つげ義春とぼく 新版 (新潮文庫 つ 16-1)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 228
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101328119

作品紹介・あらすじ

多忙な現代人が忘れてしまった根源的故郷への思慕を胸に、鄙びた温泉宿を訪ね歩く場末感覚に満ちた「颯爽旅日記」。日常生活の狭間に突如現れる異世界=夢の領域をシュールなイメージとともに採取した「夢日記」。自らの貧困生活を滑稽かつ痛切に綴った「断片的回想記」など、生と死の間で揺らめく人々の物哀しさを描き続けてきた孤高の漫画家、つげ義春の世界を一望する新版エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 読書録「新版つげ義春とぼく」2

    著者 つげ義春
    出版 新潮社

    P156より引用
    “赤面癖がだんだんひどくなり、人に会うのが苦痛でならなかっ
    た。マンガ家になろうと思ったのはその頃だった。一人で部屋で
    空想したり、好きな絵を描いていられる商売は、他に思い当たら
    なかった。”

     マンガ家である著者による、旅行や夢に関する日記とイラスト
    集。
     カラーイラスト集から祖父の思い出まで、ワビサビを感じさせ
    る絵柄と文章で綴られています。

     上記の引用は、いくつかの仕事を経験した後の著者の考え。
    この著者のようにして生きられる人は、とても幸運だと思います。
    時代は戦後のようで、大変な貧乏もされたようですが、好きなこ
    とで生きられるのは幸せだろうと思います。しかしp169に、貧乏
    をすればノイローゼになるとも書いてあるので、結局トントンに
    落ち着くのかなと思いました。
     すごく上手な風景の中で、人物の独特さ加減がなんとも味わい
    深い絵が、数多く掲載されています。

    ーーーーー

  • f.2023/7/26
    p.1992/6/29

  • つげ義春という漫画家を知ったのはいつの頃だろう。小学生5,6年生の頃だったろうか。
    『ガロ』に掲載された『ピーコ』『李さん一家』が最初の出合いだと思う。
    作者の独特な癖がある暗い世界を幼い僕が到底理解していたとは思えないが、『ピーコ』では、同棲中の女性がかわいがっていた文鳥のピーコを、ピースの箱に入れて宙に投げて抜け出す遊びをしていたときに、うまく箱から抜け出せずに畳の上に落下し、そのまま死んでしまうというストーリーだった。極貧の中での恋人同士の唯一の心の支えである文鳥をなくしてしまったという、この悲しい物語が、後の『神田川』や『赤ちょうちん』の世界とダブってしまって妙に印象に残っている。
    最近、つげ義春の作品をいくつか読んだが、今更ながらに哀愁をおびた細いタッチに魅せられてしまっている。『新版・つげ義春とぼく』では、昭和40年代に描かれた場末の温泉街の風景が絶品である。水木しげるの作品の背景を描いてきた人だけあって、光と陰にこだわった精密な線はもの悲しくもあり懐かしくもある。

  • イラストもグッド。

  • おすすめされて読んだけど、つげ義春の魅力がまったくわからない。 先に漫画を読むべきだったかもしれない。

  • ひ弱かった四郎が、向き不向きを別に立ち位置を定めつつある。太郎が最も自分を見失っているのか。三郎はあまりもの実直さが危なげだ。そして次郎は新たな境地を開くことができるのだろうか。いよいよ日本が崩れゆく中で、果たして彼らは生き残れるや否や。

  • このレビューを書こうと思ってブクログを開き、この本を検索にかけた段階でようやく気が付きました…「僕、この本すでに読んでるじゃん…」

    ヽ(・ω・)/ズコー

    しかも内容さえろくに覚えていないという始末…前回読んだとき、あんまりこの本、面白いとは思わなかったんでしょうか…。

    まあ、そんなことはありましたけれども実際に読み返してみて…うーん、どうでしょうね。他人の夢の話とかにはあんまり興味がないのですけれども、つげ氏の夢はなんというか…まとまりがない感じでして、いや、夢というのはそもそもまとまりのないものなんでしょうけれども…つげ氏が夢のレビュー(!)をするとこうして読み物にまでなってしまうのですね…という感動はありました。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    旅日記は今回もまた楽しかったですね! しかし、この本も刊行されてから結構経ちますから、今現在は当時の場所もひょっとしたら無くなっている可能性ありです。てか、その可能性が激烈に高いでしょう…多分…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    つげ氏の過去というか、出自みたいなものも紹介されてて良かったですよ! 早くにお父さんを亡くしたりしていて、そういった家族関係がつげ氏の人格に少なからず影響しているのかも? とか詮索されるのをつげ氏ならきっと嫌うでしょう…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • つげ義春が鄙びた温泉街を巡る。相変わらずのショボくれ感と、イラストの場末感がたまらなく胸にグッと迫る。
    無性に流離いたくなる。。

  • なぜか夢の中でまで購入したつげ氏のエッセイ。回顧と夢日記が主であるが、影に特徴のある風景イラストも素敵。PC-98「ねじ式」中の札所の婆さんの原画や、後ほどマンガになったヨシボーの元ネタ、「するめ固め」の元元ネタなど掲載されていて興味深い。断片的な文も程よく読みやすく、つげファンなら必携の1冊。

  • 日記のようなものだったり,見た夢のメモだったり,とにかく不思議な文章。
    ところどころに絵がついていて,これがまた薄気味悪い。

    え?ええッ?というような訳わからなさがえんえん続く。
    もう面白いのかどうかもわからない。

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著者プロフィール

つげ 義春(つげ・よしはる):1937年生まれ。漫画家。

「2024年 『つげ義春が語る 旅と隠遁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

つげ義春の作品

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