ナニワ・モンスター (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.30
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本棚登録 : 1314
感想 : 112
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101333137

作品紹介・あらすじ

浪速府で発生した新型インフルエンザ「キャメル」。致死率の低いウイルスにもかかわらず、報道は過熱の一途を辿り、政府はナニワの経済封鎖を決定する。壊滅的な打撃を受ける関西圏。その裏には霞ヶ関が仕掛けた巨大な陰謀があった――。風雲児・村雨弘毅(ドラゴン)府知事、特捜部のエース・鎌形雅史(カマイタチ)、そして大法螺吹き(スカラムーシュ)・彦根新吾は、この事態にどう動く……? 海堂サーガ、新章開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 海堂氏の本は色々読み、この作品もバチスタシリーズに出てくる人が何人も出てくるのだが、最近は政治的な方向が強く純粋に楽しめ無くなっている。
    最初の方はインフルエンザの話しなので、今のコロナ騒動に関連して臨場感があったが、関西を疲弊させるための仕掛け、となるとなんだか不思議。検察と厚労省の戦いも、解説を読んで初めて、そう言えばそのような事件もあったと思い出す。(リアルタイムで読んでいると予言のような内容とか..)
    後半に行けば行くほど、終着点が見えなくなってくる。[近未来を透視するメディカル・サスペンス」との事だが、どうだろうか?

  • 新型インフルエンザ「キャメル」は、政府が水際対策を取っていたにもかかわらず、第一号が浪速府で発生した。
    しかし、実はキャメルは弱毒性であり、感染対策と称して浪速の経済封鎖をするための口実だったという、大がかりな設定のストーリー。

    初版はかなり前ながら、感染症絡みで面白く読めそうと期待したが、中央政府と浪速府の対立に、厚労省のみならず、地検特捜部まで出てきて、ストーリーは複雑かつ政治色が強すぎて、イマイチ楽しめなかった。

  • 八木啓代のひとりごと 感染症と利権〜あのとき、本当は何が起こっていたか
    http://nobuyoyagi.blog16.fc2.com/blog-entry-797.html

    海堂尊 『ナニワ・モンスター』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/133313/

  • 2009年の豚インフルエンザ流行を元に書かれた小説とのことだが、
    現在のコロナ禍の中で読んでいると色々と考えさせられるものがある。

    個人的にはキャメルの話をもっと掘り下げたものが読んでみたかった。
    この後「アリアドネの弾丸」に続くとのこと。

    マスコミや呑気な一般人にいらいらしてしまった。
    本筋とは関係無いが、緊急事態宣言中で空いているからと遊園地へ来て
    お金がもったいないとジュースも買い与えず子供を『放し飼い』する親が
    コロナ禍中でもいたなぁと思った。

    歴史は繰り返し、多くの人は忘れるからこそ
    過去の事件を元に執筆した小説がまるで未来予知のようになっているのが
    興味深い反面人間の駄目さ加減を改めて自覚させられる。

  •  コロナ前に読み、コロナ禍で真っ先に本書を思い出したが、実際に下地となったのは2009年の新型インフルエンザ騒動だったとのこと。どちらにせよ解説によると、近未来を予言したような内容も散見されたらしい。本書ですっかり村雨府知事ファンになったのだが、その後「日本三分の計」はどうなったのだろうか。桜宮サーガも読み進めなきゃいけないし忙しい。1つのシリーズを続けて読めない飽き性の性格をもう少し直したい。

  • 2021.6.23読了
    2.0
    最初は面白かったのだけど……。
    医療と司法。警察、検察組織などの政治的な関わりが私には難しく、読み進めるのに時間がかかった。
    彦根さんの言ってる事が難解。
    もう少し噛み砕いた説明をして欲しい。
    (私の知識と理解力が低いからなのかな)
    作者の政治的思想が全面に出すぎていて、疲れました……。


  • 今のコロナ騒ぎを見ているかのようだった

  • 舞台を大阪らしき仮想都市に変えても医療行政への問題提起は健在。本書で提起される日本三分割案は橋下元知事がぶち上げた大阪都構想を更に発展させたようなものですが、経済規模がヨーロッパの中規模国と変わらないのならあながち夢物語でもない気がした。
    前半に大活躍した本田女史があまりに呆気なくお役御免になったのは不完全燃焼でした。次作にでも再登場するのかな?

  •  良くも悪くも解説にある通り。
     連載中にリアルタイムで読んでいれば「オオーーー! スゲーーーーッ!」ってなってたかもしれないけど、それから10年が過ぎた今となっては……(´ε`;)ウーン…
     理想と現実の違いが……(´ε`;)ウーン…
     大阪都はともかく、道州制構想か……そんなものもあったっけ……ε- (´ー`*)フッ

     作劇的にも、第一部・街の診療所から始まる「アウトブレイク」サスペンスも、第二部・横山秀夫ばりの厚労省ガサ入れも面白かったのに、作者の政治思想自慢の御開帳「だけ」で終わっちゃった第三部が明らかに浮いてる(>_<)
     お話が起承転結の転、序破急の破で終了してるから、どうにもこうにも読後感はモヤモヤするし……Dr.カイドの本はこういうのが多いから困る(極北クレイマーとか)(>_<)

     好きな人は天まで持ち上げ(橋本氏も今となっては面映ゆかろう)嫌いなやつはどん底まで突き落とす、キャラへの極端な思い入れもまた、いつものDr.カイドらしい(>_<)
     Ai信仰はともかく、よく言えば一刻、悪く言えば視野狭窄の、こういう傾向をもう少し改めない限り、Dr.カイドは「その先(国民的作家へのステップアップ)」に進めないんだろうな……(´ε`;)ウーン…

     正直、桜宮サーガはもういいやって気もしてきた……(´ε`;)ウーン…
     キングだってキャッスルロックもの「だけ」書いてるわけじゃないのにさ……(´ε`;)ウーン…

     まあ、いずれ「スカラムーシュ・ムーン?(こういう厨二病全開のネーミングセンスもいい加減あきてきた)」も惰性で読むだろうけどさ……(´ε`;)ウーン…


    2019/11/09


     

  • 海堂尊の本は何冊も読んだが、医療系は面白いのに政治がらみになると面白くない。この小説は特に前半と後半の内容が違い過ぎて、読破するまでに何度も挫折した。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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