霧町ロマンティカ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101334370

作品紹介・あらすじ

霧の町、軽井沢。航空会社をリストラされた岳夫は、父親が遺した古い別荘で一人暮らすため、東京から越してきた。自由と不安の間に揺れる彼の新生活は、次々と立ち現れる女たちに翻弄される。誘いをかけてくる人妻、知的な女性獣医、ワケありらしい小料理屋の女将と、その十九歳の娘――。したたかで魅力的な女たちと運命に漂う男の恋愛ラプソディ。『途方もなく霧は流れる』改題。

感想・レビュー・書評

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  • ミステリーや心がほんわかする小説は大好き。
    そして、そして、恋愛小説も大好き!
    そんなわけで唯川さんも大好き!
    といいつつも、まだ唯川さんの本は11冊読んだだけですが…
    読み始めてすぐ、今回はいつもの唯川さんの恋愛小説とちょっと違う?と。
    この本の主人公は男性。
    唯川さんの小説で男性が主人公になることは珍しいことらしいのだが…
    読後に解説を読んでみてその謎が解けた~(笑)
    これが男性読者が多い「週刊新潮」に連載されていたからだとか。
    なるほど…

    梶木岳夫は49歳で航空会社をリストラされる。
    既に妻子とは別れていた岳夫は、仕事、そして恋人も失う。
    東京を引き払い、父が残した軽井沢の別荘で新しいスタートを切る。
    現実の厳しさをひしひしと感じつつも、新たな女性との出会いがあり、愛犬となるロクとの出会いと別れがあり…
    ラストはちょっと胸が痛かった…

    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      わあ、私も同じです!
      ミステリーや心がほんわかする小説大好き♪
      唯川さんも大好き♪

      ...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      わあ、私も同じです!
      ミステリーや心がほんわかする小説大好き♪
      唯川さんも大好き♪

      そして恋愛小説も大好きだったはずなのに~。
      最近は乙女心のトキメキをどこかに置いてきてしまって(笑)
      そんなことではだめですね~。

      azu-azumyさんの本棚で、唯川さん熱が再燃しつつあります。
      2015/12/15
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは~♪

      コメントありがとうございます!
      杜のうさこさんもミステリー、ほんわか小説、そして唯川さんが大好き~と...
      杜のうさこさん、こんにちは~♪

      コメントありがとうございます!
      杜のうさこさんもミステリー、ほんわか小説、そして唯川さんが大好き~とのことで
      とってもうれしくなりました!

      私は若いころからず~っと恋愛小説が大好き、
      有川浩さんのラブコメなんかも大好きで~
      未だに胸をキュンキュンいわせてますが…
      それもいかがなものかと思いつつ、最近では開き直ってまーす(笑)
      2015/12/17
  • 読了感がめちゃくちゃ良い。不倫モノなのに何故か嫌な気分にならない。

  • 6自然と犬とあったかい隣人たち

  • 離婚しリストラに会い退職金と失業保険で昔父親が建てた軽井沢のロッジにやってきた梶木岳夫49歳の物語。ホームセンターの女性店員、その母親が営む小料理屋「しののめ」の女将、キャリア官僚の妻である官能的な女性、知的な女性獣医などに囲まれながら少しずつ軽井沢の町になじんでいく。でも、一番寄り添って暮らしたのは、愛犬ロクだと思います。女性獣医の言葉:獣医になって、わかるようになりました。飼い主さんの犬を思う気持ちはもちろんですけど、犬の飼い主さんを思いやる深さにはいつも胸を打たれます。唯川恵 著「霧町ロマンティカ」

  • 定年退職後の理想的な生活を描いた作品です。
    羨ましいデス

  • 改題される前に1度読んでいたのを気付かず買ったけどまた読んでしまった…やはり唯川さんはおもしろい。


    「あなたは私が勝手に付いて来た、というスタンスを取りたかったんでしょう?だって、来て欲しいなんて言って、あとで私にこんなはずじゃなかったって文句を言われたくないもの。」

  • この本を読見終える少し前に、友人の父親が亡くなったことを聞かされていた。あまりに突然の死に対し、友人は驚くほど普通の態度だった。そのことに私は戸惑っていた。

    人はいつか人生を終える。

    中年の50歳の主人公、岳夫は勤めていた会社のリストラに遭い、定年前に職も家族も失い独り身になってしまう。そこで訪れた軽井沢の古い家に引っ越すことになるが、幼少期行方不明だった父の謎や、その地で出会うさまざまな人たちと関わるうちに次第に心境が変化してゆく。

    ラストでは、物語始めから一緒だった捨て犬のロクが亡くなって行くまでが感動的だ。ロクの寿命が近づくと共に、周りの人たちとの別れや新たな決断が印象的である。

    「過ちは誰にだってあるだろう。俺だって過ちばかりの人生を送ってきた。でも、人には過ちを償うチャンスもあるんじゃないのかな。」
    「生きるって何なんだ。死ぬって何なんだ。俺はこれからの人生を青臭く生きようと思う。」

    物語冒頭では生きる活力すらなくしていた岳夫がロクを通じて生きることにもがき、意味を模索しているシーンが感動的だった。

    私も、ふと友人のことを思い出した。置いて行く者、置いていかれる者、互いにどんな気持ちだったのだろう。どんな気持ちで別れていったのだろう。普段通り毅然と振舞っていた友人の隠れた本心は。彼女はどんな景色を見て、どんな思いを感じていたのだろう。

    私はまだ20代だけど、いつかは老いていく。今だって十分人生を模索しているけど、まだまだ終わりじゃない。安定な人生なんてない。これからも選択の連続だ。でもだから生きるって面白いんじゃないか。

    山に例えるなら、私はまだがむしゃらに頂上を目指して登っている途中。岳夫は山を下山しているところだろう。意外と登る方が簡単で何も考えずただ突き進んでいけばいい。下る方が転んだら怪我は大きいし、足だってもつれやすいし、後半の人生のほうがより慎重に行かなきゃって思ったりする。同時に今まで登ってきた道を振り返りながら、逆にこれからどんな道を行くのか未知の若者とすれ違いながら、自分のことだけでなく若者とも関わりながら、自分のことだけでなくいろんな人と関わって生きていく、なかなか難しく面白い年代なのかもしれない。

    生きること、人生の選択、そして希望。
    実に読み応えのある力強い小説だった。
    いつかまた自分が中年になったころ読んでみたい。きっと今とは違った心境でこの物語を楽しめることだろう。

  • 50にもなる男性がリストラの末に軽井沢に移り住む。
    小料理屋に通い、迷い犬を飼い始め、薪を割って…となんとも優雅な毎日。
    周りに素敵な女性達に囲まれてこんな生活ができたら それも悪くないのかな

    つまの仕事があうまくいき、それが夫の不満に繋がり妻とうまくいかなくなるのは男の人あるあるだ

  • 唯川作品にしては珍しい男性目線でのお話。
    軽井沢にやってくるまでの複雑な事情、生い立ち。不思議なめぐり合わせに愛犬との出会い、別れ。
    決して盛り上がりのあるストーリーではなかったけれど、ゆり子や恵理親子、第一印象最悪だった岡野、終盤で新事実を解明するきっかけになる國田…
    脇役のキャラクターの人間味が味があって、とてもよかった。

    しいていうならば、実際の移住はこんなにうまくいかないよなぁ〜
    都会から田舎に移住するのが流行っているようだけれど、実際は田舎の生活にカルチャーショックを受けて、リタイアする人も多い…ましてやこんなによそ者を受け入れるだろうか…などと、田舎に住む身としてはちょっと都合が良すぎるな、なんて思いました笑。
    もちろん創作なので全然いいと思いますけど…ね!

  • また読みたい。
    10年後とかに読みたい。

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