ふたり (新潮文庫)

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感想 : 300
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101327181

感想・レビュー・書評

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  • 波乱万丈の中で美しく成長していく実加……。
    ふたり
    2004.11㈱大活字発行。字の大きさは…大活字本。2022.04.20~26音読で読了。★★★★★
    姉の影に隠れていた実加が、亡き姉の励ましで難局を切り抜けながら美しい女性として成長していく物語です。

    愚図な中学2年生の北尾実加と、優秀で美しく実加の自慢の姉で高校2年生の千津子は、同じ学園の学校に一緒に通っています。その途中に姉が、忘れ物したと言って引っ返したら大型トレーラーが転倒して、美加の目の前で姉が下敷きになって亡くなります。
    そんなある日、実加が、ピアノの先生の所へ行く途中の雑木林の中で男に襲われます。その時に実加の中で死んだ姉が必死に実加の近くにある石を教えて、実加がその石で男を撃退します。それからは、実加の中には常に姉がいて生前と同じように良き相談相手として実加を支えていきます。
    北尾家では、姉がいなくなってからいろんなことが起こります。父が、会社の上司と喧嘩して東京から北海道札幌支社へ転勤を命じられます。父は、単身赴任します。母は、姉を亡くしていらふさぎこみです。その上に実加が学校のクラブ活動の演劇部で主役を射止めたら、心ないいたずらで母はとうとう入院してしまいました。
    そんな時に父が札幌から休日を利用して帰って来たら、赴任先から部下の女性・内田裕子が父を追っかけてきます。そして家族3人と裕子の4人で話し合いになり、母が裕子にお願いします……。

    【読後】
    読後感が良く、テンポが早く、いろんな問題が起こります。実加は、その問題を亡くなった姉の千津子と一緒に解決して行きます。そして姉を慕っていた大学3年生の神永智也と知り合い恋に落ちます。音読していくのに良い本です。今後もこういった明るくてテンポの良い本を読んで行きたいです。

    【ドラマ・映画他】
    大林宣彦監督により1990年にテレビドラマ化、1991年に「新・尾道三部作」第1作として映画化されたほか、映像・舞台化されている。11年後を描いた続編『いもうと』が2019年10月に新潮社より刊行された。

    【音読】
    2022年4月20日から26日まで、大活字本を音読で読みました。この大活字本の底本は、1991年11月に新潮文庫から発行された「ふたり」です。本の登録は、新潮文庫で行います。㈱大活字発行の大活字本は、第1巻~第3巻までの3冊からなっています。

  • 泣いてしまいました。
    このほろ苦い青春ファンタジーである『ふたり』は今まで読んだ赤川作品の中でも、とりわけ忘れられない物語となりました。

    • chikachanさん
      こんばんわ。いつもしょうもない感想にいいねしてくださってありがとうございます(..;)この本、私の1つ上のいとこが唯一薦めてくれた作品なんで...
      こんばんわ。いつもしょうもない感想にいいねしてくださってありがとうございます(..;)この本、私の1つ上のいとこが唯一薦めてくれた作品なんです。彼女とは相性が悪くて、(今でも音信不通ですが)何で進めてくれたのかわからないんですが、原作の方でなく映画版を観たあと読むと言いたいことがわかる気がしました。なんかずんと心におもりがかけられたような、そんな気がしました。赤川氏は小学生のころ角川映画の原作本だったこともあって(年がばれますな。。。)何冊も読んでました。また読み返したいな!でわでわ!
      2019/03/05
    • 地球っこさん
      chikako0420さん、コメントありがとうございます(*^^*)
      赤川さんの本は、私も小中学生の頃よく
      読んでました(お互い年がばれ...
      chikako0420さん、コメントありがとうございます(*^^*)
      赤川さんの本は、私も小中学生の頃よく
      読んでました(お互い年がばれますね……)今でも何故か無性に読みたくなる時があります。
      「ふたり」は確か奥菜恵主演のドラマ版を
      観ていた記憶があります。
      それはさておき、本って思い出や記憶、
      そし心の中の何かを呼び覚ますきっかけ
      にもなるんですね。
      chikako0420さんといとこさんのお話を
      拝見してしみじみ思いました。
      2019/03/05
  • だいぶ前に映画も見て本も読んだ記憶が‥

    続編が出たとのことで、もう一度読んでみました。

    テンポよく読めました。
    お姉ちゃんが強すぎる。
    お姉ちゃんに助けられ大人になっていく主人公。
    弱いお母さん‥
    裏切るお父さん‥

    友人に恵まれてよかった。

    続編、楽しみ。

    映画ももう一度見たいなぁ。

  • 小学生の時に読んで衝撃を受けた本。
    今でも時々無性に読みたくなります。

  • 続編「いもうと」が出版されることを知って、大林宣彦監督の映画は見ていたが原作を読んだかどうか不確かだったので読んでみた。小説の光景が映画の場面場面として浮き上がってきた、映画の出来がすこぶる良かったのだろう。先日横山秀夫の「影踏み」を読んだところで、兄弟姉妹の人格が宿るというテーマが同じで、テーマとしては赤川次郎の方が早そうであるが、こういうテーマは昔からあったのだろうか、現在でも同じような物語を散見する。近々続編「いもうと」を読む予定であり映画の方も再見したくなった。

  • 大学時代に読みました。
    私の中の赤川次郎作品ベスト1の気がします。
    (いまも赤川作品を読み続けているので、今後、変更があるかもしれませんが)

    ダメな妹と優等生のお姉ちゃんの二人姉妹。
    けれど、ある日、突然、お姉ちゃんは交通事故で亡くなってしまい、妹にだけみえる存在(幽霊)として、彼女を見守ってくれるようになり……。

    薄い本ですけど、いろいろ胸に迫るもののある作品ですので、あとは本を読んでいただけるとうれしいです。
    今作は、映画にもなり、そちらも各種の賞を受賞しました。
    主演の妹役は、当時、美少女タレントだった石田ひかりさんです。
    姉役をとても上手に演じたのは、女優の中嶋朋子さん。
    監督は、「時をかける少女」や「理由」の大林信彦監督です。
    この映画も私は好きでした。
    石田ひかりさんも、大林信彦監督もあまり好きな方ではないのですが、この作品に限っては、すごく、すごくよかったです。
    原作のイメージをまったく裏切らない青春映画ですので、オススメします。

    本のカバーイラストは「綿の国星」などの大島弓子先生で、こちらもいい感じです。

    誉めてばかりなのですけれども、この作品は、赤川次郎の良い面ばかりが揃った感じなので、幽霊とドジっ子の女の子でほんわかしたい人、一時代を作った赤川作品にまだふれたことのない人、最近、赤川作品を読んでいない人、ようするに読書するすべての人にオススメします!

  • 学生時代の親友からプレゼントされた本。姉妹のお互いを思いやる優しさを感じた。せつないけど、読み終わったあとの余韻が良いです。

  • 高校生の時に何度も呼んだ1冊。
    お姉ちゃんと別れる時は,涙なしには読めなかった。
    妹が姉より成長する,不思議な時間が,
    すごく自然に書かれてるなぁと思った。

  • 姉妹の絆とみるか、性格分裂と見るかで、話の妙味が違うかもしれない。
    どのようにも読み込めるところに赤川次郎らしさがあるのだろう。

    人として生きて行くことの大切さを間接的に伝えようとしているのかもしれない。
    諦めないで、がんばると、いつか何かがつたわるのではないだろうか。

    楽しい話ではないが、悲しさだけで終わらせない読み方をしたい。

    人が亡くなったとき,その人の気持ちを自分の中に住まわせることができたら,倍強くなる。
    逆に,亡くなった人に支えられていた分を失った喪失感だけだと,倍弱くなる。
    都合,4倍の差が開くのが,前向きか,後ろ向きかの違いだと分かる。

    赤川次郎は前向きの生き方を,本書で教えてくれている。

  • 発想も良いし、キャラ設定もなんだか好き。展開が読めないかんじでどんどんのめり込んでいける。

著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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