借金取りの王子: 君たちに明日はない2 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101329727

感想・レビュー・書評

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  • 人気シリーズ第版

  • 前作同様、基本的には各章独立した話でさくさくと読みやすい。

    前作は真介、陽子の恋の行方に焦点を当てるシーンも多かったが、今作は被面接者やその周囲の人物にスポットが当たる話がより多くなったと思う。

    仕事を続けることが幸せとも限らないし、続けることで見えてくることもある…という2つの側面がある。

    表題作、借金取りの王子がすごく良かった。
    主人公はほぼ何もしてないけど…

    陽子の会社に派遣社員を手配する話も、また違った切り口で面白かった。

    このシリーズのすごいところは、主人公がカッコつけの三枚目風なのに嫌味を感じないところだと思う。
    今後のシリーズも期待したい。

  • 話の流れ、設定はよく書かれているけれど、景色や感情の移ろいの描写などは少なく、エモーショナルな作品が好きな私としては、説明的に思えて好みではなかった。

    ところどころ読みづらい。あとデパガの話のまとめがラスト5行くらいで強引に締めていたのが気になった。(これだからデパガはやめられない)と言っていたけれど、そう言うほどの話の描写はなかったし…。

    ただ退屈かと言うとそうでもなく、なんとなく読んじゃう部分はあるので星2つ

  • 企業のリストラを代行する会社で働く真介のシリーズ。
    真介が主人公だけど本当の主役はリストラ対象者たち。
    表題作の『借金取りの王子様』の話がよかった。
    王子様と上司、二人ともカッコいい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「誰かが辞めなければならないなら、私、辞めます」企業のリストラを代行する会社で働く真介の今回の面接相手は―真面目で仕事もできるのになぜか辞めたがるデパガ、女性恐怖症の生保社員に、秘められた純愛に生きるサラ金勤めのイケメンなどなど、一筋縄ではいかない相手ばかり。八歳年上の陽子との恋も波瀾の予感!?勤労者にパワーをくれる、笑って泣ける人気シリーズ、第二弾。

  • 第一弾が面白かったので、第二弾も読んだ。やはり面白い。実際自分に置き換えて考えると、面白いだけでは済まないけど。
    SSEというアンケートは、やってみたら自分はどのように書かれるだろう、誰に対してどんな評価をするだろう、と考えた。


  • 君たちに明日はない第2弾。連続短編の形式は変わらないが、前回の続きとして時間が流れており続編として楽しめる。色んな企業での場面が垣間見えて面白い。今回も、職場測定アンケートSSEが活躍。8歳年上の陽子との関係も随所に。特に、題名になっている消費者金融の話は何度読んでも泣ける5の由来。男勝りの池口と優しい宏明。池口の暗い過去、猛アタックと美佐子の決意、親の説得とタンカ。「一生ヒロを食べさせていく覚悟と自信と証拠がある」言い訳せずストレート、時折素直な池口に感動させられる。陽子の話の「人にやさしく」の引用も〇。

    百貨店の斜陽の外商部でトップの女性の話、女性コンプレックスから生保レディのまとめ役ができずの保険会社社員の話、消費者金融の男女の純愛ストーリー、旅館の仲居の話、陽子の事務職探しの話。
    人間は受け入れがたい現実は受け入れない。不本意な将来には目を塞ぎ、自分の都合のいい未来だけを信じる。いつか仕事で成功して大出世する、こんなとこ辞めて年収800万の仕事につけば家計もすぐに楽になるはず。
    なぎさが困っていると何かと世話をやいてくれるし、他の男のようになぎさの営業成績を羨ましがることも嫉妬することもない。おまえはそれだけ頑張っているんだ。当然だろ。そんな人間が困っていたら、手助けするのは当たり前だ。
    外商トップのなぎさの転職先など山ほど。無数の優良顧客データを持っておりそのネットワークを活かした仕事ならいくらでも。外車のディーラー、画廊、生保。一方で、会社もそんな優秀な社員を辞めさせたくないし、それなりの見返りを用意するのだということを示したい。

  • リストラ請負人シリーズ第2弾

    優秀な成績を収めていて、やめる必要がないのに
    「やめようかな・・」と思ってしまう女性

    部下に愛される上司

    など、今回は「こいつはやめて当然だろう」というのではない相手が多く、彼ら彼女らのその後が気になる。
    みんな幸せになっているといいのだけれど。

    恋の行方にも波乱があるか?!

  • やっぱり面白い。
    リストラというモチーフを取り上げる着想が良いが、それをきちんと書き上げるのは相当困難。
    業界ごとの調査も必要だし、人間をきちんと描けないと説得力が無い。
    そこを軽く乗り越えているようで、さらにすっきりと読ませる。なかなかできないことである。
    素晴らしい。

  • それぞれの立場。それぞれの境遇。それぞれの人生。あまりにサクサク読めてしまうのは何でかな……と思っていたら、解説の「嘘っぽい設定がないからその世界に一気に身を委ねられる」という言葉で腑に落ちました。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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