銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

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著者 : 松井今朝子
  • 新潮社 (2007年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101328713

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銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • おもしろい!
    現れる人々が、それぞれ魅力ある個性があり、
    次々と物語にひきこんでくれ、
    気がつくとラストへ。
    明治維新の混沌とした景色も、生き生きと描かれていて
    興味深い。
    その中で、生きる覚悟をした主人公の言葉が光る

    「人間はいざというときに捨て身になれば、思わぬ力が
    出るのを知っている。また人はいざというとき捨て身になる
    覚悟がなければ、人としての誇りは持てぬと思うばかりだ」

    「人の勝ち負けは他人に拠らず畢竟わが胸中にあり。
    阿呆な一生も最期の刹那に悔いが残らなければ、
    それで俺の勝ちだと思う」

    ラストシーンは、「このシリーズ、好きになりました!」
    と、うなるような余韻あり。
    続きが楽しみに・・・。

  • 銀座開花おもかげ草紙#1

  • 【本の内容】
    三十歳。

    世を捨てるにはたしかに早い。

    しかしこの明治の世に、私の居るべき場所などあるだろうか。

    無為に過ごしていた士族・久保田宗八郎は、兄の求めにより、銀座煉瓦街で暮らすことに。

    大垣藩主の若様、薩摩っぽの巡査、耶蘇教書店を営む元与力。

    隣人たちはいずれ劣らぬ個性の持ち主であった。

    文明開化の発信地で、宗八郎の気骨がいぶし銀の輝きを放つ。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    明治維新から7年。

    新しい時代に自分の居場所を見つけられずにいる元旗本次男坊の久保田宗八郎は、兄の頼みで銀座の煉瓦街に住むことになった。

    あらゆるものが急激な変化を遂げ、旧いものと新しいものが入り混じっていたこの時代。

    すんなりと順応できる者もいれば、宗八郎のように前に進むことをためらう者もいる。

    1人の人間の心のなかでさえ、新旧両方が同居している。

    そんな混沌とした明治初期の様子が、セピア色でもなく、かといって現代のようなどぎついフルカラーでもない、粋な彩りで描かれている。

    齢三十にして世捨て人を自認していた宗八郎も、やがては一歩を踏み出すことを決める。

    そのときそばにいるのは、ひと昔前ならば近しくなる機会もなかったはずの顔ぶれ。

    新しい時代は、まだ始まったばかり。

    ぱぁっと光が差し込むような、すがすがしい終わりかたが気持ち良い。

    物語を動かすのは宗八郎とその隣人ら男性が中心だが、脇を固める女性たちも、それぞれ魅力的。

    しなやかで、たくましくて、そして潤いがある。

    ぜひご注目を。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 明治維新で目標をなくした士族 久保田宋八郎が、納得できる理由を告げられないまま銀座煉瓦街に住むことになる。
    その宋八郎の目を通して描かれる、明治開化の様々な事件・出来事と、明治維新にとまどう人々の反応が興味深い。
    高島易断の創始者、原女学校の創始者など創始者がならぶのも明治維新直後という時代だからか。

    そして、全編を通して見え隠れする宋八郎の宿敵
    宋八郎を廻る二人の女性

    さあどうなる。

  • 「銀座開花事件帖」を改題
    (収録作品)明治の耶蘇祭典/井戸の幸福/姫も縫ひます/雨中の物語り/父娘草

  • 明治維新から数年たった文明開化の発信地銀座で
    時代の流れに乗れず、無為に過ごしていた主人公が
    何件かの事件を解決して行くが、最後は天敵と対決しなくてはならない運命
    ただ、読んでいてい思ったのは、どの世も生きている人間が満足しきっている訳じゃない
    私利私欲に走るもの、真面目にしか生きられないもの、いつの世も同じようにいる
    何億人といる人間の中で、自分が巡り合う人たちはほんの一握り
    だからこそ、なにがしかの縁があってのことなんだと
    そして、明治という時代ならではの人たちの考え方は風情が良かった

  • めくるめくスピードで変わっていく日本。
    ほんの20年のうちに文明が変わるってどんな感覚なんだろう。
    今まで一番はやい乗り物は駕籠だった世の中に、蒸気機関車が通って、一日がかりであった横浜まで一時間でいけるようになる。人々が歩くだけのためだった道に、馬車が、俥が、猛烈な速さで駆け抜ける。夜は足元だって闇だった道に、こうこうとガス灯が灯り、レンガの家々がにょきにょきと建っていく。
    その変化の過程をその目で見ていた人たちには恐ろしい世の中だったんじゃないか。人間の考え方とか、生活ってそう簡単に変われるものじゃない。それでも世の中にあわせて変わらざるを得ない時代か。
    世の中どんどん便利になっていくけど、大多数の人は、現在の使い勝手に満足していて、時代が進むから、その変化に自分を合わせているんだろうな。

  • 文明開化した直後の銀座の様子が細かく書かれている。時代公証が素晴らしい。
    だがいかんせん、主人公に愛想が尽きてきた。前作から自分のしたいことがわからない現代若者風の彼だったが、今作ではもう三十である。いい加減に大人になれと思ってしまう。
    それとも三部作の最後で大成長を遂げるのだろうか。それを期待して読んでみる。

  • 時は御一新直後の明治。
    元旗本の宗八郎は兄の計らいで銀座の煉瓦街に住むことになった。
    周りの西洋人や耶蘇教信者の若様・原君らにとまどいながら
    時代の変化をやや批判的に描いていく。

    シリーズ物の真ん中をつまんでしまったようで
    物語の大きな起伏はなくあっさりと読んでしまった。
    「雨中の物語り」には思わず涙。
    綾と比呂だったら断然比呂派です笑

  • 先日エッセイを読んでおもしろかったので、松井今朝子さんの歴史小説を図書館で借りてきた。
    明治が始まったばかりの江戸(?)を舞台にした話だけど、ミステリともいえず、人情話とも言えず、いやーーいい話。
    続編もあるようで、楽しみ。

  • 銀座が舞台と分かりやすくて読んだ作品。巻頭に明治初期の銀座界隈の地図までついてます。ガス燈や煉瓦街といった当時の文化と、敵討ちを誓った宗八郎の決意と、混沌とした当時の雰囲気が感じられます。まぁ主人公については、あんた比呂はどうしたとか、なんでやたらと人気があるのとか納得できないところがありますが。男性陣はともかく、二人の女性がかっこいいです。元芸妓の江戸っ女・比呂と、西洋の教えを受ける明治の女学生・綾。それぞれ橋を舞台に友達と関連のあるシーンがあるんですが、どちらも印象深いです。

  • 1/5 時代小説とはまた違う印象で、維新後なんてあまり興味のなかった時代を読ませてもらった感じ。それも覗き見しているような感じでどうしてこんな風にわかるんだろう、と思った。いつの時代もどんな場所でも。


  • 薩長の世を拗ね、いまどき流行らない寺子屋を開き、元芸者の女の世話で生きてきた元佐幕藩に属していた青年が、兄の伝手で何が何やらわからないままに煉瓦作りの建物が並び、ガス灯が並ぶ銀座に引っ越してこざるを得なくなり、そこで出会う不思議な事件とぶつかるという話。新潮文庫で出ていますが、彼がそこに至るまでの軌跡がどうやら『幕末あどれさん』(PHP文庫)に描かれているらしい。未読だけれど。過去編を読んでいないままに言うならば、残念ながら1冊読んでみたものの、この本に登場する彼らに私は馴染んだという気持ちを持ち得ない。血肉の通った青年として出会った気になれない。「教養小説」であるというのなら、ぜひそういう気持ちにさせてほしかったな、というわけで私は多分続きは読まずに終わると思う。 

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銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)の作品紹介

三十歳。世を捨てるにはたしかに早い。しかしこの明治の世に、私の居るべき場所などあるだろうか。無為に過ごしていた士族・久保田宗八郎は、兄の求めにより、銀座煉瓦街で暮らすことに。大垣藩主の若様、薩摩っぽの巡査、耶蘇教書店を営む元与力。隣人たちはいずれ劣らぬ個性の持ち主であった。文明開化の発信地で、宗八郎の気骨がいぶし銀の輝きを放つ。

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