ジーン・ワルツ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101333113

作品紹介・あらすじ

帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた-。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 東京の帝華大学医学部助教、理恵は顕微鏡下体外受精のエキスパート。
    彼女は、女医であり研究者であり、大学で発生学の講義を担当している。
    ここで、妊娠とは、発生とは、出産とは、といった産婦人科医として必要で、一般人にも重要な知識を理解できるように講義する。
    そして、非常勤で閉院近い産婦人科医で妊婦の診察を続ける。最後の患者は、5人。それぞれ妊娠出産に課題があり、妊婦とともにその状況を考えてしまう。
    主題は、代理母出産となっています。
    医学的には可能となった代理母出産の倫理的社会的な課題を提示していきます。
    母親は、誰なのか。
    誰の子供であるか。
    彼女は、体外受精からの代理母出産を医療として認識しています。それだけでなく、生まれてくるすべての子供の医療福祉の根幹を作ろうと地道な準備をしていきます。現状の医療制度に一石を投じます。
    ジーンは、遺伝子。小説も螺旋に絡みながら、なかなか読ませる医療小説でした。

    • おびのりさん
      たけさん、おはようございます。
      あれは、騒動でしたね。
      はいありがとうございます。
      さっそく、フォローさせていただいております。
      よろしくど...
      たけさん、おはようございます。
      あれは、騒動でしたね。
      はいありがとうございます。
      さっそく、フォローさせていただいております。
      よろしくどうぞ♪
      2024/02/07
    • かなさん
      おびのりさん、おはようございます!
      私もこの作品読みました♪
      この作品が高評価なら
      「マドンナ・ヴェルデ」 も楽しく読めると思います!...
      おびのりさん、おはようございます!
      私もこの作品読みました♪
      この作品が高評価なら
      「マドンナ・ヴェルデ」 も楽しく読めると思います!
      よかったら手にしてみてくださいね(*'▽')
      2024/02/07
    • おびのりさん
      かなさん、おはようございます。
      代理母側の話ですよね。
      面白そうです。近いうちに読んでみます。
      いつもありがとうございます♪
      かなさん、おはようございます。
      代理母側の話ですよね。
      面白そうです。近いうちに読んでみます。
      いつもありがとうございます♪
      2024/02/07
  • 定華大学医学部の曾根崎 理恵助教授は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。
    彼女は、大学勤務のほか、閉院間近のマリアクリニックで、5人の妊婦を見ていた。

    それぞれ異なる事情を抱える5人の女性たち。
    果たして、無事、出産まで漕ぎ着けるのか。
    そして、曾根崎助教授には、壮大なカラクリが、、、

    代理母出産に挑むメディカル・ミステリー。
    さすがに、最後の展開は見抜けませんでした。

  • 曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のが専門。理恵は、閉院間近のマリアクリニックでそれぞれ事情を抱えている五人の妊婦を診ている‥。代理母出産という重いテーマだけど、単純に妊娠から出産まで、何事もなく生まれることができるのは奇跡‥読み終えてそう思えました。おすすめの作品です。

  • 医療をめぐる環境の難しさには、共感する部分が多いです。この作品は、医師のモラルが極端に描かれていますが、100%肯定できなくても、100%否定もできない状況に陥ってしまいます。今の医療の問題は一言で語れませんが、少なくとも一生懸命に現場で奮闘されている方々の環境が、少しでも改善されることを願ってやみません。

  • 産婦人医療、不妊治療、代理母についての問題を提起している作品。
    メッセージ性の強い作品だと思います。

    妊娠するということ、無事出産するということ、ということがどれだけの奇跡的なことなのかが語られています。
    また、医療の疲弊。官僚への憤りや不満。世の中一般の人へのメッセージ性、社会問題への提言など、盛りだくさんを感じました。
    ストーリとしては、全体的に冗長なところあり、くどいところありですが、あっというまに読みきりました。

    そんな中で、一番のシーンは、はやり後半の出産シーンです。
    純粋に胸が熱くなりました。

    しかし、最後の告白部分はいただけない。
    倫理的なところもあるし、後味悪すぎです。
    まぁ、そこは小説の中の世界だけだと信じたい

  • 医療の話で難しいけど入り込みやすい海堂尊作品。
    今回もテンポ良く読むことができた。
    改めて生命について考えさせられた作品でした。

  • 「チーム・バチスタの栄光」でヒットした現役医師作家海堂尊の作品で、代理母出産という難問のテーマに挑む作品です。

    純真学園大学 医療工学 教員:大石義英

  • NHKドラマ「マドンナ・ヴェルデ」を見たのがこの本を読もうと思ったきっかけ。
    これが原作かと思って読み始めたら、全然違ったので驚いた。
    原作は別バージョンだったのね~
    代理母出産や人工授精など、いろいろなことを考えさせられる作品だった。
    私は代理母には概ね賛成だけれど、それがビジネスになったときに、いろいろな問題が起きるであろうことは想像できる。
    実際にどこかの国ではビジネスになってるんだよね。
    出産は、母体の命に係わる大変なこと。
    現代ではすごく少なくなったとはいえ、出産で命を落とすお母さんが実際にいること。
    そのリスクを負って、自分の子とはならない子どもを産むことが、どういうことなのか。
    私だったらどうだろうか…
    しかし最後の理恵先生の守りの完璧さには驚いた!
    さすがだわぁ…

  • ドラマ「マドンナ・ヴェルデ」を見たときから原作の「ジーン・ワルツ」が読みたかった。
    図書館で予約してから4ヶ月。ようやく読むことができた。

    チビを妊娠したときに、赤ちゃんが無事に生まれるってなんてすごいことなんだろう!と感動したけど、これを読んで改めて感動。
    まさに、奇跡なんだわ。

    ドラマをみていたから、その内容もリンクさせながら楽しめた。
    次は「マドンナ・ヴェルデ」を読んでみようかな。

    理恵の行為は理論的には問題なかったのかもしれないけど、倫理的には許されることではなかったと思う。
    でも、自分だって同じ立場ならわからない。
    理恵だからできてしまった…としか言いようがない。

    「女って、なんてバカなの」は理恵自身にも向けられているように感じる。

    理恵の手によって、生まれ落ちた子達が成長したときに、何も影響がなければいい。
    タダそれを願う。たぶん、理恵が裁かれるとしたらそのときだ。

    自分が羊水検査を受けるかどうか考えたときに、結果によっては堕胎する。と簡単には決断できなかった。
    たまたま、なんともなかったからよかったけど、もし悪い結果だったら、どうなっていただろうと…考えるだにおそろしい。

    おなかにいて、生きているのを感じているのは母親だから。

    次に出産の機会を迎えたときに、正常分娩ができるとは限らない。
    チビが、五体満足で無事に生まれてきてくれたことがほんとうにありがたい。

    お産って、まだまだ危険な部分が多いんだな。


    んー。海堂作品はいつもいろいろ考えさせられるわ~。

  • 不妊治療と代理母出産がテーマ。
    近い将来、子供を産みたいと思っているので『妊娠・出産』はとても興味のあるテーマです。
    自分の子供には腕がない、産まれ出てすぐに死んでしまうということを妊娠中に知らされたら、自分ならどうするかな?
    登場人物たちのように強くなれるのかな。と考えさせられました。
    いま考えたところで、それを覆すほどの力が妊娠にはあるのだろうけど。

    4人の妊婦の出産シーンは一気読みでした。
    お産には危険がつきものなんだと分かると同時に、なんの問題もなく私を産んだ母は当たり前じゃないんだなって、改めて思いました。
    行政や地域医療については、もう少し深く理解していきたい。

    『マドンナ・ヴェルデ』ではいろいろな謎も明らかになるみたいだから、絶対読まなくちゃ。
    他の作品とリンクもしてるみたいだし、これから少しずつ海堂作品を読んでいこうと思います。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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