- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101330723
感想・レビュー・書評
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池上彰氏が記者として働き、週間子供ニュースのキャスターを勤め、NHKを退社の流れを、振り返り想いを語る本。記者の仕事内容大変さがわかる。報道に対する熱い心を感じる。
【心に残る】
いかに分かりやすく、生々しい報道をするか
ニュースは嫌な事件も多いが「悪は必ず罰せられる」という根本のところでの理想の原理を、子供たちに少しでも伝えることができれば、と念願しながら放送を続けてきた。
【読んでみよう】
本多勝一 戦場の村詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池上さんの「高校生でもわかる資本論」を読んで、これまでの記者人生を読んでみたくなりました。池上さんの記者魂がわかる本。
これを学生時代に読んだら記者になりたくなるかも。
事件ごとに書かれている紹介のところは、
少し長いように感じたが、最後のキャスター、ジャーナリズムについての所はなかなか読み応えがありビシビシと伝わってきた。
「努力を惜しんではいけない」! -
2回目。再読。
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地方記者を振り出しに、警視庁担当、災害担当記者として、ホテルニュージャパン火災や、御巣鷹山日航機墜落など数々の大事件を取材。そして「週刊こどもニュース」のお父さんとして、難しいニュースも専門用語を使わずわかりやすく説明し、人気を博した。取材記者とキャスターの経験を併せ持つ生涯一記者の半生記。将来報道を目指す人必読。(平成17年刊を文庫化)
こどもニュースも含め、あまり番組を見たことはないが、偏ることなく、わかりやすく伝えようという姿勢は好感がもてる。
まず、若き池上記者の写真のカバーが良い。黒電話が時代を感じさせる。
(ブクログ等の画像写真とはカバーが変わっている。第2刷から変更したのかもしれない)
また、NHKの記者であった著者の半生記が面白くないはずが無い。本書を読むと、地方記者の仕事というのが良くわかる。
以下、備忘録的に
p42記者はなぜ非常線を越えることができるのか、それは、その記者が、視聴者や読者の代理人だからである。その特権が認められているのは、国民の知る権利を守るためのものであって、決して記者に勝手な振る舞いを許している訳ではない。
p167「その反応はおかしいぞ」事件を知った被害者の夫の反応。犯人は別居していた夫だった。
p191御巣鷹山日航機墜落犠牲者の遺書。映画「沈まぬ太陽」などでも、取り上げられていて、有名だが、読んでいて改めて胸をうつ。
p236キャスターは自分の意見を言えるのか
日本のニュースの場合、民放ではキャスターが自分の意見を言う事が当たり前のようになっている。(中略)民放のニュース番組で、いかにも経験不足が歴然としているキャスターが、したり顔でコメントを述べるのを見ると、見ているこちらが恥ずかしくなってしまう。
第十章ジャーナリズムについて考えてみよう では、ジャーナリズムの光と影について、論じており、メディア・リテラシーにも言及しており、将来報道を目指す人必読という宣伝文句に偽りのない内容となっている。マスゴミと揶揄される事が多いが、「国民の知る権利」を守るためには、欠かす事が出来ない「必要悪」でもある。ニュースの受け手としても、読んで益するところは多い。 -
内容よりもまず先に、表紙に感動しました!柔らかな立ち姿でこちらに笑いかけている現在の池上彰氏と、その奥できりっと生意気そうにこちらを見据えている、おそらく記者になりたての頃の池上青年のスナップ写真。そしてタイトルが「記者になりたい!」NHKの記者としてキャスターとして大活躍された、彼の輝かしいキャリアを思うにつけ、彼にも夢に溢れ試行錯誤した青年時代があったことを思うと、この表紙を見ているだけで胸が熱くなりました。
著者のキャリアをなぞる形の回顧録となっています。文字通りニュースとともに歩んできた彼の人生です、ただの昔話ではありません。あのニュースが報道されたとき、彼はどこで何をし何を考えていたのか。記憶に残る報道写真とともに力強く綴られたエッセイ集。常に勉強を怠らなかった彼の貪欲かつ謙虚な姿勢に、私も、背すじが伸びる思いです。
子供の頃から新聞が大好きで、夕刊が届くのをわくわく楽しみにしていただなんて、なんて知的な少年だろうと思いきや、意外なことに池上氏が最初に興味を持ったのは、事件や事故、市井の話題溢れる「社会面」だったとか。身近な話題に視線を向けること。国際社会の大問題もわかりやすく解説してくれる彼の原点は、こんなところにあったのかもしれません。
彼が警視庁担当の記者だったころの「夜討ち朝駆け」奮闘記が印象的でした。犯人逮捕にいたるまで、当然捜査の秘密を洩らすわけにはいかない捜査員はなかなか口を割ってくれない。徹夜して帰路につく捜査員を、これまた記者が徹夜覚悟で待ち受ける。各紙の記者がしのぎをけずる中では、他社に特ダネを抜かれて地団駄を踏むことも多い。根気強く捜査員の信頼を勝ち得えも、情報を流してくれた人に迷惑がかからないよう常に配慮しなくてはならない。こんな生活が何年も続くなんて、端から見れば、なんとエキサイティングな!と羨ましくも思えますが、やはり熾烈な環境です。
自分なりの視点で問題を発掘し、自分の足で歩き、自分の目で確かめ、関係者に直接話を聞いてそれをまとめて読者に伝える。
知力も体力も必要な記者という仕事に、本当に頭が下がります。読書から学ぶにしても、そのエネルギーと姿勢は参考にしたいと思いました。私もいつか、建築家としてか同時通訳としてか速読のインストラクターとしてかはわかりませんが、自分が学んだこと目指した道について、若い世代にエールを送るような文章が書きたいなと考えるようになりました。 -
NHK入社時代から現在までに取材を重ねてきた事件を振り返り、ジャーナリズムについて考察した一冊。
頻繁に挿入されてるコラムがかなり面白く、当時の事件や社会構造について理解が深まる。
運動会の借り物競争で取材用の高級カメラを奪われるエピソードが特に好きw -
最後の「ネットの編集機能によって、メディア各社の編集意思が否定される時代になっている」という話が面白かった。
情報を意図的に一定の思想で締める「編集」という行為は、一見すると読者・視聴者の見方にバイアスをかけるものであるけど、実際には読者・視聴者に選択肢をわかりやすく提示している訳なので、メディア各社だけでなく彼らにとっても損失があること…ということかな?
まあちょっと学のある人ならどこの新聞の記事か確認して読むだろし、別に読者にとったら一利なしって話でもないのかな。
なんというか、記者に憧れる人間として読むと、覚悟を促されるような内容でした。実際に事件の取材にいくとこういう場面に出くわす、こんな人と出会う、などなど。
やっぱり職業ものの本はいいですね。世界が広がる広がる。
それにしても表紙画像がなんかちゃうぞい -
池上さんの原点。おそらく学生時代にこれを読んでいれば、俺も記者になっていたかもしれない。下積み時代のエピソードといえる苦労、経験が一杯詰まっている。「何かを伝える」というのは難しく、やっぱり池上さんも最初からあれだけ流暢に説明できていた天才ということではないのだなぁと思い、希望が湧いてくる。
最近、テレビの出演をやめるといった報道が流れたけど、深い本をもっと読みたい自分としてはうれしい。 -
今や「旬」の人となった池上彰氏の半生記である。
記者を志し、それを実現するために努力をする。
そして記者として仕事をしていく上に様々な経験をし、新たな志を立てる・・。
だいたいの人は、若い頃に抱いた理想は現実とは違うと、ネガティブ思考に陥ることも多いが、
池上氏は常にポジティブな思考。読むと前向きな気持ちになれる。
しかし、若い頃の夢を実現できる人って、やっぱりうらやましいね。
仕事柄、記者という人たちの生態が少し垣間見れたかな・・(笑) -
ニュースを見て判断するのはあくまで視聴者であるという姿勢。ニュースをつくり過ぎない。
読んでいて感じたのは仕事を極めていくという・・・著者が仕事を研いで(問いで)いく感じを受けます。仕事の捉えかたや考え方がシンプルになっていくという。
子供ニュースを担当することで、難しいニュースをどうわかりやすく伝えるかを追求しニュースという材料を研いで本質を見つけていく。よい酒を追求すると水に近づいていくという言葉を思い出す。
よい仕事をするためには自分の頭で考えて工夫して研いでいかなければならない。
まず、なぜ?と問いかけるところから・・マインドマップ的思考ですな⇒http://www.mindmap.or.jp/