- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101325316
感想・レビュー・書評
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レンタルチャイルドに続き、2冊目の石井光太。
貪るように石井光太の本を読んでいる。
レンタルチャイルドで貧困による劣悪な環境というものを学んだせいか、今回はあまり衝撃を受けなかった。
それは読み手の私が刺激に慣れたせいで、本著に登場する人々の生活がレンタルチャイルドに比べて恵まれているという訳ではない。
それよりも、著者の姿勢の方が気になった。
少年漫画の主人公のように、弱い部分を持ちながらも常に正しい側に立っている。
作中に登場する人々が、「何か改善しなければいけない生活を送っている」という視点で眺めているように思えた。
もちろんその通りだが、それが傲慢な正義感に思え、読んでいてイライラすることが何度かあった。
事実だけを淡々と述べるルポを期待していたので、少し残念。 -
2013年2月25購入
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作者の目線は、いつも底辺で、日の当たらないところで懸命に生きる人々に向けられる。
宗教とは、本当に人を救うためにあるのか?と考えさせられる。
幼い頃から、路上で暮らし、食べるために、売春を行う。
悲しい現実だ。
そんな彼・彼女らに対して、無力感を感じる作者。
私も何もできない。 -
ミャンマーの老人の独白という形式をとる第三章「問わず語り」は、宮本常一の土佐源氏を思い出した。そう思って読んでみると、民俗学っぽいと思った。
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『イスラーム飲酒紀行』に続き、イスラーム世界の裏を知る。
中東や南アジアの売春にかかわる人々を描くルポ。紛争地域や男娼までカバーしてるんだから並大抵の行動力と実現力ではない。
その点にはもう完全に脱帽なのだけれど、読み物としてはちょっと評価が落ちると思う。
描写や言い回しがわりと陳腐というか、場末のファミレスがすごいネタをさばききれてない感。
好奇心とジャーナリスト気分で行くから、実際そこにある矛盾や悲惨な現実に対して何もできず、そんな自分を憐れんでいることにも気づかず、知らずにインフォーマントを傷つけている。
しょうがないといえばしょうがない。知らせてくれただけで本当にありがたい。でもなんかイライラさせられた、というのが正直なところ。
そもそもこれが「イスラームの国々」という縛りでやった価値が表現されきってないような気がしました。
でも、心にぐっとくる話ばかりです(ワンパターンだけど)。自分しか売れない女を痛めつけるのも、救うのも男。性欲という最も危険で根源的な欲望が生む悲劇と、その中の小さな救いや人の強さが垣間見られました。男娼の兄弟の話には号泣した。 -
かわいそう、何かしてあげたいと思っても、何もできない現実
うーむ。 -
第三章の『問わず語り』という話が好き
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取材姿勢はすごいなとは思うものの、期待していた内容では無かった。もっと一般的な人々の感覚を知りたかったが、よく考えたら若い男性である著者がイスラムの国で一般的な女性を取材出来る訳ないよね。そして表現は稚拙に感じる。
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せっかくの取材も、陳腐な表現や叙情的に過ぎるくどい言い回しのために価値が薄れて感じられた。
取材をする能力と、文章を書く能力は全くの別物なのだと改めて実感した本。