身体から革命を起こす (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101326511

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからは、書かれている内容を実践すれば、何かが変わるようなイメージも取れるかもしれません。しかし、実践的な内容はほとんどかかれておりません。したがって、実践したい人はDVD付きの冊子などを購入したほうが良いと思います。
    実践編というよりは、思考の過程や歴史などについて考察されております。
    動くよりも、まずは知識から。または逆に、十分動き方は身につけた。さらに知識で補強を。という人には向いてると思います。

  • ノウハウ本ではなく、ノンフィクションという区分けになるのだと思います。
    「身体の動かし方」を見直すきっかけとしては、おもしろい内容です。

    実質的な著者は田中聡ですが、セクションごとの結論がどうしても現代社会批判に向かうのは、好き嫌いがあるかもしれません。

    さすがに文章と簡単な写真だけでは、実際に「古武術的な動き」をイメージするのは難しいです。YOU ●UBEがある時代に生まれたことを、感謝します…

  • 「もう一つの歩き方は、たんなる発想のヒントなのではない。別の歩行をする身体が、別の思考をするのである。」

    ・・・ズシリときました。

    甲野さんの現在の肩書きは“武術を基盤とした身体技法の実践研究家”という長ったらしいもの。

    現在、甲野さんは武術の枠をはみ出して、様々なジャンルの人達と交流されています。

    プロ野球選手。
    女子バスケ日本代表。
    ダンサー。
    フルート奏者。
    ロボット開発者。
    介護福祉士
    etc.

    彼らに共通しているキーワードは“身体”。

    “甲野善紀”という未体験ゾーンに触れた彼らのリアクションがいろいろあって面白いです。

  • 古武術といえばこの人。どうやって体を使うのか興味があった時期に読んだが、よかったと思います。普段にも活かすことができるので、常に考えながらやってみると面白いです。

  • 武道で有名な甲野さんと、彼に興味を持ち、交流することで変化したいろいろな人の物語。最初のほうでは少しもどかしく感じた語り口も、最後の名越康文さんのくだりで頂点に達する。

    「人間の運命は決まっているのか、いないのか」

    この問題を突き詰めるために武道の修行。しびれますわね。畑村先生もちょっぴり登場してたりする。

  • トップアスリートたちの競い合いは、それぞれの限界を突き破りながら能力を高めてゆくプロセスであり、その限界を設定しているものが、なんらかの思い込みや習慣であれば、協議は自らの意識の枠をいかに破るかという戦いでもある。
    意識の枠を破るのは、現実に生きて、働いている身体である。
    義務化して繰り返しやるというのは、絶対に効率的な学習でない。
    人生は常に今までにないことに直面していくことで、答えのないものを選んで進んでいかないといけないわけじゃないですか。なのに、いつも応えのわかっている問題を与えられてきた。
    思いがけない存在に出会って、驚き、自らのうちに響きあうものを見出してゆくことが現状を変えてゆく力となる。
    意識が身体の多様性に向けられていない限り、意識は意識の思い込みの中で観念を増殖させる自己運動を続け、圧政の果てに自滅するしかない。意識は進退から独立しているわけではないからだ。
    かつては、文化が意識と身体を結んでた。人の営みが文化であり、文化の中を人は生きていた。
    呼吸というのは、おのずと動きについてくるものであるはずです。意識すると呼吸は必ず乱れますから、意識的はできないはずなんです。

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  • 身体を細かく分節し、それぞれの部分を分離しつつ、
    かつ連動させる。その前提となる感覚を見いだせるか
    どうかが分かれ道。

  • 「なんば走り」 オリンピック100mで末續選手が取り入れたという日本の古武道からの動き、「ねらない、タメない、うねらない」という日本人古来の身体の使い方。見た目には右手、右足と左手、左足が同時に出る変な動きだが、確かに身体をねっていない動きだ。そのことを知りたくて読み始めたが、なんとなく分かるが本では体験がないのでイマイチ、、、、「なんば」がどうしてよいかもわかったような分からないような、、、

  • 甲野善紀氏と田中聡氏の共著。といっても、ほぼ書き手はライターの田中聡氏。身体論について。産業革命以来の近代科学主義による機械論的な身体観から古武術にみる昔の日本人の身体観、生命論的な身体観への回帰を説く。ただ、生命論的な身体観というのは、複雑なもの、感覚的なものであるため、なかなか言葉にするのが難しいが、かつての日本人がもっていた身体観の素晴らしさやそれを探究している甲野さんの存在を多くの言葉を尽くして説明しようとしている。身体の使い方のうまい人(達人)は身体のパーツを細かく分節化しているとのこと。サッカーで言うと、足の甲や踵や指、太もも、ふくらはぎなどの単位よりも細かい単位のパーツも眠らせずに使える人ほど足使いの巧い人ということ。そういう意味で、身体を割ること、身体全体のパーツを使うことを意識して、スポーツに取り組んでいこうと思う。養老孟司と甲野善紀との対談もあり。

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著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
20代はじめに「人間にとっての自然とは何か」を探究するために武の道へ。
1978年、松聲館道場を設立。
以来、日本古来の武術を伝書と技の両面から独自に研究し、2000年頃から、その成果がスポーツや音楽、介護、ロボット工学などの分野からも関心を持たれるようになり、海外からも指導を依頼されている。
2007年から3年間、神戸女学院大学で客員教授も務めた。
2009年、独立数学者の森田真生氏と「この日の学校」を開講。
現在、夜間飛行からメールマガジン『風の先・風の跡』を発行している。
おもな著書に、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫)、『できない理由は、その頑張りと努力にあった』(聞き手・平尾文氏/PHP研究所)、『ヒモトレ革命』(小関勲氏共著/日貿出版社)、『古の武術に学ぶ無意識のちから』(前野隆司氏共著/ワニブックス)などがある。

「2020年 『巧拙無二 近代職人の道徳と美意識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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