甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)

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著者 : 中村計
  • 新潮社 (2010年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101332413

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甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ノンフィクション。

    日本が揺れた松井秀喜5打席敬遠のドキュメンタリー。

    明徳が悪者扱いをされている印象が強かったが、関わった人達の話から明徳は悪者ではないと思えた。

    勝つことに徹底したやり方が果たして悪いことなんだろうか?答えは多分出ないのかな…価値観の違いなのかもしれない。みんな純粋だった。野球にかけていた。それがすごく伝わってきた。

    特に星稜の五番を打っていた月岩さんの話は心に残った。

    やっはり試合の後はいろいろな葛藤や後悔があったようだ。(今でも?)葛藤の末の言葉であるだろうがこの言葉が印象的だった。

    「あそこで打って、有頂天になっていると…将来のことを考えると、打てなかった方が良かったと思います。」

    松井選手の夢の実現にはどうすればいいかという質問の答え

    「…逃げないことじゃないですか。好きだと思えることからは。」

    やっぱり努力してきた人は言葉の重みが違う。

  • 高校野球史上もっとも有名な試合の一つ、松井秀喜5連続敬遠を取材したノンフィクション作品。悲劇のヒーローである松井秀喜氏はもちろん、明徳と星陵の両監督や選手、そしてあの試合を担当した解説者や、当時記事を書いた新聞記者など、多方面への取材により、あの日の真実に迫っている。

    いまだにあの試合がメディアで紹介されるとき、高校野球らしくないとかスポーツマンシップに反するなど、否定的な論調が多数を占めている。しかし、本書を読んでわかったのは、必ずしも野球関係者の間では、否定的な意見が多いわけではないという事だ。

    特に強豪校と言われる学校は、甲子園で優勝する事を唯一の目標とし、尋常とは思えないような練習量を積んでいるのだ。相手が高校生だからといって、勝負の世界にきれいごとを求めるのは、そんな事情を知らない我々のワガママなのだろう。

    あの世代の明徳の選手たちから、50歳になったら星陵と再試合をやりたい、という話が持ち上がっているそうだ。でも残念ながら星陵サイドは、あまり乗り気ではないらしい。ぜひとも2024年の夏、できれば甲子園球場で、もう一度あの試合を見てみたいものである。

  • その試合の後で教え子たちにかけた監督の言葉に、ぎゅっと胸が詰まりました。
    「星稜らしく、散ってしまったな。」

    それは、監督自身が13年前の教え子と甲子園で経験した、簑島高校との延長18回の激闘の末の敗戦に重ね合わせて言った言葉。
    野球にうとかったわたしでもその試合は鮮明に記憶しています。
    いまも何かにつけ、甲子園の名勝負として紹介されることの多い試合です。

    そして今回この本で取りあげている試合は、また違う形で星稜が甲子園の悲劇の象徴みたいになってしまった時のことです。

    わたしの祖父と同じ根上町出身の松井秀喜選手は、それだけでとても身近で親しみを感じる相手。毎年夏に帰省すると、地元の寺井駅の構内の売店では「ゴジラ松井クッキー」を売っていたほど、地元では大ヒーローなのです。(その売店も、JRの合理化の波なのか、もう数年前になくなってしまったけれど。 )

    メジャーリーグにまで飛び出してしまう「怪物」が、あの静かなほのぼのした町内からよく誕生したなあ、と思わずにはいられません。プロに入ってからの飄々としたインタビューの態度。言い終わったとき、下あごをぐっと噛み広げる独特の表情。ますます、おもしろい人だなあ、と思って、今もスポーツニュースに出てくるとつい注目してしまいます。

    簑島高校との激闘から13年後の夏の甲子園。石川県代表として甲子園にやった来た星稜高校。
    4番で主将の松井選手に対し、対戦相手の明徳義塾高校は全ての打席、5連続敬遠を選ぶのです。
    大会前から「怪物」として名をはせていた高校生ばなれした強打者松井選手は、その試合、バットを1度も振ることなく、伝説になってしまうのです・・・

    「高校野球らしく堂々と戦え」という明徳義塾の監督に対する非難、松井選手の次の打順を打つバッターに対する「お前が打っていれば勝てたのに」という無言の声。

    この本は、当時の両校の選手や監督、そして、松井選手本人など当時のことを知っている人物にインタビューをして、当時の事実や選手の偽らざる心情をまとめています。

    5打席連続敬遠なんて、松井選手はさぞかし悔しく甲子園を去ったことだろう
    とか、
    監督のサインにしたがって勝負から逃げるような球をミットに投げ込まなければならなかった投手だって、本当は松井と勝負したかったに違いない、
    とか、
    全て、ギャラリー側の視線にすぎないのかなぁ。
    なんて、思いました。

    スポーツ選手として、競技に取り組みながら考えていることは、同じ目標に向かっていても、そのやりかたとか、何を信じるか、とか、そんなものは自由なんだということを思い知らされました。

    勝負事だから当然勝つことにこだわるのも信念。そのための戦術としてルールを越えなければ何も間違いではない。
    特に高校での野球の場合、「甲子園」という明確な目標が描きやすいので、たんなる高校生のいち部活を超えている世界があるということは、なんとなく感じられるところではあったものの、そのそれぞれの毎日と人生は、壮絶なものがあるのだなあと。
    (この印象もまた、ギャラリーとしての視線に過ぎないけれど)

    この本の著者の方もまた高校では野球をやっていたそうで、自らのエラーで勝利を逃して現役生活の幕を閉じてしまった、という思い出があるそう。それで、同じ野球経験者として、彼らの気持ちがわかってやれるのでは、とこの取材を決意し、自力で当時の関係者にアタックし、インタビューをしたというところがおもしろいと思いました。

    質問ひとつにしても、単なる、話題としての問いかけしかできない場合と、”こんな場面では、選手なら、監督ならこう考えるんじゃないか?”という前提のもとに話しかけができるというのは貴重だと思うから。

    それでさえ、取材者... 続きを読む

  • 高校野球を高校生が野球やってるだけの話と思えばこんな狂騒は起きないんだろうけど、人生とか清々しさとかと無理無理くっつけるから見る側と選手監督の感覚がズレていくのかな。
    マスコミが煽って作ったストーリーと内実がここまで違うのか驚いたが、日常のニュースもそんなものなのかもしれない。

  • この事件がきっかけで高校野球が一時期嫌いになったぐらいだったので、選手のその後に興味があって衝動買い。とても興味深く読ませてもらった。わたしは当時から5連続敬遠は極めて正当な作戦であると考えており、ブーイングと帰れコールで試合進行や校歌斉唱を妨害するほどの”汚いプレー”とは全く思っていない。当時の報道からはわからない「新事実」も載っているので、一緒になって心の中で帰れコールをやっていた人も是非読んで欲しいと思う。

  • 実際に試合を見たわけではなかったけど、
    TVなどで騒がれていたので
    すごいことが起こったという印象を持っていた

    高野連のコメントは当初から見当違いだと思ったが
    明徳義塾が「悪い」という印象を、おぼろげに持っていた

    この本を読んで、明徳の人たちの考えを知るうちに
    「高校野球」に対する考え方、捉え方の
    違いがあることがよくわかった

    確固とした信念を貫いた明徳の人たちを
    かっこよくも感じた

    あらためて高校野球が面白く感じられた

  • 資料ID:C0031410
    請求記号: 新潮文庫 ; な-72-1
    配架場所:2F文庫書架

  • 2016年6月30日読了

  • 記憶に残る甲子園での5連続四球についてのノンフィクション。プロ野球と異なる魅力を高校野球に感じる人は多い。一つは職業ではないからだ。無意味に見える攻守交代の全力疾走はじめひたむきさや純粋さに好感を覚える。だから、何をやっても勝てばいいということに反発を覚え、敗れても大きな拍手を受けるのだと思う。私立高校に有名になって存続するという宿命があり、そのためには県外から有力選手を集めて勝利を最優先という論理は分からなくもない。ただ、例えば今治西高校と明徳義塾高校の試合を観ていると、指導者の目指すところが大いに違うことを感ずるのである。2016.5.6

  • 5敬遠のせいで甲子園の伝説となった松井。関連人物のその時の心境とその後のレポート。

  • 1992年夏の甲子園。ひとつの伝説が生まれた。
    「松井秀喜 5連続敬遠」
    野球に詳しくない人でも知っているだろう。

    松井秀喜を有する石川県代表星稜高校と、高知県代表明徳義塾の試合、そしてその裏で何が起きていたのか。事件から十年後、彼らと同年代の著者が、ひとりひとりを丁寧に取材して組み立てたノンフィクション。

    松井の全打席敬遠を指示した明徳義塾の馬淵監督。従って敬遠した河野。敬遠された松井の次打者だった月岩。当事者たちはどう思っていたのか。

    これを読んでからYouTubeで動画を見るとものすごくおもしろい!

    野球好きでもそうでない方も読んでみてほしい一冊。

  • もう一度頭からこの試合みたいなぁ

  • 図書館で借りました。

    当時、5敬遠をリアルタイムでテレビ観戦していました。
    同世代の自分からみて、松井かわいそう!
    相手ピッチャーひどい!
    と思っていました。

    大人になってあの試合を振り返り、この本を読むと、もちろんピッチャーだけのせいではないし、松井が全打席敬遠じゃなくとも、星稜が勝てたのかどうかもわからない。

    今だから、今の自分の歳でこの本にめぐりあえて良かったと思いました。

    再読したい本です。

  • とても面白い本。1992年夏の甲子園での明徳義塾対星稜の一戦を丹念に追ったルポである。著者は明徳の選手がこの試合を後悔しているという予想のもと取材を始めるが、その前提は早々に突き崩されてしまう。表れたのは、「高校野球」はこうあるべきというマスコミの誘導。そして、「野球」と「高校野球」という似て非なるものを目指すそれぞれの立場。
    選手・監督だけではなくそれを世に伝えたマスコミ関係者まで取材し、現代にいたるまで横たわる学校スポーツの問題を丁寧に描いた作品だ。

    失望◆誤解◆前夜◆伝説◆挫折◆沈黙◆真相

    第18回ミズノスポーツライター賞最優秀賞
    著者:中村計(1973-、千葉県)
    解説:最相葉月(1963-、東京都)

  • 第18回ミズノスポーツライター賞 最優秀賞受賞作。中村計の『歓声から遠く離れて』という本を読み、中村計の書く文章に益々興味が湧いたので、出世作である本書を読んでみることにした。

    「松井5敬遠」に関わった星陵、明徳義塾の両監督、明徳義塾のピッチャー、松井の次の5番打者、松井秀喜…、多くの関係者に取材し、中村氏が感じた一人一人の人間像を、そして野球観を描き出す作品である。

    中村氏は言う。
    「美点と欠点。ともに示すことで、その人に重さを与えることができる。もちろんのこと瑕疵を書くときも悪意があるわけではない。人間が持つ美しさと愚かさに惹かれるからこそ、自分自身、書くことをよしと思えるのだ。」

    馬渕、山下両監督や、5番打者の月岩、明徳義塾のピッチャー河野…。こうした人たちと交流し、筆者が感じたままに「人間的魅力(良きも悪きも)」を描出していた。人の欠点を書くことは簡単だ。しかし、人の欠点を魅力的に書くことは難しい。それをやってのけるのが、中村計という人だと、この本を読んで再確認した。筆者の「人間好き」な性格がよく出ていると思う。

  • 甲子園での松井五連続敬遠。

    雨トークで『甲子園大好きすぎる芸人』的な企画をたまたま見て、翌日本屋いったら偶然この文庫本があったので手に取りました。

    星稜、明徳両方の関係者にインタビューを行って当時の思い現在の心境などを聞いていくんですが、テレビの報道とはまた違った内情が明らかになっていきます。

    高校野球好きなら更に楽しめると思います。
    ★3

  • 1992年夏、松井が5打席敬遠されたあの出来事を、星稜VS明徳義塾両サイドへの取材をもとに書かれたものだった。

  • 話題になったな〜くらいの印象だったお話。関係者には色々なことがあったんだな。という感想。個人的には全打席敬遠はありかなと思いました。

  • 松井にも野球にもそれなりに関心があったので読んでみた。綿密な取材によって甲子園での星陵-明徳の監督や選手たちや心情を描き出していくところは興味深かった。しかしこれは著者を含むマスコミの反省文だと思う。思い上がった独りよがりな観点から取材を進めていくうちにそれがマスメディアによって作り上げられた勝手なストーリーであることに気づき最後は反省で終わる。いまひとつの後味。

  • 「真実とは?」に焦点を当てた非常に素晴らしい作品です。

    いろいろな立場から松井秀喜5連続敬遠をみつめていて、このアプローチは本当に面白いですね。真実にたどり着く唯一の方法なのかもしれないなあと思いました。

    本書を読み終えて、松井秀喜はこの敬遠を出発点として、本当にすごい選手だったなあと感慨深く感じました。

  • 甲子園での有名な試合、松井秀喜を英雄にした試合、五連続敬遠の関係者にインタビューをして、当時の報道、発言の裏を取り、真意を問い、各人のその後を追っている一冊。

    当時の報道が真実ではなかったことはわかるが、この本には結論がないと思う。取材をしただけ。

    ただ、松井を全打席敬遠して勝てるのは、松井以外を押さえ込める力のある相当レベル以上のチームでないと取れない戦術であったことだけは分かった。

    勝つことを純粋に追い求めるのか、勝負することに行くのか、難しい問題ではある。負けて泣くのは選手、負けた選手に同情するのが観客。追い求めすぎたらどうなるのか?そういう問題であったのであろう。

  • 野球ファンにとっては面白いかも・・
    ただちょっと期待はずれ

  • 面白かったけど、

    途中から肩入れしすぎ?

  • ああ、私は明徳が好きなんだな、と思った。

  • 松井5連続敬遠は色んな意味で明徳の代表する偉業となっており、高知県民である私はいつも複雑な気持ちになる。なぜあんな事をやってしまったのか、この事について調査した著者は素晴らしいと思うし、本を読んでみて、敬遠をしてしまったメンバーの様々な背景がわかり、一概にあの敬遠は高校生にあるまじき行為だとは言えなくなった。

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甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)の作品紹介

「甲子園なんてこなければよかった」-。球史に刻まれた一戦、1992年夏、星稜vs明徳義塾。松井との勝負を避けた明徳は非難を受け、試合をきっかけに両校ナインには大きな葛藤が生まれた。あれから15年、自らの人生を歩みだした監督・元球児たちが語る、封印された記憶。高校野球の聖地で、彼らは何を思い、何が行われたのか。球児たちの軌跡を丹念に追ったノンフィクション。

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