身体から革命を起こす (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2007年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101326511

身体から革命を起こす (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 捻らない、タメない、うねらない、という甲野さんの身体技法。反動をつけないで動作をするということなのだろうけど、そういう動きをしたことがないので、できるだろうかと思ってしまう。
    裏千家の作法では正座から立ち上がるときに、片膝を立てないでそのまますっと直立するので、実際に江戸時代までの日本人はそうやっていたのでしょう。そのほうが上等な身体の動かし方の気がするな。
    ウチで飼っている猫をみると、助走もなにもしなくてその場で垂直跳びをしてタンスに登ったりするから、あんな感じなのかも。

  • 広島大学の柳瀬陽介教授のサイトに紹介されいるのを見つけ、読むことにした。
    甲野氏のことは知っていはいたが、詳しくはわからなかった。
    明治以前の日本人は、仕事の中で身体を使っていた。しかし、情報化社会=脳化社会の現代では、脳が肥大し、身体は置き去りにされている。その流れに棹を挿しているのが甲野氏である。
    相手と自分、環境と身体という関係性の中にとらえる身体観は、骨と関節と筋肉と捉える分析的身体観とは必然的に異なる。変化する相手と自分、変化し続ける環境と身体という関係性で捉える身体観は、異なる思考を生み、飛躍を促す。
    さまざまな分野の人が、甲野氏に触れることで、ある種の飛躍を促される。
    甲野氏が注目される理由がここにある。

  • 著者の甲野善紀氏は、武術家、武術を基にした身体技法の実践研究家である。本書は2005年に発刊、2007年に文庫化された。
    甲野氏は、「ナンバ」(右手と右脚、左手と左脚を同時に出す、江戸時代の飛脚の走り方)など、日本人古来の身体の使い方に注目し、独自の身体操法を研究してきたが、そこから導き出されたのは、「体幹部をねじらず、足で床を蹴らない、つまり反動を利用することがない」動きであり、本書においても様々な実例が紹介されている。
    そして、甲野氏は、「私が研究してきたのは、剣術にも体術にも共通するような動きの原理、身体の使い方の原理ですから、スポーツにも応用できます。ただ、それは今日のスポーツの常識とはまったくちがった動きです。だからこそ現代のスポーツの常識では無理だと思い込まれてきたようなことを可能にするのです」といい、甲野氏から直接教えを受けた桑田真澄や、直接の接触はないというものの、「ナンバ」が一般に注目されるきっかけを作った末續慎吾ほか、多数のアスリートへ影響を与えたことが語られている。
    また、甲野氏の理論は今や、武術やスポーツのみならず、楽器の演奏、舞踊、介護医療に応用されており、フルート奏者の白川真理の例も記されている。
    様々な分野を支配する西洋的観念・発想を見直す一つのアプローチとして注目に値するものと思う。
    (2007年9月了)

  • 以前から、武士はどのようにして、真剣で立ち会っていたのだろうということが、たいへん気になってしかたがありませんでした。時代劇のチャンバラのような動きはあり得ないし、剣道のように真剣を扱えば、互いに深手を負うどころか、たちまちどちらも命を落としてしまうでしょう。で、あるときテレビで甲野先生をお見かけしました。そのときの先生の動きは、常識を覆すものでした。打ち込まれてきた剣をすりとかわし、同時に小刀を相手の手首、喉元につきつけていました。
    先生は古文書や秘伝書の類を研究し、自らも古武術の動作、技を修得されている方です。本書を読むと、かつて日本人は西洋人とは異なる身体の使い方をしていたことがよくわかりました。例えば、重いものを持ち上げるとき、先生の腕や足、腰などに負荷はかかりません。それどころか、足の裏でさえ負荷が計測されないのです。特定の筋力を用いず、どうやら身体の各部分がそれぞれ違った動きをし、全体で大きな力を生み出しているようです。身体をひねったり、うねらせたり、膝に力をためたりして、その反動で勢いをつけるという、我々が常識としてとらえている筋力的な動作とは相反するこのような動きは、現代の科学では説明のできないことのようです。
    先生の研究や動作は、いまでは野球や陸上競技をはじめとするスポーツ界のみならず、介護やロボット工学、舞踊や楽器の演奏、宇宙開発やカウンセリングやビジネスなど、いろんな分野で応用されているようです。にもかかわらず、先生は常に自らの考えや成果を否定し、さらに上の段階を目指しておられます。
    自分も学生時代はずっと運動部に所属していましたが、そのころ先生の存在を知っていればと悔やまれてなりません。

  • 読んでるだけでは、なに言ってるんだかわかんない。

  • 文庫本になったので、読み直している。武術の型稽古は実戦の模擬ではない。

  • 期待していたのとは違った本。実際の身体の動かし方を学ぶには別の媒体に当たった方が良いかと思います。

  • 甲野善紀という武人の生き方、哲学がとても興味深い.
    既成概念、固定観念にとらわれず、いつも進化を考えていく.
    実践面でも多くの人に影響を与えているが、「自分の頭で考える」という生き方の部分も多くの人間に影響を与えていくのだろう.

  • 体で「わかる」ということはどんな「わかる」よりわかりやすい。ということは、私が体で感じて思っていることです。ドライバーでボールを遠くに飛ばせるようになるかなという下心もあって、この本を手にとってみました。甲野さんの本は『1冊』だけ読んだことがありますが、彼のやっていること、それに感化されて集まるプロフェッショナルが紹介されている本だと思います。私は運動に関して素人なので生かせるかどうか…

    本に書いてある体の使い方が応用されればといいなあと特に思ったのは、介護への分野。介護は体を使う仕事で、足腰に非常に負担がかかるという、高齢化社会でますます介護者の人手が必要になるはずです。よく言われる介護者の低賃金問題をすぐに解決するのは難しいと思うので、せめて体を傷めない方法が広まって欲しいと思います。「介護スクールの先生が今まで教えていた体の使い方とは違う新しい使い方を否定し、阻害する。今までの体の使い方では、現場では大して役にたたない」というどこにもある既得権益を守るだけの図式がここにもありましたね。当然ながら甲野式介護法(?)は細かくは載っていないので、問題として考えている団体があるんだ、ということを知るだけでもいいと思いますね。

  • タイトルからは、書かれている内容を実践すれば、何かが変わるようなイメージも取れるかもしれません。しかし、実践的な内容はほとんどかかれておりません。したがって、実践したい人はDVD付きの冊子などを購入したほうが良いと思います。
    実践編というよりは、思考の過程や歴史などについて考察されております。
    動くよりも、まずは知識から。または逆に、十分動き方は身につけた。さらに知識で補強を。という人には向いてると思います。

  • ノウハウ本ではなく、ノンフィクションという区分けになるのだと思います。
    「身体の動かし方」を見直すきっかけとしては、おもしろい内容です。

    実質的な著者は田中聡ですが、セクションごとの結論がどうしても現代社会批判に向かうのは、好き嫌いがあるかもしれません。

    さすがに文章と簡単な写真だけでは、実際に「古武術的な動き」をイメージするのは難しいです。YOU ●UBEがある時代に生まれたことを、感謝します…

  • 「もう一つの歩き方は、たんなる発想のヒントなのではない。別の歩行をする身体が、別の思考をするのである。」

    ・・・ズシリときました。

    甲野さんの現在の肩書きは“武術を基盤とした身体技法の実践研究家”という長ったらしいもの。

    現在、甲野さんは武術の枠をはみ出して、様々なジャンルの人達と交流されています。

    プロ野球選手。
    女子バスケ日本代表。
    ダンサー。
    フルート奏者。
    ロボット開発者。
    介護福祉士
    etc.

    彼らに共通しているキーワードは“身体”。

    “甲野善紀”という未体験ゾーンに触れた彼らのリアクションがいろいろあって面白いです。

  • 古武術といえばこの人。どうやって体を使うのか興味があった時期に読んだが、よかったと思います。普段にも活かすことができるので、常に考えながらやってみると面白いです。

  • 武道で有名な甲野さんと、彼に興味を持ち、交流することで変化したいろいろな人の物語。最初のほうでは少しもどかしく感じた語り口も、最後の名越康文さんのくだりで頂点に達する。

    「人間の運命は決まっているのか、いないのか」

    この問題を突き詰めるために武道の修行。しびれますわね。畑村先生もちょっぴり登場してたりする。

  • トップアスリートたちの競い合いは、それぞれの限界を突き破りながら能力を高めてゆくプロセスであり、その限界を設定しているものが、なんらかの思い込みや習慣であれば、協議は自らの意識の枠をいかに破るかという戦いでもある。
    意識の枠を破るのは、現実に生きて、働いている身体である。
    義務化して繰り返しやるというのは、絶対に効率的な学習でない。
    人生は常に今までにないことに直面していくことで、答えのないものを選んで進んでいかないといけないわけじゃないですか。なのに、いつも応えのわかっている問題を与えられてきた。
    思いがけない存在に出会って、驚き、自らのうちに響きあうものを見出してゆくことが現状を変えてゆく力となる。
    意識が身体の多様性に向けられていない限り、意識は意識の思い込みの中で観念を増殖させる自己運動を続け、圧政の果てに自滅するしかない。意識は進退から独立しているわけではないからだ。
    かつては、文化が意識と身体を結んでた。人の営みが文化であり、文化の中を人は生きていた。
    呼吸というのは、おのずと動きについてくるものであるはずです。意識すると呼吸は必ず乱れますから、意識的はできないはずなんです。

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  • 身体を細かく分節し、それぞれの部分を分離しつつ、
    かつ連動させる。その前提となる感覚を見いだせるか
    どうかが分かれ道。

  • 「なんば走り」 オリンピック100mで末續選手が取り入れたという日本の古武道からの動き、「ねらない、タメない、うねらない」という日本人古来の身体の使い方。見た目には右手、右足と左手、左足が同時に出る変な動きだが、確かに身体をねっていない動きだ。そのことを知りたくて読み始めたが、なんとなく分かるが本では体験がないのでイマイチ、、、、「なんば」がどうしてよいかもわかったような分からないような、、、

  • 甲野善紀氏と田中聡氏の共著。といっても、ほぼ書き手はライターの田中聡氏。身体論について。産業革命以来の近代科学主義による機械論的な身体観から古武術にみる昔の日本人の身体観、生命論的な身体観への回帰を説く。ただ、生命論的な身体観というのは、複雑なもの、感覚的なものであるため、なかなか言葉にするのが難しいが、かつての日本人がもっていた身体観の素晴らしさやそれを探究している甲野さんの存在を多くの言葉を尽くして説明しようとしている。身体の使い方のうまい人(達人)は身体のパーツを細かく分節化しているとのこと。サッカーで言うと、足の甲や踵や指、太もも、ふくらはぎなどの単位よりも細かい単位のパーツも眠らせずに使える人ほど足使いの巧い人ということ。そういう意味で、身体を割ること、身体全体のパーツを使うことを意識して、スポーツに取り組んでいこうと思う。養老孟司と甲野善紀との対談もあり。

  • 野球の牽制を一、二、三のリズムではなく、一気にしなやかに可能にする。支点を作らない。蹴らないで走る。身体各部の総意でうごく。相手に動きをさとられない。

  • 【目的】:身体の使い方についてヒントがほしい<BR>
    ・運動生理学では、運動は関節を支点として筋肉で動かす、バネ・テコ的身体観で理解されるが、ねじらない身体の使い方がある。<BR>
    ・コロ、車輪、キャスター。コロの理論を追求すればするほど、革新的な術理を批判、否定してしまうことになる。<BR>
    ・科学が説明できないことを否定すべきでない。科学では、プロ野球の打者がピッチャーの投げた球にバットを当てることすら、反応時間から説明ができない。<BR>
    ・理論(思い込み)の身体観に根ざした実感もあてにならない。<BR>
    ・軸、支点を置くうねり系の運動では、居つく。<BR>
    ・バネ・テコ的身体観、力で動かすのではなく、自分と運動の対象の関係の流れの中で動く。<BR>
    ・身体の装置化。身体を操縦するように、仕事感覚(かわさねば斬られる)で動く。<BR>
    ・井桁術理。局所、支点でなく、別方向の動きが複合された結果としての動き。<BR>
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    #科学・理論の限界を知ることの大切さを思った。<BR>
    #考えて動く状態から、意識しなくても状況に対応して動く状態になるため、やはり日頃の自分の運動感覚に意識的になりたいと思う。<BR>
    #写真つきで紹介されているが、本書だけでは持ち上げる際に足を「垂直離陸」させるなど、実際に見たり、技を体験しないと理解、実践が及ばない部分は感じられる。<BR>
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身体から革命を起こす (新潮文庫)の作品紹介

「捻らない、タメない、うねらない」これまでの常識を覆すその身体技法は、まさに革命である。武術家・甲野善紀が、武術、スポーツのみならず、音楽演奏や介護にまで変革をもたらしたのは何故か?古武術の探求をはじめとする甲野の現在とは?「ナンバ」に代表される日本人古来の身体の使い方など、西洋的身体観では説明できないその術理は、もはや我々の思考方法にまで転換を迫る。

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