- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101333113
感想・レビュー・書評
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官僚によって破壊されつつある医療制度。
特に産科医療は手遅れなまでに崩壊。
そこへただ一人立ち向かおうとする女性医師のお話。
途中までは、説明やら謎めいた展開やらで、
全く面白くありませんでしたが、最後の盛り上がりが良かったです。
官僚を否定しまくる流れが面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マドンナ・ヴェルデを補う。準主役級のユミは本書でも良い味を出している。帝華大学とマリアクリニックを行き来する展開だが、その奥に理恵医師の黒い計画が進行する。不妊治療、代理母という問題に憤りを感じる彼女の気持ちは理解するが、ここまでやるかという思いも同時に感じる。ユミのお腹にいる胎児が、堕胎するかも知れない彼女の命を救うという場面、その彼を産もうと決心するユミに感じ入った。
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東京のとある大学医学部と、婦人科クリニックを舞台にした妊娠・出産を巡る話。
霞ヶ関にはうんざりするし、不妊治療をしていた友達がいる身からすると本当に胸が痛いし、取り敢えず子供が無事に生まれるのは奇跡なんだなぁ、としみじみ思う。 -
再読に気づかずに図書館で借りてきた。冒頭で再読に気づいた。
代理母出産のことは覚えていたけど、クール・ウィッチが最終的にどうするかは覚えてなかった。
現実的にこんな医療システムなのかと疑ってしまうけど、おそらく本当なのだろう。
医療システムだけじゃなくて、他の社会システムも同様なのだろうか?もっと周りに目を向けないといけない。 -
人間の根源は。代理母出産は祝福か。
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不妊治療、産科医院の現実、代理母等、出口が見えない大きな問題に挑んでいるように思えました。
私が出産した時にはあった産婦人科医院が今はほとんど閉院しています。医師の高齢化という事情もあったとは思いますが、リスクと後継者不足は否めないのではないでしょうか。新たに開業する産婦人科医院は私の近隣地域には一つもありません。少子化も問題ですが、まず安心して産めるところを探さなければならないというのも、子どもを産むことへのハードルの一つになっている気がします。
閉院を迎えるマリアクリニックの最後の患者はそれぞれ一筋縄ではいかない出産をしますが、どんな状態であれ、生まれてきた命は尊い。今更ながら、この世に生まれてきた命たちの神秘さを思います。
曾根崎という名前にひっかかるものを感じましたが、やはり理恵さんは『医学のたまご』のカオルくんのママですよね。海堂氏の作品の登場人物の相関図が欲しい(苦笑) -
一言で言うと、文字通り「筋が悪い」小説。
日本一の産科医局を持つ帝華大学(聖○○大?)の助教が、教授に反旗を翻して、痴呆の産婦人科を救うという、最終的には爽快かもしれない作品。
いつもの海堂節で、巨悪や既得利権をバッサバッサと切りまくるのかと思いきや、あっちもこっちも中途半端でわけがわからない。最後の章までオチを隠していたんだろうけど、そこまでの消化不良感は、他の作品に増してひどい。
さらに、助教と准教授が不倫してただの、都合の悪い胎児は流産や奇形にしてしまうだの、まさかの4人同時分娩だの、都合が良すぎるストーリーには唖然とする他ない。
また、「チームバチスタ」で麻酔科医に「そんなことしない」と突っ込まれていた以上に、素人が見ても産科の現状を反映していると思えない、切れ味の悪い文章かつ、発生学の知識も中途半端で、全体になまくら。いつも後半はダラダラの支離滅裂とはいえ、本作は前半から支離滅裂で、かなり読んでいて辛かった。
いつもの医療行政に対する批判も、いつも以上に空回りしているように思える。根のある部分は、スーパーローテーション批判だけ。地方の医療崩壊や、産科崩壊の本質をついているとは思えない。
最後の章で若干救われた(ありえないけど)感は無きにしもあらずとはいえ、これが面白くて映画化したの?もうちょっとなんとかならなかったんでしょうかね。
あと、「ワルツ」が「コドン」というのも、高校生レベルで、そんなもんを遺伝とくっつけるのは、安易すぎる。「遺伝」は、蛋白質をコードしている部分だけじゃない。研究もいまいちだったのかなこの人。 -
帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた―。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテイメント。<裏表紙>
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どこも大変だ。