レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち (新潮文庫)

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著者 : 石井光太
  • 新潮社 (2012年10月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325330

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レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  著者の石井さんはインドのムンバイで乞食をする人々の実態を暴く。後半では雑誌社から取材料金なるものを手にして、マフィアの「物乞いビジネス」の全容を知ることになる。確かに読んでいて、その闇の深さにただただ驚く・・・著者は自身で本書にも記載しているのだが、自分は外人なので危害は加えられないだろうという立場での取材であることを認識している。事件が起きている現場の突撃取材で当事者を名乗る著者だが・・・違和感を覚えたのはわたしだけかな。内容は凄いの一言。

  • レンタルチャイルド。
    表紙とタイトルだけで壮絶な貧困問題を取り扱っていることは想像がついた。
    著者が数年おきにインドのムンバイを訪れ、貧困の現場をルポタージュしたもの。

    気付くと段々と小説を読んでいるような気になっていた。
    そのようにして見ないと受け止めきれない気がして、心が勝手に張った予防線なのかもわからないが。

    ラジャという青年を追いかけられたことはすごい意義があると感じる。
    少年から青年への成長の過程と、ムンバイの発展、貧困者たちの形勢変化が切り離されずに描かれている。
    たまたま出会った少年がどういう社会の中で生きているうちの一人なのか、
    その一人がどんな気持ちを味わって生きていいるのか。

    言葉をなくしてしまう。

    フィクションであればラジャ少年がなかなか男前なキャラクターである。
    泣かせ所は十分。マノージと絡めればお話も纏め上げられそうな気がするが、全部作者の目の前で起こった事実。

    ずっしりと重い。
    自分が何も考えずに享受しているものを再確認する。
    遠い国のお話。「せめて」と希うことが多すぎる。




    うーーーーん、うまくかけません。ショッキングは大です。映画じゃない。

  • この本は作者である石井光太さんが10年の歳月を費やしただけあって、彼のルポルタージュの中でも出色で禍々しい内容になっています。紹介しておいてこういうことを言うのもなんですが決して万人受けはしません。

    僕は今回この記事を書くために、もう一度この本を再読して、その上で今回この記事を書いておりますけれど、現在非常に鬱の状態です。それぐらいのインパクトがこの本にはあって、僕自身でさえもここで挙げておいて言うのもなんだけれど、非常に迷います。紹介していいものなのかどうか、と。

    ここに書かれているのは、前編に渡って絶対的な貧困というものがいかに
    『にんげんが、にんげんでなくなってしまうのか』
    ということです。作者によると、インドの地で路上で物乞いをしている女の人たちが抱いている赤ん坊は実を言うとマフィアに売られた赤ん坊で、それを物乞いに文字通り「レンタル」することで彼らからその収入のほとんどを巻き上げ、赤ん坊がさらに成長すると目をつぶしたり、手や足を切り落とすなどして『障害者』として路上に立たせ、物乞いをさせる。そして、その路上で生き残った子供はここでいうところの『路上の悪魔』に変貌を遂げます。

    身寄りのない彼らはよりあり集まって『青年マフィア』結成し、街でヒジュラを襲ったり、本当にさすがの僕もここでは書くことを差し控えるようなことをして生き延びていくのです。それはもうおぞましいものです。そして、僕が一番印象に残っているのは作中にラジャという少年が出てきますが、彼もまた大人になるにつれて、かつて自分が最も忌み嫌った存在に変貌してしまうのが、これまたどうしようもないやるせなさを読んだ後に残してくれました。

    これは、はっきり井って心臓の弱い人にはあんまりお勧めできません。それでもいいという方のみ、読んでください。

  • より憐憫を誘った方が多くお金が集まるということで、赤子をレンタルしたり、手足を切断されたり、そんな物乞いの実態があるという。衝撃的な内容ですが、それで自分に何が出来るかと考えて、より一層虚しい思いが押し寄せてきます。それでも何とかしたいと思ったから著者も目を背けずに取材をしたのでしょう。今、この時に少しでもそんな実態がなくなるように願わずにはいられません。

  • 2000年ころ、2週間のバックパック旅行でインドに行ったとき、あまりの物乞いの多さにショックをうけた。行く前は「たくましく生きる人を見たい」なんて思っていたが、帰国後読んだ本に、貧困は美しいものではない、人類が憎むべきものだという言葉に激しく同感した。その後、インドに行ってないが、差別も貧困も少なくなったのだろうと勝手に思っていた。何も変わっていない?!しかも当時やけに障害者が多いなと感じたがこんな理由なのか?!
    マイナス1点は通訳が片言の割りには物乞いが饒舌で、フィクション入ってそうだから。最後まで読んだら、雑誌編集部に読者がドキッとするような話をたくさん書いてほしいというようなこと言われたようで、そのせいなのかなーと思ってしまった。

  • 2012(底本2010)年刊行。インドの商都ムンバイに生きる貧困層の実像を自ら(時には単身で)調査・取材し、まとめたもの。売春・強盗・強姦・物乞い・薬物等は序の口である。死体を利用した物乞い、人身売買、あえて不倶にした子どもを利用した物乞い、臓器売買、少年への男色から、果ては性欲を満たすための獣姦まで。凄みのある壮絶な状況に絶句するしかない。これを現地に飛び込み、危険をかいくぐりながら調査した著者には言葉もない。ところどころの激越な書きぶりも、感情の捌け口として得心できるところ。

  • 病院の待合室で意外にエグい本が読めるあるある…レンタルチャイルド、万をじして読んでるが、かなりエグいんだけど、非人情的な現実の中に人間の生の情が垣間見える。物乞いする為に目を潰された子供たちがその張本人である大人たちを親の様に慕い、他の街の人間は自分たちを蔑む事しかしない、それに比べれば住食を与えてくれる彼らを「悪く言わないで」と言う様が什造に重なって…の本を読みたいと思ったのは不謹慎な意味ではなく、関心があったからだが、読んでいて、人間に迫害され親を失い食料を調達できない喰種が生きる様に似ているなぁ、と思った。
    描かれている孤児たちは文字通り泥水すすりながらも「生きる為に」が前提なんだよね。自分たちの悲惨さを嘆いて文字通り立ち止まって考える余裕もないほど飢えている…生きるってどう言う事を差すんだろうなぁ。

  • 2012年に突然首肩痛に悩まされて以来、ベッドで横になって本を読む時間が急激に増えた。当時はなるべく日常からかけ離れた本を意識的に選んで読んだ。そんな中で、最大の読書体験となったのが『レンタル・チャイルド』だった。
    これをきっかけに、その著者である石井光太氏が講師を務める『ノンフィクションの作りかた』講座を受けた。余りの衝撃にこの人の話を聞かねばならないと思ったのだ。
    インドムンバイを舞台にした壮烈なノンフィクション。

  • 小難しい話ではなくて、物語のように進んでいくので、読みやすかった。
    時代の流れとともに変わっていく物乞いたちの姿。現在の彼らの姿が気になった。
    この歳だから読めたけど、もう少し若い時に手に取っていたら読めなかったかもしれない。それだけ辛い内容だった。本当にこんなことがあったのだろうか。読んでよかった。

  • 読みながらふと、エッセイ・ノンフィクションと、小説を読む違いについて思った。エッセイ・ノンフィクションは、問題があらかじめ提示されているけれど、小説は何を問題にするのか自分で考えなくてはいけない。それが、小説を読むしんどさなんだろうなあと。

  • この貧困を救うのに優しさはいらない。邪魔になる。

  • インドで乞食をするために哀れみを得ようと、手を切断されたり目をつぶされたりする者がいる。そうした現状に入り込みねなぜそのようなことが行われているのかを探っている。レンタルチャイルドとは女が物乞いをするときに子供を連れていた方が喜捨がもらえる可能性が高いためマフィアがさらってきた子供を借りている、その子供である。

  • 15.oct.25

    一気に読んだ。一つ一つゆっくり噛みしめるのが怖かった。「事実は小説より奇なり」と言うが小説よりも残酷で救いがない。

    2002年、2004年、2008年の3回に渡って著者がインド・ムンバイの路上生活者を追った記録。
    登場人物一人一人の髪や服装の汚れ、臭い、退廃的な街の雰囲気が目の前に迫ってくるようで苦しかった。

    レンタルチャイルドという言葉は正直この本を読むまで知らなかった。売春や奴隷かと想像したが、物乞いのために他人の子供を使うとは…物乞いの数が尋常でなく、その中で日銭を稼ぎ、ギリギリのラインで生き残るには、いかに他の物乞いより悲惨に見せるかが重要で、その為にマフィアが子供を傷つけて手足を切断したり目を潰したり、仲間の死体を市中に

  • ぐったり。
    おもしろかった。

  • 本当なのだろうか?
    きっと、本当なのだろうな・・

    望まれずに生まれてきて
    利用されるだけ利用され
    稼ぎのよい乞食になるために目をつぶし
    手や足を折り

    生きることの壮絶さと厳しさ
    悲しいなんて言葉では軽すぎて、言葉がみつからない

    こういう子どもたち、いるんだろうな

  • 気をつけていないと、ちょっと西側の同じ地球上で起きていることだということを忘れてしまうほど、ショッキングな内容なのは、事実。予想がつかないかと言われると嘘になるが想像を絶する。本当に起こってしまうのだなという世界。インドのもとからのカースト制度×資本主義の生み出す格差、貧困の底辺の物語ってところなんだろうか。これ以上の底辺もあるのだろうか。
    ラジャは最後でもまだ20代である。でも、日本のおじさんたちにさえ絶対に選択できないであろう究極の2択をちいさい時から常に選んで生きてきている。
    環境によって状況によって人は変わる。考え方も行動も変わる。しかし、搾取されてる側もする側も、それを取材する部外者も、その取材結果を読む部外者も1人の弱い人間だという、紛れもない事実。
    物乞いにお金をあげることがいいことなのかわるいことなのか答えを更に出せなくなる。一概には言えない。が究極の答えか。どちらでもないが1番まともな答えかもしれない。
    正解のない世の中で生きているということを思い出させてくれる。
    自分はなにも言う資格がないくらいにはなにもできない。
    著者の抱いた感情も行動も、外から見れば不思議なところ疑問なところあるが、その場に著者が居合わせた結果として、必然的に起こったことなのだろうと思った。
    ちっぽけなことは気にしていられない世界であり、よく知っている悩みはみんなちっぽけなことであるという、そういう世界で彼らは生きている。

  • 発展途上国〜新興国の頃合いにかけてのインドにおける、路上生活をする者、利用される子供、それからそれを利用する大人たちの構図と、利用されてきた子供たちの行く末を追ったルポ。
    元々ノンフィクションものは敬遠しがちだったけど、ノンフィクションでこんなに読みやすいのがあるんだなってことにまず驚いた。なんていうか小説みたいにスラスラ読める。ただ中身は悲惨。何も救われやしない。けど読後感はどうだって聞かれたら、そう悪くはなかった。人によると思うけど。ルポの人の態度というか、ルポの書き方に強い感情的表現がないからかも。あったら多分読むの息苦しいわ、これ。
    作者のガイドのマノージに「てめえは、どうあがいたってあの頃の乞食だ」と言い放ってた路上生活者のラジャが、最後の最後にマノージに吐き捨てた言葉は、胸にくるものがあった。

  • 思わず小説かと思ってしまうほど壮絶なインドの現実。
    久しぶりに強烈な海外の本を読んだ気がした。
    貧困ということへの日本人の理解は低いと思う。
    なぜなら飢餓など自分たちが絶対に経験したことのないことへの想像しかできないからだ。だからこういった話をフィクションのように考えてしまう。

  • 何にもできないな。。

  • 会社の同僚に借りた本。読むと鬱になりそう…と言われたものの、借りてみたが…やっぱりどよ~んとなりました(^o^;)
    インドってあまり詳しくないし、行った事もない国だけど、はっきり言って全く行きたくなくなった。貧しい国で物ごいをする子供がいることは、TVや新聞、過去に見た映像、それまでの知識で知ってはいたものの、本当の貧困がどんなものなのか、自分が全く知らなかったのを突きつけられる感じ。
    レンタル・チャイルドってその名の通り、子供を貸し借りして物ごいをする。同情を買ってお金を得る為に、自分の身体をも傷つける。そこには人権なんてあるわけもなく…。
    知らない世界を知るのは大事。でも、吐き気をおさえながも読む本なのか。何の知識もなく何となく読むのはおすすめしません。

  •  ちょうど 今 塩見鮮一郎さんの「貧民の帝都」を同時進行して読んでいる。
    塩見さんが その当時(明治維新直後)の帝都(東京)の混乱期の様子を資料をもとに書き起こしておられるものであるる。
     この「レンタルチャイルド」のようなスタイルではないものの当時の「貧困に投げ込まれた人たち」が描かれている。
     今、この時代に、その貧困の様子を目の前につきつけられると 「うーーん」とならざるを得ない。
     でも 人の世の中がある限り、きっといつの時代でも、どこかの国では この「貧困」の現状があるのだろう。それは、決して私たちと無縁なモノではないだろうし、いつかどこかで私たちも関係せざるをえないものだろう。
     他人事としてとらえてはいけないもののひとつとしてこの「貧困」の問題をつきつけられた気がする。

     
     

  • フィクションだったら読むのやめてたはず。

  • 闇の子供たち、の方がより衝撃的だったがよく考えたら本作は実話ルポって辺りが恐ろしい。インド友人がムンバイ遊びにおいでよー、って言っていたから第3部にあるように今はもう大都市にこういう風景は無いのだろう。けれども、数年前までは物乞い行為のためだけに手足目を・・・などという行為がムンバイですら平然と行われていたのだから地方都市ではまだまだ、というのもまた事実だろうし、インドに限らず貧困は世界中で人を苦しめているのだと改めて思い知らされる。少なくともインドは経済が相当な勢いで発展しているのだから、国内の貧困が劇的に解消されていると信じたい。

  • ルポルタージュは作者の立ち位置がくっきりはっきりわかるジャンルの本だと思う。そんななかでぶれずに先進国から来た物見遊山の物好きという立場を崩さない作者の姿勢に感銘を受けた。もう少し現地の人に擦りよればもう少し歯触りのいい作品になっていたと思う。それをわかっていながら徹底して傍観者として表現を続けているこの作品が私は好きです。好きという表現をしていいのかわからないけれど。

  • 苦い読後。人とは何か。生きて行くとは何か。

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レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち (新潮文庫)の作品紹介

二〇〇二年、冬。インドの巨大都市ムンバイ。路上にたむろする女乞食は一様に乳飲み子を抱えていた。だが、赤ん坊はマフィアからの「レンタルチャイルド」であり、一層の憐憫を誘うため手足を切断されていたのだ。時を経て成長した幼子らは"路上の悪魔"へと変貌を遂げる-。三度の渡印で見えた貧困の真実と、運命に翻弄されながらも必死に生きる人間の姿を描く衝撃作。

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