蛍の森 (新潮文庫)

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著者 : 石井光太
  • 新潮社 (2016年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325361

蛍の森 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  ハンセン病差別の闇について書かれた小説である。石井光太は迫害されるマイノリティーのノンフィクション作家という認識から、さほどの期待をせずに読みすすめる。文末には「すべてはフィクションである」という但し書きが添えられていた。

     そうは言っても、あの石井光太が元ネタの取材なしにこれだけリアリティのある小説を書いたとは到底思えない、それほど弱者(ハンセン病患者)への迫害の描写が真実を語らせる。住職の言葉が印象的だ「感情をもって生きていけることがどれだけ幸せで尊いことか・・・それはお前の宝なのだ・・・」(P297)

  • フィクションではあるが内容は数多の取材による真実の結晶である。昨今、日本人は素晴らしいというTV番組が多い。誇らしい気持ちもある(過熱気味で気味悪さも感じているが・・・)。そんな日本人も鬼になるし、鬼畜の所業の過去がある。現代を生きる僕らに出来ることは、過去を知り、絶対に鬼にならないという固い決意。ぜひ本書を手に取ってほしいと思う。
    あらすじ(背表紙より)
    ある者は朝食を用意している最中に、或いは風呂を沸かしたまま、忽然と姿を消した。四国山間部の集落で発生した老人の連続失踪事件。重要参考人となった父に真相を質すべく現地に赴いた医師は、村人が隠蔽する陰惨な事件に辿り着く。奇妙な風習に囚われた村で起る凶事。理不尽な差別が横行した60年前の狂気が、恨みを増幅して暴れ出す―。ハンセン病差別の闇を抉る慟哭の長編小説。

  • 解説にもある通り、やるせなさを感じた。ハンセン病は教科書で表面上だけ習ったのみで詳しいことはあまり知らなかった。だが本書を通じて、未だに苦しみが続いていることを知った。ネットで気になり検索してみたが本書ほど詳しい情報は載っていなかった。今自分にできることは何かあるのかということを考えるきっかけになった。著者のノンフィクションの作品を数々読んできて、初めてフィクションを読んだ。帯にはノンフィクションを超えたフィクションと書かれていたが、ノンフィクションを超えたという表現が少し引っかかる。ノンフィクションもフィクションと同じ、ノンフィクションというジャンルの物語だという風な感じがあり、ノンフィクションとフィクションを天秤にかけ、それよりも内容が優っているため、超えたという表現を使っているように思えてならない。ノンフィクションよりも便宜的に伝わりやすくしたフィクションだと思うので、ノンフィクションを超えたというより、歴史を元にしたフィクション、などと言った謳い文句にして頂きたいと感じた。著者が今まで体を張って体験したノンフィクションの出来事にノンフィクション、フィクションで優劣をつけて欲しくないと言った気持ちになった。今後も深い視点の著者の作品を読み続けたい。

  • 著者は生粋のノンフィクションライターである。だが本書はフィクションである。
    どこかで著者のノンフィクション作品はフィクション化されている用な書評を読んだことがある。
    だからかも知れないが著者の作品を触れたことのある人にはノンフィクションに感じらるかも知れない。ただそこに著者の主観がなく、時間軸が違うだけなのだから。

    これは語られることの無い日本の闇、人間の闇なのだろう。
    個人的には巻末の「解説」から読むのをオススメする。なぜかというと、その方が内容を深く読めるからだ。もちろん最後に解説をもう一度読むことになる。いや、読みたくなる。
    さすがに本書はフィクションらしく、最後は「ホッ」っとするのだが多分現実はもっと過酷なのだろうと想像する。
    登場人物は加害者も被害者もその回りも人間らしく弱くも強くもある。著者の作品らしく生々しく描かれている。
    人は忘却する生き物である。あの震災ですら忘れてかけてる。多分、日本人の大半がハンセン病やこのような差別をしらずしらず生きている。
    だからと言うわけではないが、読んでみるのは良いと思う。
    知らない方が幸せな時もあるが、知ってる方が人生に深見が現れ、人に優しくなれることもある。
    そんな出逢いをしたい人は読んで見てください。

  • 単なる老人の失踪事件かと思いきや、ハンセン病の悲しい歴史が絡み読後は泣けた。ハンセン病は過去の病気でなくまだ苦しんでいる人がいる。是非読んで欲しい。文書も上手く小説としても面白い。

  • 161003図 カッタイ寺 ヘンド道 犬娘 黒婆 乞食遍路

  • せつなくつらいはなし
    このひとのフィクションよりももっと強いものを感じる

  • 偏見と差別をここまで生々しく…
    面白かった、という言葉は相応しくないと思うが、ハンセン病のことをもう一度振り返るきっかけになった

  • きっと綿密な取材をしたのだろう。読むのが辛い叙述もたくさんあったが、読んでよかった。少しはハンセン病と差別について知ることが、感じることができたと思う。

    今度は本当の声を聞きたい。

  • 2016/05/04
    何度も読むのをやめようと思った。
    でも、ハンセン病の人たちの苦しみから目をそらしてはいけない。
    無知や、それに伴う恐れがおこす悲劇。
    人間の弱さ。

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蛍の森 (新潮文庫)の作品紹介

ある者は朝食を用意している最中に或いは風呂を沸かしたまま、忽然と姿を消した。四国山間部の集落で発生した老人の連続失踪事件。重要参考人となった父に真相を質すべく現地に赴いた医師は、村人が隠蔽する陰惨な事件に辿り着く。理不尽な差別が横行した60年前の狂気が、恨みを増幅して暴れ出す――。ハンセン病差別の闇をえぐる慟哭の長編小説。

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