マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101333120

感想・レビュー・書評

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  • ジーンワルツのスピンオフ作品。ジーンワルツと並行して進んで行くストーリーだが、主役は、年配の女性みどり。タイトル「聖母みどり」を「マドンナ・ヴェルデ」としたところにセンスを感じる。

  • (^^)

  • 代理出産した母・みどり側からの『ジーン・ワルツ』の裏版。

    理恵とその夫の考え方には理解に苦しむ。
    生命って本当に尊いものだと感じた。

    『ジーン・ワルツ』読んでおいたほうがいい。

  • 2016.1.6 ~ 11 読了
     「ジーン・ワルツ」の裏側ストーリーで代理母の視点で物語が展開する。

  • 『ジーン・ワルツ』の内容を今ひとつ思い出せないので感想を述べる資格も無いと思われるのですが、敢えて一言、「あんまり面白くないし不愉快」。
    生命科学的な観点は当然ながら、人間にとっての自己出自に関する認識の不確実さ等深い命題が潜んでいる題材をエンターテイメントとして仕上げようとした作家の試みは評価しないといけないかと。
    それでも本作には「人間」がいないかと。みどりもユミも差し障りなきように配置されたキャラのような感じがして、逆に深刻さというか現実の厳しさを曖昧にし、軽さに終始している。
    率直に言って、このテーマをエンターテイメントにまで昇華させる力量がこの作家には備わっていないのではないかと少なくとも本作からはそう疑わざるを得ない感ありです。

  • 最後は丸く収まったのか・・・
    完全なハッピーエンディングではなく、色々なことが歯がゆく終わる感じは、現実的ではあるが。

    キャリアウーマンの流産、甘利の死産、丸山の秘められた恋etc.短い中に色んなことが散りばめられていた。

    何かが欠けている娘、理解し合っているというその夫。
    ただのヤンキーだと思ったら、意外と真理をつく優しいユミ。

    みどりの気持ちも分からなくもないが、私はやはり理恵のことが理解できる気がする。
    ある種冷めた人生観をもっていることもあり。
    理恵も全くのクール・ウィッチというわけではない。
    四人一斉にお産が始まってしまい、みどりが「理恵ちゃんはこんな大変な中頑張ってるのね」と呟いたところ、ちょっと泣けた。
    理恵も理恵なりに一生懸命なの。


    「娘に辛く当たる親なんていない」というみどりの言葉に対する「そんなこともない」というユミの言葉の裏にある影。

    ユミは両腕のない子供を一人でどう育てていくのか?
    みどりはシッターとしてずっと“かおる”を育ていくのか?双子たちの未来は?
    セント・マリアクリニックの今後は?
    理恵は子供のことを清川には言わないのか?

    続編が書けそうな。もっと知りたいことが盛りだくさん。


    曾根崎伸一郎が想像していた“あの”ステルス・曾根崎よりも人間らしく、意外だった。

  • 代理出産をテーマにした「ジーン・ワルツ」の続編。「ジーン・ワルツ」も読んでみたいです。

  • ジーン・ワルツと間を開けないで読まないと。

  • ジーンワルツのもう一つの話。提供している問題点は、理解できるが、今ひとつ退屈なストーリーであった。

  • 子供にとっての親とは誰を指すのか?

    日本では許可されていない代理出産を、技術を有する産婦人科医が自らの親へ依頼する。
    自身では妊娠が不可能であり、借腹としての女性の存在。
    物理的に子供を腹に宿す女性、卵子を提供した遺伝上の母親としての女性。子供の取り扱い方の考えが異なる場合、子供の親たる権利はどちらへ帰属するのだろうか。

    上記に加え、戸籍上の母親、成育担当女性も親として考えられうる。
    技術が進歩すれば、母親候補は更に増えるのかもしれないが、現段階では4者かと。(父親の場合は借腹を外し、精子提供の男性、成育担当、戸籍上の男性の3者かと)
    個人的な考えでは、成人まで法的な親は戸籍上となり、その後は養子縁組なりで本人の意志により親を決める仕組みがあれば良いと思う。
    選択肢が増えるのは良いと思うが、その中で1つに決めなければいけない場面は往々にしてある。その際に决定指針を早急に整備し、更には少数ケースの場合は机上の空論を適宜修正できる法整備が必要と思われる。(完璧と思われる理論でも、技術の進歩によりこれまで考えられなかったケースが出てくるだろう)

    私の親は、だれ?

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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