100万回の言い訳 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101334295

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  • デザイン会社に勤めている妻は後輩に負け子供が欲しいと思い夫に話す

    そして準備をしてその日が来た日にマンションの上の部屋が火事が起こって別居生活が始まった

    そして始まる別居生活はお互いの生活がまた戻るまでの短期間のはずだったがそれまでに始まり出会う人々

    ダブル不倫

    飲み屋の女の子の子供の父親を探すことに

    女の子に行きつけの飲み屋の働き口を紹介

    いろいろなことを考え出会い道を歩く

    子供がいなくても着いていかないと決めていたことでも着いていく

    夫婦とは人それぞれ違っていろんな道がある

  • バラバラで登場した人物達が徐々に交わり合うのが面白かった。

    地上波ドラマの不倫ものとは違って、不倫した側に派手な天罰がくだることはなく、大袈裟な修羅場もない。
    お互い、パートナーのちょっとした反応の違和感に気づくけれど深くは踏み入れない……それが妙に現実的でちょっと怖かった。

    離れて暮らすのが快適なのは、いつでも戻れる場所があるからなんだろうな。と思った。夫婦の距離感は難しい。
    特に子無しの夫婦は、我が子を育てるといったような共通の目的が無い。お互い向かい合っていたらぶつかるし、背中合わせでも別々の方向を向いていたら簡単に離れていってしまう。
    良い夫婦関係を保つためには、その他の人間関係と同じで少なからず努力が必要だと思う。
    この小説を読んで、夫婦って何だろう、とますます答えが見つからなくなりそうになったけれど、白黒はっきりするのは無理なんだろうなぁ。

  • 夫婦の話でありながら、恋愛小説でもある作品。

    主人公の結子は士郎と結婚して7年。
    40歳を迎えるころで、子どもを持つならそろそろタイムリミットが迫っている。
    今まで子どもを欲しいとか欲しくないとか考えていなかったのに、突然子どものことを考え始めたのは、自分のデザインが後輩に負けたことのショックからかもしれない。

    夫の士郎は、今の生活に特に不満があるわけでもなく、結子が子どもを欲しいのなら、それもいいだろうという程度の覚悟とも言えない思いでそれを受け入れるが、いざ、排卵日になり、まっすぐ家に帰りたくない自分に気がつく。

    その日、ふたりの住むマンションの上階の部屋が火事を起こし、消火活動により、ふたりの家は水浸しになる。
    家電は全滅、家具も衣服も本もびしょぬれで使い物にならなくなったため、当面二人は別々に暮らすことにする。
    結子は実家で、士郎は会社の独身寮で。

    仲のいい夫婦なんだと思うのだけど、別居した途端にそれぞれが別の異性と深い関係になるっていうのが、安直だなあ、と。
    それなら世の単身赴任家庭は、みんなそうだというわけ?
    私が知らないだけ?…かもな。

    それで、複雑になった人間関係が、後半あっという間にうまい事解消し、ふたりも新たな日々に向かって前向きに終わるので、愛憎どろどろでないところがわたし的には読みやすかった。
    というか、結構前のめりに一気に読んだ。
    面白かった。

    どんな選択をしたとしても、選ばなかった方の人生に多少の未練はつきものだ。
    それに、100万回もの言い訳をしながら自分を納得させることで、人は進んでいくのだ。
    自由という拘束の中で。
    唯一、自由とは言えない人生を送ってきた志木子が、最後に自分の意志で選択した人生は、傍から見たら苦労の塊かもしれないけれど、彼女は決して言い訳なんかしないと思うわ。

  • 夫婦の在り方を模索する2人から派生し、それぞれの登場人物からの視点で物語が展開していく。
    バラバラに思えたそれぞれが交わり、結局最後は落ち着くとこに落ち着いて。
    人生って真っ当ではないけど、何が正しいのか分かんないけど、まぁそれでもいいんじゃないかなって。男女の欲望をシンプルに、それでいていやらしくなく、的確に表現してくれる唯川恵さんがやっぱり好き。

  • 結婚もしていないが、夫婦とはと考えながら読んだ
    不倫する気持ちが丁寧に描かれすぎていてつらい

  • 子どもがいない夫婦の士郎と結子。上階の住人の失火で賃貸の部屋が水浸しになったことから別居生活になり、それぞれ浮気をスタートさせる。
    という受け入れられない人は受け入れられない設定かも。
    個人的には、不倫なんて他人が口を挟むことではないので構わないが、綺麗事にするのは好きでない派、かな(出会うタイミングが違ったのーとかね失笑)。そういう意味ではこの夫婦がどういう状態にあってなぜ浮気(不倫)を実行してしまうのかはわりと自然で理解できる気がする(とは言え冷静に見たら、まぁ、アレだけど)。

  • ★購入済み★

  • 片思い、セフレ、夫婦、不倫と色々なかたちの恋愛が絡み合っていて最後まで飽きずに読めました。自分でもなんとなく考えてるけどうまく言葉にできないことを的確に言い表してくれてる本でした。登場人物に共感しまくりました。最後は夫婦の在り方ってこんな感じでもいいのかって安心できました。

  • ミステリーではないものの、登場人物が様々に絡み合ってて良かった

  • この本を読んだ今の私は学生だから、何十年後かに読み返した時はきっとまた違う感想を持つと思う。その感想の違いを見つけるのが楽しみだから、この先もずっと持っていたい本。

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