ジーン・ワルツ (新潮文庫)

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著者 : 海堂尊
  • 新潮社 (2010年6月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101333113

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ジーン・ワルツ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「チーム・バチスタの栄光」でヒットした現役医師作家海堂尊の作品で、代理母出産という難問のテーマに挑む作品です。

    純真学園大学 医療工学 教員:大石義英

  • NHKドラマ「マドンナ・ヴェルデ」を見たのがこの本を読もうと思ったきっかけ。
    これが原作かと思って読み始めたら、全然違ったので驚いた。
    原作は別バージョンだったのね~
    代理母出産や人工授精など、いろいろなことを考えさせられる作品だった。
    私は代理母には概ね賛成だけれど、それがビジネスになったときに、いろいろな問題が起きるであろうことは想像できる。
    実際にどこかの国ではビジネスになってるんだよね。
    出産は、母体の命に係わる大変なこと。
    現代ではすごく少なくなったとはいえ、出産で命を落とすお母さんが実際にいること。
    そのリスクを負って、自分の子とはならない子どもを産むことが、どういうことなのか。
    私だったらどうだろうか…
    しかし最後の理恵先生の守りの完璧さには驚いた!
    さすがだわぁ…

  • ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」を見たときから原作の「ジーン・ワルツ」が読みたかった。
    図書館で予約してから4ヶ月。ようやく読むことができた。

    チビを妊娠したときに、赤ちゃんが無事に生まれるってなんてすごいことなんだろう!と感動したけど、これを読んで改めて感動。
    まさに、奇跡なんだわ。

    ドラマをみていたから、その内容もリンクさせながら楽しめた。
    次は「マドンナ・ヴェルデ」を読んでみようかな。

    理恵の行為は理論的には問題なかったのかもしれないけど、倫理的には許されることではなかったと思う。
    でも、自分だって同じ立場ならわからない。
    理恵だからできてしまった…としか言いようがない。

    「女って、なんてバカなの」は理恵自身にも向けられているように感じる。

    理恵の手によって、生まれ落ちた子達が成長したときに、何も影響がなければいい。
    タダそれを願う。たぶん、理恵が裁かれるとしたらそのときだ。

    自分が羊水検査を受けるかどうか考えたときに、結果によっては堕胎する。と簡単には決断できなかった。
    たまたま、なんともなかったからよかったけど、もし悪い結果だったら、どうなっていただろうと…考えるだにおそろしい。

    おなかにいて、生きているのを感じているのは母親だから。

    次に出産の機会を迎えたときに、正常分娩ができるとは限らない。
    チビが、五体満足で無事に生まれてきてくれたことがほんとうにありがたい。

    お産って、まだまだ危険な部分が多いんだな。


    んー。海堂作品はいつもいろいろ考えさせられるわ~。

  • 健康な子供が生まれることが、ここまで奇跡だったとは。いろいろなことに感謝せねば。

  • 母は偉大ですね。

  • 初の海堂尊作品。

    映画化された事は知っていましたが、観てはいません。しかし、小説だけで大満足です♪

    医療ミステリーと思って読んだので、ハラハラドキドキ程度を想定していたのですが、やられました◎怒涛の出産シーンでは涙が止まらなくなってしまって(;_;)
    一瞬だけしかこの世に生きていられない子を、命懸けで生み落とす。私も母親ですが、改めて母性について考えさせられました。

    それにしても、主人公の理恵先生を始めとした女性達の何と強いこと。大声で「アッパレ!!」とこれからも大きな戦いを挑む主人公に、エールを贈りながら本を閉じました。

  • 妊娠、出産は奇跡的な出来事なんだと改めて感じられた。代理母出産、体外受精についても考えさせられた一冊。技術の進歩で妊娠、出産の在り方は多様化して、女性にも選択肢が増えているけれど、他の多くの問題と同様に、法が追いつけていない気がしてならない。マドンナヴェルデも読んでみたい!

  • 不妊治療と代理母出産がテーマ。
    近い将来、子供を産みたいと思っているので『妊娠・出産』はとても興味のあるテーマです。
    自分の子供には腕がない、産まれ出てすぐに死んでしまうということを妊娠中に知らされたら、自分ならどうするかな?
    登場人物たちのように強くなれるのかな。と考えさせられました。
    いま考えたところで、それを覆すほどの力が妊娠にはあるのだろうけど。

    4人の妊婦の出産シーンは一気読みでした。
    お産には危険がつきものなんだと分かると同時に、なんの問題もなく私を産んだ母は当たり前じゃないんだなって、改めて思いました。
    行政や地域医療については、もう少し深く理解していきたい。

    『マドンナ・ヴェルデ』ではいろいろな謎も明らかになるみたいだから、絶対読まなくちゃ。
    他の作品とリンクもしてるみたいだし、これから少しずつ海堂作品を読んでいこうと思います。

  • 代理母出産という人類最大の難問に挑む「クール・ウィッチ」の異名を持つ顕微鏡下体外受精のエキスパートである帝華大学医学部の曾根崎理恵助教の強烈な個性がすばらしいです。

    少し前にこの本が映画化されたということで、じゃあその原作でも読んでみようかな、と思い手にしたのがきっかけですが、いやぁ、面白かったです。一気に読んでしまいました。ただ、惜しむらくはこの本の登場人物が出てくるスピンオフの物語を読んでいなかったので、それを読んでいればもう少し深い世界に入っていけたんだろうな、というものがありましたが、後半からは怒涛の展開で、読む人間をあきさせないつくりになっておりました。

    ただ、作者は現役の医師だそうで、そういう立場にいる人間がここまで踏み込んだことを書いていいのかいな?というものもいくつかかかれてあって、そこが面白いといえば面白いのですが…。物語は顕微鏡下体外受精のエキスパートである産婦人科医で帝華大学医学部の曾根崎理恵助教と、その上司である清川吾郎准教授を中心に回っていきます。二人はいわゆる「オトナの関係」でそれを踏まえた上で繰り広げられる大学病院内や会話の流れにはドキドキしましたね。そして彼女が大学での研究のほかにいっている閉院寸前のマリアクリニックで診療をしている五人の妊婦を診ている。ところで大きく展開を迎えます。

    年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていて、そのうちの一人が日本では禁止されている代理出産ではないか?ということに気づいた清川吾郎准教授もさすがですし、最後のほうで、その追及を軽やかにかわしていく曾根崎理恵の姿にもそれぞれの立場や、考え方が交錯する場面で、非常に読んでいて面白かったです。僕はこれから曾根崎理恵や、その家族の物語を読んでいきますが、それはおいおい、ここでアップしていきたいと思っています。

  • 海堂尊さんの医療ミステリ。

    文章のテンポが良く、1時間ほどで読了できる。

    海堂尊さんの本は、全く知ることができない、医療業界の暗黒部分を垣間見せてくれ、興味深いです。
    それでいながら、個性的なキャラクターや軽快な言葉選びによって、重々しい感じを受けず、スーっと読むことができるのは、すごいと思う。

    海堂さんは、小説ならヒトゴトではなく自分のことのように感じてもらえるのではないかと、医療問題を小説にしているそうだが、この試みは、少なくともわたしに対しては成功していると思う。

  • 小説としての出来は星三つをつけますが、ある点について「フィクションだから」と見過ごせなかったので書かせて頂きます。ちなみにネタバレがあるので未読の方は気をつけてください。

    さて、その私が「フィクションだからと流せなかった点」とは、主人公の女医・曾根崎が大学病院からの圧力に対抗するためにかけておいた「保険」です。

    彼女は人工授精による不妊治療の対象であった荒木に、大学病院の准教授である清川の精子と自分の卵子を人工授精させた受精卵を「無断で」植え付け、清川の同意書を捏造する事でそれを「表沙汰になれば大学も巻き込まれるスキャンダル」に仕立て上げることで、大学病院からの圧力を牽制します。

    その事を知った清川と曾根崎の間では当然ながら論戦が勃発します。
    続編の「マドンナ・ヴェルデ」でも、同じくこの事実を知った曾根崎の母との間でも論戦が勃発します。

    そしてどちらの場合においても論戦に勝利し、相手をやり込めるのは曾根崎の方でした。

    「荒木夫妻は自分達の受精卵でこれまで何度も不妊治療に失敗してきた。今度も自分達の受精卵でだけ試していたら、今の子供を抱く喜びも無かったかもしれない」
    「荒木夫妻がそんな事を知りたいと思うのか。そんな事実を暴露しようとしたら、お前の方が荒木夫妻の敵になる」
    「血液型の組み合わせは同じだから通常の検査ではバレない」
    「人間は血が繋がっていない子供だって愛することができる。そうでなくては里親になる人間は出てこない」
    曾根崎は自らを非難する清川や母に対してこう言い放ち、荒木夫妻に対する行いを正当化します。

    要は、「このまま何も知らなければ彼らは幸せでしょ?私がそうしてやったんですよ」って事ですか。何ですかその前時代的パターナリズムは!

    確かに、人間は血の繋がっていない子供でも愛することはできるかもしれません。しかしながらそれは、他人が「血の繋がっていない子供でも愛することができる人はいるんですから、あなたもそうして当然ですよね?」といって勝手に押し付けて良いということにはなりません。

    そもそも、他人の子供でも全く構わない人であれば最初から生命に関わるリスクのある不妊治療や出産などを目指さずに里親になるでしょう。里親になる人は、最初から血の繋がった子供でないことを知った上で、納得してその子の親となります。騙して他人の子供を育てさせるのとは全く意味が違います。

    これを読んで思い出したのは、東野圭吾の「分身」です。この作品でも、人工授精によって産まれた娘が出てきますが、この娘は両親に全く似ていません。そしてある時、母親は偶然見つけた夫の片思いの相手の写真から、娘が夫の片思いの相手に瓜二つであることに気付きます。そしてその母親は、自分が騙されて夫の片思いの相手の娘を産まされたのだと気付き(実際には片思いの相手の娘でなく、クローンなのですが)、娘と無理心中を図るも結局娘を殺すことができずに自分だけ死ぬのです。

    「ジーン・ワルツ」の荒木夫妻は曾根崎・清川のどちらとも面識があるので、例え血液型の組み合わせは大丈夫でも、子供が成長するにつれて曾根崎や清川に似てくることに気付くかもしれません。今の時代、いったん疑いを抱けばDNA鑑定があります。卵子提供者である曾根崎に似てくれば、曾根崎に騙されたのだとすぐ分かるのでまだ良いとして、清川の方に似てしまうと、荒木夫人が不倫の疑いをかけられる可能性すらあります。

    清川との議論の中で、「自分の子供はちゃんと手に入れておいて、荒木夫妻には他人の子供を産ませるなんて許されない」と主張する清川に対し、曾根崎は「私は並行して行っていた自分の人工授精の時も、自分の夫の精子と自分の卵子でつくった受精卵の他に、清川の精子と自分の卵子の受精卵を混入した。... 続きを読む

  • マドンナ・ヴェルデを補う。準主役級のユミは本書でも良い味を出している。帝華大学とマリアクリニックを行き来する展開だが、その奥に理恵医師の黒い計画が進行する。不妊治療、代理母という問題に憤りを感じる彼女の気持ちは理解するが、ここまでやるかという思いも同時に感じる。ユミのお腹にいる胎児が、堕胎するかも知れない彼女の命を救うという場面、その彼を産もうと決心するユミに感じ入った。

  • 自分は男性なので、子供を産む危険性・診療の現場のことなどは正直に言って全く知らない。その為、この本を読んで非常に勉強になったという感想がまず一つ。もう一つは最後に理恵が仕掛けた行動。予想が全くつかなかったので「やられた」という感じの読後感だった。解説を読んで「マドンナ・ヴェルデ」という小説が、ここに出ていたある人の視点から見た物語だということも知ったので、機会を見つけて読んでみたいと思う。

  • 東京のとある大学医学部と、婦人科クリニックを舞台にした妊娠・出産を巡る話。
    霞ヶ関にはうんざりするし、不妊治療をしていた友達がいる身からすると本当に胸が痛いし、取り敢えず子供が無事に生まれるのは奇跡なんだなぁ、としみじみ思う。

  • 再読に気づかずに図書館で借りてきた。冒頭で再読に気づいた。
    代理母出産のことは覚えていたけど、クール・ウィッチが最終的にどうするかは覚えてなかった。
    現実的にこんな医療システムなのかと疑ってしまうけど、おそらく本当なのだろう。
    医療システムだけじゃなくて、他の社会システムも同様なのだろうか?もっと周りに目を向けないといけない。

  • 人間の根源は。代理母出産は祝福か。

  • 不妊治療、産科医院の現実、代理母等、出口が見えない大きな問題に挑んでいるように思えました。
    私が出産した時にはあった産婦人科医院が今はほとんど閉院しています。医師の高齢化という事情もあったとは思いますが、リスクと後継者不足は否めないのではないでしょうか。新たに開業する産婦人科医院は私の近隣地域には一つもありません。少子化も問題ですが、まず安心して産めるところを探さなければならないというのも、子どもを産むことへのハードルの一つになっている気がします。

     閉院を迎えるマリアクリニックの最後の患者はそれぞれ一筋縄ではいかない出産をしますが、どんな状態であれ、生まれてきた命は尊い。今更ながら、この世に生まれてきた命たちの神秘さを思います。
     曾根崎という名前にひっかかるものを感じましたが、やはり理恵さんは『医学のたまご』のカオルくんのママですよね。海堂氏の作品の登場人物の相関図が欲しい(苦笑)

  • 一言で言うと、文字通り「筋が悪い」小説。

    日本一の産科医局を持つ帝華大学(聖○○大?)の助教が、教授に反旗を翻して、痴呆の産婦人科を救うという、最終的には爽快かもしれない作品。

    いつもの海堂節で、巨悪や既得利権をバッサバッサと切りまくるのかと思いきや、あっちもこっちも中途半端でわけがわからない。最後の章までオチを隠していたんだろうけど、そこまでの消化不良感は、他の作品に増してひどい。

    さらに、助教と准教授が不倫してただの、都合の悪い胎児は流産や奇形にしてしまうだの、まさかの4人同時分娩だの、都合が良すぎるストーリーには唖然とする他ない。

    また、「チームバチスタ」で麻酔科医に「そんなことしない」と突っ込まれていた以上に、素人が見ても産科の現状を反映していると思えない、切れ味の悪い文章かつ、発生学の知識も中途半端で、全体になまくら。いつも後半はダラダラの支離滅裂とはいえ、本作は前半から支離滅裂で、かなり読んでいて辛かった。

    いつもの医療行政に対する批判も、いつも以上に空回りしているように思える。根のある部分は、スーパーローテーション批判だけ。地方の医療崩壊や、産科崩壊の本質をついているとは思えない。

    最後の章で若干救われた(ありえないけど)感は無きにしもあらずとはいえ、これが面白くて映画化したの?もうちょっとなんとかならなかったんでしょうかね。

    あと、「ワルツ」が「コドン」というのも、高校生レベルで、そんなもんを遺伝とくっつけるのは、安易すぎる。「遺伝」は、蛋白質をコードしている部分だけじゃない。研究もいまいちだったのかなこの人。

  • 帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた―。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテイメント。<裏表紙>

  • 面白い!一気読み。
    登場人物が出ている他の作品も読みたくなった。

  • 最初は面白かったのですが、半分過ぎたあたりから起こる出来事に無理が生じはじめ、3/4過ぎると、主人公の言動が理解できなくなった。
    実際に授業を受けてるかのような細かい発生学の説明をつまらないと評する人もいるようだが、なかなか教えてもらえる話ではないので、私はよかったと思う。

  • 「それは、神の領域の侵犯だ」「あら、無神論者ではなかったのかしら?」 
    健康で五体満足に生まれ落ちることがどれだけ奇跡的なのか、というお話、だと思う。 
    法律が現実にそぐわなく化石化してると指摘すると、反体制だの反乱だの国家転覆だの言う。 
    現状維持は退化なり。愚かなるかな人類はそのまま滅びるのだ。 
    閑話休題。 
    いずれにせよ現行法に固執しなきゃいけないなんて決まりはないんだから、柔軟に対応して欲しいですね。
    命に対してもっと自由であって欲しいですね。豊かであってほしいです。

  • 結末がいつもながらおもしろい。続編も読むか。

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ジーン・ワルツ (新潮文庫)の作品紹介

帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた-。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。

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