海になみだはいらない (新潮文庫)

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著者 : 灰谷健次郎
  • 新潮社 (1986年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101331041

海になみだはいらない (新潮文庫)の感想・レビュー・書評


  • 極論をいうと、この作品集は「やさしさ」に満ちている。
    主役は、子供たち。
    この本を読むと、多少は素直だった子供の頃の自分を思い返し、胸が熱くなる。

    それぞれ、別のタイミングで発表された三篇を収録。
    様々な環境と待遇で、子供たちの逞しさと優しさを描く。

    物語を進めていく中で、ただただ語られるだけの出来事がある。
    小説に慣れた小賢しい読者は、エピソードの断片を伏線だと睨み、回収に目を光らせる。
    だがしかし、伏線ではないので当然回収はしない。
    この何気ない出来事を語ることで、登場人物の背景や心情が朧げながら形成される。

    なかには、唐突に終わる物語もある。
    余韻を含ませないことで、より作品で描かれた心象を際立たせる。
    児童は、個性的な教諭や労働者など大人と同じ目線で描かれることが多い。
    そこにある優しさは表層的ではなく、人間の根本的な「やさしさ」。

    大人も読みたい一冊。
    ですので、ご家族でどうぞ。

  • 「海になみだはいらない」「きみはダックス先生がきらいか」の短編2本と、5つの物語をまとめた連作短編集「ひとりぼっちの動物園」を収録しています。

    「海になみだはいらない」は、トクじじいに憧れて漁師になることを夢見る小学4年生の章太と、転校生の少女・町村佳与の物語。

    「きみはダックス先生がきらいか」は、冴えないけれども子どもたちのことをいつも一生懸命考えているダックス先生と、彼のクラスのリツコの物語。『兎の眼』の足立先生に代表される、著者の理想とする教師像が描かれています。

    「ひとりぼっちの動物園」も、それぞれが置かれている環境の中で一生懸命に生きようとしている子どもたちの姿を描いた、「だれも知らない」「オシメちゃんは六年生」「ベンケイさんの友だち」「ひとりぼっちの動物園」「三ちゃんかえしてんか」の5編から成っています。

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