無名最強甲子園: 興南春夏連覇の秘密 (新潮文庫 な 72-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101332444

作品紹介・あらすじ

スター選手のいない無名チームは、なぜ甲子園春夏連覇を成し得たのか。鷹揚な沖縄人気質に、徹底した規律指導と実戦主義を融合させた興南野球の登場は、あらゆる難局を完璧かつ淡々と勝利に置き換える「静の野球」として全国の指導者を瞠目させた。いまなお異次元の強さが語り継がれる2010年の興南高校の選手達と指導者双方をつぶさに追い、その神髄に迫る傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 我喜屋さんと同じようには、出来ないなあ

  • 夏の高校野球が始まり、沖縄の興南高校はとうぶん勝つだろうと本を開いた日に負けてしまってガクッ。

    2010年の選手たちと指導者をつぶさに追ったという触れ込みですが、当時の監督で現理事長の我喜屋優氏についての話といったほうがいいかも。四季があるとはいえない沖縄。四季を知る人に来てほしいと招かれた我喜屋監督。彼の言葉は時に耳が痛い。

    「なんくるないさ~」が、本来は「くじけずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来るさ」という意味だと初めて知りました。準備せずしてどうとでもなるわけじゃない。高校野球好きな人はどうぞ。

  • 同著者による松井五連続敬遠事件の本が面白かったので、衝動買い。当時の興南高校の活躍そのものよりも、それを率いた監督我喜屋氏の野球人生と監督としての指導方針に着目した本だった。ユニークな練習方法などは、日本代表として現役時代に衝撃的な敗北を味わったキューバ代表の戦いぶりがベースになっているという話しは特に興味深かった。

  • 2010年の興南は最高だったな。
    我喜屋監督の基本を大切にする教えはとても素晴らしいと思う。派手さはないけど、まさに根のしっかりした木を育てるということ。

    小さなことがしっかりできているから、大きなことができる

    小さなことをおろそかにすると、肝心な時にミスをする

    というのはとくに共感できる。

  • 2010年に春夏連覇を達成した沖縄県興南高校の野球部に密着したノンフィクション。過去に春夏連覇を達成したチームは直近の大阪桐蔭も含めて7チーム。その中で唯一2010年の興南だけが「高卒、即プロ」となった選手がいなかったチームなのです。前横浜高校監督の渡辺元智氏が「個々の力は松坂や清原、桑田が上でも総合力は(2010年の)興南が過去最高」と評価するほどチームの選手全員のレベルが高かった事を物語っています。このチームを指導したのが就任5年目であった我喜屋優氏です。
    我喜屋氏の指導の様子、選手達との日々のコミュニケーションの様子などを丹念に取材し、なぜこのチームが育っていったのかという疑問に答えていきます。
    我喜屋氏は「日常生活の小さな決まり事をしっかり守れない子は試合でミスをする」、「勝負事である以上、相手が何かかを仕掛けてくるという事を感じ取る第六感が大事」という方針のもと、生活態度から細かく選手に目を配り、選手が五感を研ぎ澄ます事を求めます。しかし選手を管理するのではなく、大人扱いもする。その一種の手綱さばきや、考え方など野球に興味がなくても「人を育てる」事について示唆に富んだ内容の本です。勿論、野球好きの人なら一層楽しめます。

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著者プロフィール

1973年、千葉県船橋市生まれ。同志社大学法学部卒。スポーツ新聞記者を経て独立。スポーツをはじめとするノンフィクションを中心に活躍する。『甲子園が割れた日 松井秀喜5連続敬遠の真実』(新潮社)でミズノスポーツライター賞最優秀賞、『勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇』(集英社)で講談社ノンフィクション賞を受賞。他の著書に『佐賀北の夏』『歓声から遠く離れて』『無名最強甲子園』などがある。

「2018年 『高校野球 名将の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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