありがとうございます。あの作品を読んでまだまだ読書の波が。

    葉桜の日から7年が経ち、鷺沢さんも30歳近くになっての作品。
    実際には「ほんとうの夏」が92年の作品で、芥川賞候補になって、そこから韓国の大学に留学して、97年「君はこの国を好きか」でこれまた芥川賞候補。

    むつかしいなぁと。

    「ハングルに感電」でして韓国留学、そして大学に進むんだけど、その話どうしても「ナビ・タリョン」「由熙」の世界とダブってしまうんですね。
    由熙が89年に芥川賞を受賞している。

    それが私頭から離れない、となると選考委員の人たちも(違っているのかもしれないけど)そうなのではないか、というところがありました。

    日本での違和感、それなのに韓国にいざいっても文化的には日本の人間と変わらないわけでそれはそれで違和感を感じてしまう。

    在日3世の苦しさ、自分の力ではどうしようもないことに対するこの苦しさは、こういった作品を通じて、自分の中に少しでも、感じとらないといけないなと、改めて思います。

    10代で史上最年少で文学賞を受賞!からの出生の事実を知り、韓国留学を経ての結果こうなると、作家として厳しい部分があったのではないか。

    35歳で自殺、ということを読むと、そんなことを想像せずにはいられない。

    逆に、何も知らない頃に受賞した「川べりの道」が読みたくなりました。知らぬまま、作家生活を歩んでいたらどんな人生に、どんな作品になったんだろうと詮無いことを考えながら。

  • 葉桜忌の再読。
    在日三世の若者の戸惑いを描いた二つの中編を収めた物語。
    この当時の鷺沢さんでしか描けないビビットな作品。

    40代の鷺沢さんが描く物語が読みたかったなぁ。
    そして、この作品を2015年に出版できる出版社はあるだろうか。

  • 在日韓国人が日本人でもなく、韓国人そのものでもなく、自らのアイデンティティを把握しかねて悩みのうちにある様子が手に取るように分かりました。決して私達が差別をしようとしていなくても、本人たちにとっての純然たる祖国がないということだけでも大きな悲しみなのだということが良く分かりました。思わず惹きこまれ一気に読むことになりました。

  • 日本にも帰属できない、夢見た祖国には不適応を起こしてしまった―そんな在日コリアンの女性の成長物語。「在日コリアン」としてのアイデンティティを獲得する描写は見事。

  • 「君はこの国を好きか」

    学生時代、激しく共感して泣きながら読んでいた本。
    “あたしはハングルに感電したのだ・・・。どんな状況に陥っても―たとえこれよりも何キロ痩せようが―、あたしにはハングルがある、「韓国語がある。」”

    鷺沢さんがひりひりと感じていたであろう感覚が、生々しく伝わり、心を突き刺す。

  • 「この国」とは日本のことだと思って読み始めたら、韓国のことだった。2つの話が入っていたが、「君はこの国を好きか」を読んだとき、著者が自殺してしまった理由がなんとなく一部分だけ分かったような気がした。こんなに自己分裂的な感情を持ちながら2つの国の文化に真摯に相対するのは著者にとっては苦痛だったのではないか、考えるだけでぞっとする。国とは、文化とは、風土とは何かを改めて考えようと思った一冊。

  • 数年ぶりに再読しました。彼女の作品は古くならないのがすごい。描かれる感情が現代も全く褪せていない!感電したのは私のほうでした。

  • (メモ:高等部2年のときに読了。)

  • 2010年2月12日購入。

  • 内容は恐らく、自身韓国の血を引く鷺沢氏の経験を活かしたもの。それだけに様々な想いが込められていると思う。いろいろと考えさせられる作品。

  • おれはこの国を好きだ。

  • 鷺沢 萠の【君はこの国を好きか】を読んだ。

    突然こう問われたらあなたは即答できるだろうか?僕は即答できる自信がある。

    おそらく多くの若者は欧米の生活や文化に憧れを抱いているであろうから「嫌い」と即答するかもしれな

    い。そういった類の憧れは僕にだってある。しかし、この国、つまり「日本」が好きか嫌いかという話と

    なると別問題で僕は間違いなく「好き」だと即答するだろう。と、この本を読むまでは思っていた。

    鷺沢 萠の【君はこの国を好きか】に登場する人物は、主人公の雅美も含めて韓国人である。日本で生ま

    れ育った韓国人の3世の世代だ。

    日本で生まれ育ち、日本語を第一言語としている雅美は大学を卒業したあと「もう少し学生でいたい」と

    いう甘えからアメリカに留学する。そこで出会ったのが韓国からの留学生ジニー。成真伊(ソン・ジニ)

    という二十歳の女の子はアメリカでジニーと呼ばれていた。

    韓国籍でありながらハングルが一切話せない雅美とジニーの会話はお互いの祖国語ではなく英語である。

    ジニーは初対面の雅美にいきなり韓国語で話しかけてきた。

    国籍は韓国であっても自分の家は親の代からすでに日本で生まれ育っていて、教育もすべて日本で受けて

    きているから韓国語は話せないのだと雅美は英語で説明する。

    「Are you quite sure you are a Korean?」(あなたは、自分が韓国人であると確信しますか?)

    ジニーは韓国人でありながら韓国語が話せない雅美を責めているのではない。単に疑問なのだ。その後も

    「日本で暮らす2世、3世はみんな韓国語が話せないのか」や「どのくらいの数の韓国人が日本にいるの

    か」などの疑問を雅美にぶつける。雅美は言葉に詰まった。

    雅美は歴史的に考えて、在日という差別的な用語をもって見られていた世代ではない。だから苦渋を舐め

    るような差別も受けたことがないし、それについて深く考えたこともなかったのだ。

    この出会いをきっかけに雅美の中に流れる韓国の血が目覚める。日本にいた時には、自分の周りの人間の

    ことを韓国籍であることや韓国語が話せない問題など含めて「あなたたちは何も知らない」という思いを

    募らせていたがアメリカに来てジニーに出会い「何も知らない」のは自分だったのだと気付く。

    ジニーに韓国語を教わり、次第にハングルに夢中になる。それは自分の血だとか国籍だとかとは関係なく

    単純に言葉として「面白かった」からだ。

    あたしはハングルに感電したのだ ―。

    雅美の心は強く韓国に魅かれる。そして、韓国に行って韓国語を学ぼうと決意するのだった。

    初めて自分の祖国・韓国に足を踏み入れた雅美に待ち受けていた現実は過酷だった。

    韓国人でありながら満足に韓国語が話せないということで受ける差別、韓国という国のガサツさ、いい加

    減さ、すべてがショックだった。極度のストレスで拒食症にまでなり、祖国でドン底にまで落ちていく雅

    美。「自分は一体なんなのか?」目まぐるしく交差する自己の葛藤。そんな雅美を支えてくれたのが、同

    じ日本から韓国に留学にきた3世の仲間たちであった。

    韓国人でありながら祖国の壁にぶち当たる若者たちの葛藤は凄まじい。そしてつい口走ってしまうこんな

    セリフ。

    「だから結局韓国ってさ・・・。」

    韓国を否定することは自分の存在さえも否定することである。

    「でも、あたしたちの国なんだよね・・・」

    雅美はそう言ったとたんに冷たい涙が噴出すように流れた。

    幾多の苦難を乗り越え、韓国の大学院を卒業し日本に「帰る」日。

    見送りに来てくれた... 続きを読む

  • むずむずする良い読後感。

  • ジレンマが伝わる。

  • 小説としての面白さを失わずに、アイデンティティの葛藤を丁寧に描いた作品。
    メメさんの視点の鋭さに脱帽です。

  • 男の子の台詞は相変わらずバカみたい。でもこりゃ名作だな。在日3世のリアルな気持ちが感じられる。

  • 何にも知らないのはあたしの方だった。

  • 色々考えさせられた

  • 日本と韓国。2つの国のはざまで揺れる感情描写がとても響いた。ナーバスになりがちな問題だけれど。

全22件中 1 - 22件を表示

君はこの国を好きか (新潮文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

君はこの国を好きか (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

君はこの国を好きか (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

君はこの国を好きか (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

君はこの国を好きか (新潮文庫)の作品紹介

わたしはハングルに感電した-。アメリカで出会った友人に影響され、雅美は韓国語に魅せられて、ついに留学を決意する。ところが文化の違いから、いらだちと挫折感を味わうようになって…。東京とソウルを行き来する青春の日々を新しい感性で描く『君はこの国を好きか』に、ふとしたことから、在日であることを自覚させられる男子大学生を主人公にした『ほんとうの夏』を併録。

君はこの国を好きか (新潮文庫)の単行本

ツイートする