ウェルカム・ホーム! (新潮文庫)

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著者 : 鷺沢萠
  • 新潮社 (2006年8月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325200

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ウェルカム・ホーム! (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 近年、米国のファミリー映画は、ゲイカップルの子供の話だったり、ちょっと変わった形で、家族のあり方を問う作品が増えており、その度に大きな反響を呼んでいる。

    鷺沢さんが、10年も前に、先駆けるかのように、『血縁とも婚姻とも恋愛とも違うもので結びつく人々』を描いているとはなんとも素晴らしい感性。

    家族について、考えさせられました。

  • 鷺沢さんの本の中で一番か二番目に好きな本。
    読みやすいしね。
    特にひとつめの話は温かくて好き。
    二つめはなかなか苦しい気持ちになるけど、ハッピーエンドなので。

  • 「渡辺毅のウェルカム・ホーム」
    コミカルに軽いタッチで描かれた、男3人の生活。父子と毅。
    主夫であり友であり、もう一人の父であり母であり。けれどそんな肩書きより「家族」というだけでじゅうぶんなのかもしれない。

    「児島律子のウェルカム・ホーム」
    こちらはキャリアウーマン律子のお話。
    突然の見知らぬ青年の訪問。経てきた2度の結婚。ラストへ向けじわり盛り上がってゆく。
    個人的にビビッときたのが、聖奈の不登校のきっかけとなった夜のシーン。彼女の心の衝撃が伝わってきて、チクチク胸が痛かった。

    どちらもほっこりあたたかい読後感。どうぞお幸せに。。

  • 『渡辺毅のウェルカム・ホーム』
    憲弘(小学生)の家は少し変わっている。
    お父さんがふたりいるからだ。
    本当の父親である英弘と、その友人である毅がふたりの父親ということになるが、英弘は働きに出、毅が主夫(在宅で働いてもいるが)をしている。
    そのことを憲弘が正直に作文に書いていることに焦る毅。
    毅は英弘にマズイと相談をするのだが、それは自分が同性愛者だと誤解を受けているということではなく、自分が男としての沽券を大事にしているコンプレックスが浮き彫りにされる。
    事実、毅は自分の収入だけでは生活が厳しくなったがために、忙しすぎて家事も子育てもできない英弘の家事を分担してくれれば養う(ほぼ)という条件を呑んだのだから。

    この物語りは一瞬、ゲイカップルの子育て奮闘記かと思うのだが、そうではなくて血の繋がりがなくても家族というあたたかい共同体はできるのだと教えてくれる物語りだ。


    『児島律子のウェルカム・ホーム』
    キャリアウーマンの律子の元に、ある日突然訪れた若者。
    「僕、セイナさんと結婚しようと考えている者です」
    突然の告白に仰天するが、何より驚くのは読者だろう。
    この時点で、律子は結婚もしていなければ子供もいない雰囲気なのだ。
    しかし、そこから過去に律子が結婚しており、相手の連れ子(セイナ)を育てていた時期があることがわかる。
    しかしあることをきっかけにセイナとはケンカ別れ。
    夫とはその前からダメになっており離婚していた。
    それから年月が経っての話である。

    こちらも血の繋がりのない家族の物語。
    読んでいて、よかったねぇと素直に感想が出る。

  • ほのぼのお勧め。
    時代背景が近く、文章の流れが良い。

  • 好きなタイプの話で、終わり方もよかった。
    お話は2つ。まったく互換性はない。

    最初のストーリーは、友達と同居することになった渡邊と友達と死んだ母親の元に生まれた子供と一緒に3人で住むことで起きる些細な日常の積み重ね。
    日常って言っても、彼らにとっては事件ってこともあるしね。
    子供が無邪気なのがいいね。きっと心の中では思うことはあるにしても、きっと父親の楽天主義に影響されているのか、そういう無邪気さが救い。

    主夫をすることになる渡邊も葛藤はするんだけど、自分が「いい」と思える仕事が家事だってわかってよかったんだよね。もちろんすんなりこの結論にたどりついたわけではなけど。

    2話目のキャリアウーマンの律子の話も好き。
    子持ちと結婚して、子供の世話をすることに悪戦苦闘するんだけど、結局離婚することになって、血は繋がっていなくても大事に育ててかわいがってきた子供との別れはつらく・・そして時は経ち、ある日男の子が訪ねてくるって流れ。

    なんだろう。
    両方ともきれいごとかもしれないけど、あったかい。
    そうそう。あったかいの。
    家族っていいな。
    そういう意味で。

    二組とも子供(同居している、していた)とは血はつながっていない。でも愛おしみ、慈しみ、教えられることの大さといったら。
    単に働いているだけではわからないこともある。

    私は子供はいないけど、こういう家庭、というか心の持ち方を忘れないようにしたいと思った。

  • 読みやすい。何となく心温まる。家族とちゃんと向き合うって大事って思う。遠慮せず、心配してやろうと思う。

  • 【本の内容】
    いちばん大事なのは、お帰りって声をかけてくれる人がいること。

    親友の父子家庭に居候しながら家事と子育てに奮闘する元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。

    それぞれの「ウェルカム・ホーム」をさがすふたつの物語に優しい涙がとめどなくあふれる。

    まるで神さまからのギフトのような慈愛に満ちたサギサワの最高傑作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    ホーム――家族の物語だ。母親がおらず父親が二人の家庭など、少し変わった家族の姿が綴られる。

    とても温かい気持ちにさせてくれる。

    血がつながっていてもいなくても、何人かの人間が不器用に寄り添い、一緒に暮らすべく試行錯誤している様子に、「ああ、こんな家族が欲しいなあ」と思わせられる。

    彼らは最初から気が合うから家族になったというよりも、一生懸命家族になろうとしている。

    友人の息子でも、夫の連れ子でも、関わり合ううちに主人公自身が少しずつ変わっていく姿がいとおしい。

    そうしてつくりあげた家族だからこそ、ただ一緒にいる家族よりもずっと強固な絆で結ばれるのだろう。

    そんな、とても羨ましい光景を見せてくれる小説だ。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 全2編の中編集。

    「渡辺毅のウェルカム・ホーム」
    「児島律子のウェルカム・ホーム」

    解説・三浦しをん

  • 渡辺毅と児島律子の物語。この二人に関連性はなく、それぞれの家族の形が描かれている。
    所謂、両親が揃っていて・・・という「普通」の家族、「普通」の結婚を逃した二人が、自分達なりの幸せと家族の形を捉え、受容していく過程がよかった。表現が適度にポップで、重すぎず暗すぎず。幸せにもひたりすぎずで、これからも様々に形を変えうる家族の可能性を秘めながら、前向きに進んでいこうとする家族たちに感動しました。

  • 久しぶりの鷺沢萠。家族とは何かを問い続けた作者が最後に遺した作品。フツーな家族って何?フツーな家族なんてないんだから、自分に正直に生きれば良いんじゃない、とでも言いたげな作者の優しさに触れられる作品。来年4月11日で没後10年。早すぎるよ、鷺沢さん。

  • 「渡辺毅のウェルカム・ホーム」は、父子+父親の男友だちの3人家族の、
    「児島律子のウェルカム・ホーム」は、再婚相手の連れ子との、
    どちらも血のつながりのない家族を描いた作品です。

    「フツー」ってなんだろう? 
    家族ってどんな形だったっけ? 
    家族って誰だっけ?

    この作品を読みながら「家族って」と考え始めると、
    思考が迷子になりそうです。

  • 様々な悩みと共に生きていく人々の「ホーム」を探る中篇二つ。

    フツーという枠で人を括ることがどんなに愚かなことか。
    ある意味ではフツーではない環境を持った主人公達が、最終的に自分なりの「ホーム」を見つけていて、じゃあフツーなあなたの「ホーム」は?と問いかけられているような読後感。今生きている環境に改めて感謝させられた。
    どちらもホロリとくるようなラストが用意されていて、全体的に見るとすっきりと読めるが、個人的には二つめの話の展開がちょっと。。
    回想を中心に事実の羅列のようなじれったい描写が続き、少し読み進めるのが辛かった。控え目にこの星数で。

  • 男のくせに養ってもらっていると思い、屈折している主夫の話。それから、2度の結婚に失敗した女の話。前の夫の子供が自分になついてよかったっていう話。どっちも、あまり面白くなかった。

  • 読後感がとっても良かった本。
    何度か読み返したお気に入り。

    この作者の本はこれしか読んでいないが、この本を読みながら、スタバで豆を引いてもらっていたら、店員さんに「この方最近亡くなりましたよね」と言われてすごく驚いたのを覚えている。

  • ちょっといい話 二題、といったところでしょうか。

  • 『「渡辺毅のウェルカム・ホーム」「児島律子のウェルカム・ホーム」という2つの作品が収録されている。
    鷺沢さんの作品は、以前『大統領のクリスマスツリー』をの繊細な感情描写と構成の見事さに打たれてからまめにチェックすることにしている。
    今回も書店でまたまた目にして思わず買ってしまった。
    もっとも、購入したときには「渡辺毅のウェルカム・ホーム」「児島律子のウェルカム・ホーム」というタイトルから『冷静と情熱の間』のように同じストーリーを男女の視点から描いた作品だと早合点していたのだが、ここに収められているのは2つの独立した作品だった。
    「渡辺毅のウェルカム・ホーム」で描かれるのは、二人の男と息子の「ダブルファーザーファミリー」で、「児島律子のウェルカム・ホーム」では「女は家庭を守るもの」という観念と「働きたい」という欲求、「夫に代わって働いて一家を養わねばならない」という必要のはざまで苦しい立場に置かれた妻が描かれる。
    どちらも「普通」の家族関係とは言えないだろう。
    苦しみ、悩み、時に傷つきながら、登場人物たちは前を向き、自ら救いを見出していく。

    「自分が向いてない分野のことは、向いてるヒトに任せる。その代わり、自分は自分が向いてる分野で役に立つ。それでいいんじゃないっすかね」

    誰もが心の底でそう思いつつ、「でも、やっぱり」と躊躇するところで、彼らは一歩踏み出す。

    三浦氏は次のように疑問を投げかける。

    「一人ではいきていけないから、人間は『社会』を形成する。不足しているものをお互いに補いあって、なるべく幸せに暮らしていくためだ。幸せを感じるのは個人の心なのだから、『社会』を構成する単位は『個人』であるはずだ。それなのになぜ、『家族』が単位であるかのように、『社会』の仕組みはできあがっているのか。」

    家族には、家族にしかない良さがある。

    家庭を守る妻、一家を支える夫、両親の愛に育まれすくすくと育つ子供たち、活気ある一家団欒のひととき――

    そうしたモデルは、やはり魅力的だと思う。
    でも、そうした幸せは誰もが享受できるものではない。
    また、そうしたモデルをすべての人が目指す必要もないだろう。

    結局、人間はひとりでは生きられない。
    助け、助けられて生きている。
    その助け合いの方法は、別にひとつじゃない。
    正解なんかない、いや、自分が信じたものが正解なんだ。
    他人の目なんか気にしなくてもいい。
    自然にそう納得できるような、やさしい言葉がいっぱいつまっている。
    また折にふれて読み返したい一冊。

  • 可もなく不可もなく おもしろいけどひとにすすめたくなるほどではない

  • 本当に、惜しい人を亡くしたんだなあと、つくづく思う。
    心が満たされる2編。
    読んでこんなに幸せな気持ちになれるものって、そうそうない。

  • 本当に大好きな1冊
    なかなかへんてこな家族構成をしていて、幸せなんだけど
    世間の常識と比べると・・・と考えてしまう主人公
    いろんなことがありながらもお互いに助け合いながら
    絆を感じ、その形に感動する

  • 2作品のいずれも、血のつながりだけが、「家族」を形成するものではない、と。お帰りなさい、と言ってくれる人のいる場所が、HOME。
    親友の父子家庭に居候しながら家事と子育てに奮闘する渡辺は、親友の子供の作文を読んでしまい、ショックを受けるが、真相は?再婚にも失敗し前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島が、連れ娘の夫がきっかけとなって再会。

  • おかえりと迎えてくれる家族がいることのしあわせ。
    足りないものを補い合うのが家族ならば
    わたしもいつか自分の家族を持ちたいと思わずにはいられません。

  • 何となく、今の気持ちにはあわない感じ。
    ちょっと文章がくどいかな。

    すぐ読めたから、それは気分的にはあっていたんだけど。

  • 2010年2月9日購入。

  • ◆あらすじ◆
    いちばん大事なのは、お帰りって声をかけてくれる人がいること。
    親友の父子家庭宅に居候しながら家事と子育てに奮闘する元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。
    それぞれの「ウェルカム・ホーム」をさがすふたつの物語に優しい涙がとめどなくあふれる。
    まるで神さまからのギフトのような慈愛に満ちたサギサワの最高傑作!

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