越境者 松田優作 (新潮文庫)

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著者 : 松田美智子
  • 新潮社 (2010年6月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101330419

越境者 松田優作 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 松田美智子『越境者 松田優作』新潮文庫。

    松田優作の最初の妻であり、善き理解者であった松田美智子が松田優作という稀代の俳優の生き様を描いたノンフィクション。

    その出自由縁なのか常に怒りを秘め、時折その怒りを爆発させていた松田優作。自分が松田優作という俳優の存在を知ったのは『太陽にほえろ』の個性的で特異な演技である。その後、映画やテレビドラマでの彼の個性的な演技に注目していた。何と言っても『ブラック・レイン』で佐藤を演じた彼の鬼気迫る演技は印象深い。本書を読み、松田優作の自らの出自との葛藤、癌との壮絶な闘いなどの背景をより詳しく知ることが出来た。

    昨今のテレビを見ると面白いドラマも無く、お笑い番組やお笑い芸人を雛壇に登場させる番組ばかりが目に付く。日本映画もアニメに、アイドルとかモデルが簡単に主役に抜擢し、つまらない演技を見せられるばかりだ。もはや松田優作のような並々ならぬ情熱を持ち、個性的で特異な演技を見せてくれる俳優にお目に掛かることは出来ないのだろうか。

  • 無理なんてしたくない。
    そうしないと生きてれないから無理をする。
    ただ、それだけ。

  • これが、真実の松田 優作……かどうかは知らない。
    松田 優作の妻だった人が書いた人のドキュメンタリーというか、評伝。

    自分の夢を犠牲にしての内助の功は報われず、若い才能のある女とデキて出て行った男のこと。でも、彼を作り上げた一部は自分であるという自負もある。
    そして、けっして憎んでいたわけではない。
    これはあくまでも、そんな松田 美智子から見えた松田 優作。

    でも、ぼくらがテレビや映画を通してみている松田 優作よりも、多分、リアルな証言なんだと思います。

    狂気のようなコンプレックスと、すべてを犠牲にして一つのことに賭ける思い。

    と書けば、かっこいい。
    でも、犠牲にするのは、自分だけでなく周りも一緒くた。そして、息切れした人間にかける言葉が、

    「あいつは、もうダメだ」

    ひでえと思う。
    自分の半分ぐらい体重の女性を殴りつけて、

    「殴った方がいたいんだ」

    なんてことをいう馬鹿が、本当にいるということにビックリする。

    それでも、えてして、強力な個性カリスマというのはこんなものか?

    そして、その狂気があったから、スクリーンのなかの彼は、光を放ち続ける。

  • 今日2回目の参加でした。いろんなジャンルの話が聞けて、本当に楽しかったです。

  • 松田優作との関係はまさに偽りのない愛に包まれているようでのめり込めるものがあった。しかし,「あれ」と思う記述もあり,感情にまかせて事実が見えていないのではないかと感じさせられたのが残念。

  • 本書を読んで初めて知った事実もたくさんあるのだが、それを意外とは思わない。リアルタイムで映画やドラマの表現活動の中で見てきた松田優作の裏側は、そんなことがあっても当然だと腑に落ちることばかり。惜しまれる早過ぎる死であったが、それも松田優作に相応しいと思えてならない。

  • 優作の前妻にあたる著者が描いた優作はすごく身近に感じる。
    喧嘩が強く逮捕歴もあり、在日韓国人であることの葛藤、癌との壮絶な死は有名だ。

    だが晩年は新興宗教に傾倒するなど人間としての弱さも描かれていたが、膀胱癌が転移し末期状態になっていた彼には仕方がなかった事なのかもしれない。

    松田美由紀との出会いの場面や離婚に至る過程などが生々しく吐露されていて著者の松田優作への愛に満ち溢れた作品だった。

    優作が存命していたらデ・ニーロと共演し、日本人として間違いなくハリウッドスターの第一人者になっていただろう。
    それを見られなかったのがただただ悔やまれてならない。

  • 松田優作の演技はほとんどテレビでしか見ていない。「太陽にほえろ!」「俺たちの勲章」など。映画は「野獣死すべし」「それから」「家族ゲーム」ぐらいか。この間、テレビで「蘇える金狼」を見たが、それほど面白いとは思えなかった。そんな、ファンでもない私が、元妻によるノンフィクションを読んでみた。当事者が書くノンフィクションは、先日の「滝山コミューン一九七四」もそうだけど、作品の持つパワーが違うと思う。臨場感があると言うか。とにかく読ませます。

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越境者 松田優作 (新潮文庫)の作品紹介

「太陽にほえろ!」「探偵物語」「ブラック・レイン」-。時代を熱狂させ、ハリウッドに渡った矢先、40歳の若さで逝った伝説の俳優。栄光とともに語られるその人生の裏側には、壮絶な苦悩と葛藤があった。在日韓国人という出自への強烈なコンプレックス、ストイックすぎる仕事への姿勢、そして死の真相。今まで明かされることのなかった人間・松田優作の真実の姿を描く傑作評伝。

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