- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101325323
感想・レビュー・書評
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ルポ形式でトピックが整理されていて読みやすい。スラム街や路上生活の人々の暮らしを知るには良い本。また、大きな視点に立つ国際開発論からは一線を画す著者独自の「貧困論」のミクロな視点には大きな共感を覚える。
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児童労働も麻薬とかも、部外者から見たら無くさないといけない、無くすことがいいと思ってるけど今すぐ無くすと逆に生活できなくなる人がいるとわかった。
物乞いとかは、レンタルチャイルドがいたり、お金持ちがなりすましてたりするかもしれないけど、ほんとに困ってる人は1日の生活がかかってるのでもし出会ったら絶対渡したい。 -
貧困問題と言えば犯罪率・セーフネット・ODAなどに目がいきがちだが、本書は実際に著者が世界各国の貧困地域で暮らした経験談を元に述べられていたので、貧困問題を捉える観点が一つ増えた。
貧困層の収入源、家族構成、人間関係などが世界の地域によって全く異なることに驚いた。また、貧困層だからといって一概に不幸でないと本書で感じられた。
今後、貧困問題のニュースに触れる際に暮らしている貧困層の立場になって考察してみたい。 -
世界の貧困の実態を講義形式で教えてくれる。ユーモアも交えつつ暗いばかりの感じでもなくかといってやはり、無問題ではない。こうして生きているという実態をそこに入り込んで描いているので、かえってリアルな感じがする。いろいろと考えさせられる。
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世界の貧困の凄まじい現実。
日本に生まれたことを感謝せずにはいられない。
途上国には何故か失業者が多い。
産業を作ることが解決策になるのかな?
著者が実際に路上生活者たちと寝起きを共にして取材したというのも凄いと思う。 -
貧困は悲惨を生む。
インドでは物乞いビジネスのために赤ん坊がレンタルされ、成長してくると、目をつぶし足を切断し物乞いをさせる。
お金のためにそこまでする。
しかし、目をつぶされた子は逃げることができない。
ゆえにマフィアに飼われながら、生きるしかない。
そのうちに、目をつぶされたのは、自分が悪いからだと思いこむようになる。
悲惨としか言いようがない。
それに比べれば、不況だ何だと言ったって、日本は豊かだ。
圧倒的に豊かだ。
街を歩いて、多くの物乞いを見ることはない。ストリートチルドレンと出会うこともない。
日本をいまの日本たらしめた、過去の日本人に感謝。日本という国そのものに感謝。 -
世界には一日1ドル以下で生活している人が12億人(世界人口の約5人に1人)、一日2ドル以下では30億人(約2人に1人)だという。
その多くは発展途上国の人々であることは容易に想像できるが、改めてたった1ドルや2ドルで生活している人々がこれだけいることに驚かされる。
この本は2009年に出版されたものであるが、この現状はほとんど変わっていないであろう。著者が世界のいろいろな国、地域で実際に接し、あるときは一緒に生活をし、取材した生々しい現実、ルポルタージュである。我々が知るこういった貧困の実態や彼らの生活は、報道で取り上げられるある一面でしかないことがよくわかる。辛い、悲しい、かわいそうといった感情もあるがそこに暮らす人々はそこでなんとか生き抜いていかなければならないのである。生きるためには動物のように路上で寝起きも排泄もしなければならなかったり、犯罪行為さえいとわない。ある意味彼らのたくましさを感じさせる。
教育を受ける機会もない人々にとっては、道徳や宗教、倫理といったものも我々の社会とは全く違う。自分が置かれた立場で生き抜くためには他の社会規範は無用ともいえるのだ。
いったい私達は彼らに何をするべきなのか?手を拱いていいのか?著者もいっているが、これに対する唯一絶対の回答はない。私達それぞれが自分の考えで何をするべきか、回答は多様で個人の行動は微々たるものであっても少しでも前進させていかなくてはならない問題であろう。 -
著者本人が体験した世界の貧困事情について、統計もないがしろにすることなく、非常に読みやすく且つ生々しい文章で書かれている.一気読み可能.
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明るい?調子の体験記だが、かなり恐ろしい事実を知る。やはり何も知らなかった。著者のような体験はとてもできない、と思っていたが、意外といけるかもしれんと思えたことが大きな収穫だったかも。こんな強烈な生活をしている人々がいるのだが、そこにも何気なくなじんでしまいそうな気が、読後少しした。なぜか不明だが。