謎手本忠臣蔵〈中〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101330549

感想・レビュー・書評

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  •  「神君家康の密書」繋がりで赤穂事件と関連させるとは…。そして、密書伝奇を内匠頭の心痛の原因と結びつけるのは、良くも悪くもらしいなぁという気がする。そして、忍の活用が実に著者らしいが、内蔵助と逢瀬を交わす浮橋(くのいち)が本巻の段階では機能しているとはいいがたい。それと桂昌院従一位贈号をめぐる吉良の暗躍と内匠頭の批判・討論と、「遺恨覚えたるか」との結び付けには、説明不足・描写不足は否めないかも(仮説の意味としては別儀)。内蔵助山科隠遁から吉良討入りの決意表明まで。

  • 刃傷事件の真相に迫る中巻。
    ついに討ち入りを決意する内蔵助。今後の展開が楽しみ。

  • 松の廊下の真相に別のルートから大石・吉保が共に近付く。
    そして大石の腹が据わる!!

  • (感想は下巻にまとめて書きます)

  • 上巻も面白かったが、中だるみしそうな中巻もまた面白かった。謎が少しずつ解き明かされていき、ちょっと黒だった内蔵助が、どんどんかっこよくなっていく。台詞を読むとき、なんだか中村吉右衛門の声で聞こえるから不思議(笑)

  • 上中下の中巻。いよいよ大石内蔵助が、江戸城松の廊下の刃傷事件の真相にせまる。浅野内匠頭が吉良上野介を切りつけた理由が、徳川綱吉の生母、桂昌院の従一位問題と深く関連していることに気づき、内蔵助の討ち入りの決意が不動のものとなる。有名な「田舎大名が」の吉良のセリフはここにあったか!物語は討ち入りに向けて大きく動き出す。神君家康の密書も気になるな。

  • 桂昌院の従一位宣下と浅野内匠頭刃傷事件が複雑に絡んでくる中、内蔵助は内匠頭の真意を探り当て、吉良への敵討ちを決心。在阪、在京の浪士へ仇討ちを告げるが、慎重な内蔵助はまず調査から開始する。この中巻は、内蔵助や浪士たちのやり取りより、その時代背景がすごくよく表現されている。この点に注目すると、歴史のへええええが理解できつお思われる。

  • すごいな。なんかこれを最初に読んでしまうと、他の忠臣蔵面白くなくなりそう…

  • 謎の革新に迫る中巻。吉良襲撃計画を詰める中での急進派との暗闘、刃傷事件の真相を迫る中で、内蔵助は家康の密書が赤穂浅野家に預けられていたことを知る。同じく、柳沢吉明も自身の進める計画と刃傷事件との関連に気づき始め、次第によっては朝廷と幕府に亀裂を生みかねないと知る。よくあるように媚び売りとか悪評が立つ柳沢吉明を知謀に優れ、情報戦に長けた幕臣として描いているのが新鮮だった。内蔵助も武士としての一分と同志たちの他愛なさ、主君を失った武士の虚しさの間で皮肉に生きている感じがして。今までの忠義一筋の忠臣蔵と違う点だと思った。

  • 2011/11/30 Amazonより届く。
    2021/1/13〜1/17

     名前を変え山科に移った内蔵助。強行派を抑えつつ、ようやく江戸の瑶泉院と面会する。内匠頭が刃傷沙汰に及んだ一因を聞き、仇討ちの決意を固める。
    信長の暗殺もそういう説があるが、朝廷と武家社会の表には決して出てこない、駆け引きのようなものが、朝廷と幕府の二重権力時代の歴史を理解するには必要なんだと、思わせる展開。
    いよいよ最終巻の下巻へ。

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著者プロフィール

加藤 廣(かとう ひろし)
1930年6月27日- 2018年4月7日
東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務し、調査部長などを歴任。山一証券経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師を経て経営コンサルタントとして独立し、ビジネス書執筆や講演活動を行う。
50歳頃から、人生を結晶させたものを残したいと考えるようになり、歴史関係の資料類を収集。2005年、『信長の棺』で作家デビュー。当時の小泉純一郎首相の愛読書との報道があって一気にベストセラーになり、高齢新人作家としても話題になった。のちに大阪経済大学経営学部客員教授も務めた。
『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』を著し、『信長の棺』を含めて本能寺3部作と称される。ほか『水軍遙かなり』、『利休の闇』。その一方で『戦国武将の辞世 遺言に秘められた真実』、『意にかなう人生 心と懐を豊かにする16講』など歴史エッセイや教養書も刊行を続けていた。

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