- Amazon.co.jp ・本 (603ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101331720
感想・レビュー・書評
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もともとしゃべり方とか雰囲気とかを見て、失礼な表現になるけれどサイコパスっぽく思っていた。ところが、この本を読んでみて佐藤優さんの印象がガラッと変わった。
人間味溢れて、とても好きな人間だった。
外交官の仕事ってほとんど知らなかったけれど、よくテレビで見るスパイみたいなものだと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ソ連邦の崩壊を、内側から記した一冊。
当時何が起こっていたのか、何を起こそうとした人々がいたのかが論理的にわかりやすく書かれており、一気呵成に読んでしまった。
ロシア経験が長い私の友人(著者と同年代)が言っていた、嘘のような話がここでも書かれており(カレンダーやマルボローの話)、それが本当に現実であったのだと改めて思う次第。
「知の型には二つある。一つは、新しいものを創り出す知性だ。(中略)第二は、一流のオリジナルな知を、別の形に整えて、別の人々に流通させる能力だ。」(pp.258-259,ll.13-ll.7)
いずれの知も持たぬ自分にはがゆいばかり。 -
「国家の罠」に続き読んだ。佐藤優の自叙伝はとてもおもしろく、今回も楽しませてもらった。ただ、ソ連崩壊に関連する、特に哲学的な知識についての余談が多く、通勤中の電車の中で読んでいたが、読み終えるのに1か月近くかかってしまった。しかし、本筋のストーリーはおもしろかった。そのころから20年ほど経っているが、今のロシアの状況について、当時の登場人物も絡めながら、本として纏めてほしいと思ったりする。興味深い人々がたくさん出てくるので、その後どうなったのか、また佐藤優はその成り行きをどう見ているのか、解説してほしい。
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国家の罠に続き一気に読了。人間考察として面白い。よくここまで懐に入れるなと感心した。そして91年クーデターの記述は面白かったが、案外杜撰だったことに驚きもした。
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ソ連やバルト三国の知識・指導者層に入り込んだ著者が、外務省No. 1のソ連通となった過程を描き、ソ連崩壊を追体験させてくれる。
ウオッカは兎も角、酒のつまみとしてのロシア料理が、美味そうでしかたがない。
日常の仕事もこなしながら、キリスト教の研究をし、人的交流のために行動し、これだけ呑んでいて、健康を保てたのか?
やはり著者は化け物だわ。笑 -
著者が、ノンキャリアのやり手外交官として、ソ連崩壊を目撃した迫真の実録。神学を武器にして人脈を広げ、信頼を勝ち得て、クーデター等の歴史的な事件に関する様々な情報を得ていく、厳しくも逞しいプロフェッショナルな外交官の姿に感動を覚えた。例の事件後の著者の文壇での活躍の振りがも、むべなるかなと思う。