- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101325330
感想・レビュー・書評
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ちょうど 今 塩見鮮一郎さんの「貧民の帝都」を同時進行して読んでいる。
塩見さんが その当時(明治維新直後)の帝都(東京)の混乱期の様子を資料をもとに書き起こしておられるものであるる。
この「レンタルチャイルド」のようなスタイルではないものの当時の「貧困に投げ込まれた人たち」が描かれている。
今、この時代に、その貧困の様子を目の前につきつけられると 「うーーん」とならざるを得ない。
でも 人の世の中がある限り、きっといつの時代でも、どこかの国では この「貧困」の現状があるのだろう。それは、決して私たちと無縁なモノではないだろうし、いつかどこかで私たちも関係せざるをえないものだろう。
他人事としてとらえてはいけないもののひとつとしてこの「貧困」の問題をつきつけられた気がする。
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闇の子供たち、の方がより衝撃的だったがよく考えたら本作は実話ルポって辺りが恐ろしい。インド友人がムンバイ遊びにおいでよー、って言っていたから第3部にあるように今はもう大都市にこういう風景は無いのだろう。けれども、数年前までは物乞い行為のためだけに手足目を・・・などという行為がムンバイですら平然と行われていたのだから地方都市ではまだまだ、というのもまた事実だろうし、インドに限らず貧困は世界中で人を苦しめているのだと改めて思い知らされる。少なくともインドは経済が相当な勢いで発展しているのだから、国内の貧困が劇的に解消されていると信じたい。
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ルポルタージュは作者の立ち位置がくっきりはっきりわかるジャンルの本だと思う。そんななかでぶれずに先進国から来た物見遊山の物好きという立場を崩さない作者の姿勢に感銘を受けた。もう少し現地の人に擦りよればもう少し歯触りのいい作品になっていたと思う。それをわかっていながら徹底して傍観者として表現を続けているこの作品が私は好きです。好きという表現をしていいのかわからないけれど。
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苦い読後。人とは何か。生きて行くとは何か。
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2014年5月4日了
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あまりに衝撃的すぎるノンフィクション。平和で豊かな日本では、毎年自殺者があとを絶たないけれど、この苛酷な環境下で、決して生きることをあきらめない彼らから、何を学び何を思えば良いのか。正しいことさえわからなくなる現実のストーリー。
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こんな生き方…
信じたくない。 -
衝撃!!の一言につきる。もしこの話がフィクションだったら間違いなく途中で読むのをやめてたと思うくらい、目を背けたくなるような内容。
人としてありえないと私たちは思うけど、彼らとしては生きるために必死。単純に善悪では片付かない、うーん、考えさせられます。。。 -
azuki七さんの紹介した一冊。
舞台はインド。目覚しい経済発展などから脚光を浴びているが、そこではたくさんの命が生まれては消え、その価値を紙切れやコイン一枚で駆け引きして暮らしている。力あるものが生き残り、ひとたび力をなくせばあっという間に食い尽くされる。頼れるのは己の血肉ただひとつ。
物語の形式をとっているが、そこに描き出されているのは紛れもない現実であって、読んでいて逃げ場がなく、思わず本を置きたくなった。
今の自らの暮らしが幻のような気がして、とてつもない無力感に襲われたが、それでも、本の中で生きるひとびとは、明日を夢みて生きる強さ、大切なものを守ろうとするやさしさ、最後まで決して失わない誇りを抱いて路上を彷徨う。生きて死ぬことには変わらない同じ命だというのに、その命の放つ輝きはとてもまぶしい。