世界中が雨だったら (新潮文庫 い 92-1)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 594
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101334714

作品紹介・あらすじ

「さよなら、姉さん」両親から蔑ろにされ、級友から虐められ続けたナイーヴな少年。「生きるのよ。いつだって、わたしはあなたの味方だから」世界の果てまで追いつめられた彼の孤独に、たった一人の理解者だった姉の願いは届くのか-。限りなき絶望、喪失の予感、その果ての静かな哀しみ。恋愛小説の名手が、心の裡をさらけ出した表題作を含む3編。最初で最後の個人的な作品集。

感想・レビュー・書評

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  • どのお話も死がまとわりついている。
    恋愛恋愛している小説と思っていたらそうでもなかったので良かったです。
    「琥珀の中に」が好き。黄みがかかったレジンの中に浮かぶ男…ちょっと狂気です。
    市川さんが障害をお持ちだと初めて知ったので、こんな男性が出てくるこの作品集が個人的なものだとされてたのが分かりました。

  • 『いま会いにいきます』のイメージで読み始めてしまったので、少々戸惑ってしまった。
    今回は、サスペンスものだったこともあり、著者の描いていた作品イメージからは全く違っていた。3編の作品では、やはりタイトル作品が個人的には一番好き。しっとりしたテンポの中で少しだけ希望がもてたことも理由の1つだろうか・・・

    市川 拓司ファンには、裏切られた感はあったかもしれないが、
    やはり、読み続けていきたい作者には変わらないかな。

  • 最近久しく市川さんの作品を読んでいなかったなぁ、と
    古本屋さんで目に付いたのですが、
    読み始めてみたところ、以前に読んだことがあったという
    稀に起こる再読本となりました。笑
    ※しかも、ハードカバーで読んだ気がしてならず。。。


    「いま、会いにゆきます」などのイメージや期待で読み始めると
    良くも悪くも期待を裏切られてしまう1冊。
    暖かい気持ちになるというよりも、人間の冷たい部分が描かれていて
    救われないような虚無感にとらわれてしまうようでした。

    死を取り扱っている作品で、タイトルの爽やかなイメージとはちょっと異なる1冊。

  • いつもの市川拓司さんっぽく無い3編の話
    3編共ににダークな話

    琥珀の中に:いつもの話っぽいけど違かった。途中読めたけど、最後は裏切られたかな。

    世界中が雨だったら:ずっと回りくどい言い回しだったけど、後編は納得。

    循環不安:⭐︎1 ハラハラはしたけど好きじゃない

  • 3作品ともとてもおもしろい。この作者の作品はとても凝った設定で楽しませてくれる。特に循環不安というストーリー、非常にハラハラさせられる。

  • 「恋愛寫眞」「いま、会いに行きます」の次に読んだ市川さんの作品。
    勝手にいままでの2冊のようなのを想像してたから、
    救いのなさに絶望して、読んでる数日はずーーーーーーんとなりました。
    勝手な自分の期待なのにね。

    優しい人になりたいと思ってる数年ですが、結局、「普通の人」に対してしか優しくなろうとしないら自分なんだな…。

  • 著者が市川拓司なので、ベタベタな本を想像していたのだが(そういうかんじのタイトルだし)、まんまとだまされた。
    ちょっと「若書き」かな、という印象はあるが、まずまずの一冊。

  • 市川さんにしては少し怖いというか、異質な作品だ。表題作は「確かに」と納得のいく話だった。いじめられ、それを確かめ、そのために自殺未遂。確か死ななかったはずだ。
    彼の姉はとても弟想いな人だ。2人の視点から描かれていたので、お互いの気持ち等がわかりやすかった。
    この本の中の犯罪は許されている。いや、許されているわけではないが、やむをえない事情で人を殺め、そしてバレずに立ち直った人生を生きていっている。現実ではありえないことだ。だからこそ、最初で最後の個人的な作品集なのかもしれない。

  • 280304読了。きれいな世界観に浸りたくて選んだら裏切られた。でもどこか現実味のない雰囲気は残してる感じ。

  • 学園のマドンナが夏休み明けにおデブになって登校。
    彼女にあこがれていた僕は、なんだかんだで恋人になれるんだけど、彼女は義父に性的虐待を受けていて、その義父を殺して水槽に入れていたので、それなら透明樹脂で覆っちゃえっていう『琥珀の中に』と

    学校でいじめを受けていたお姉ちゃんっ子の少年がネットを使ったマニアックな方法で自殺を図るけど死ななかった『世界中が雨だったら』と

    お見合いで知り合ったお姉さん&担当者の女性を殺した精神不安定なお兄ちゃんが、どう考えてもバレないほうがおかしい形で死体遺棄をもくろむ『循環不安』

    以上3作品の短編集。
    恋愛モノよりもわくわく感はあったけれど、精神を病んでいる人ばかり出てくるし、根本的な解決とかはないし、保冷剤で死体を保存ってそもそも甘いし、まぁ気軽に読むお話ですね。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。獨協大学卒業。'97年からインターネット上で小説を発表。2002年1月、「Separation」で出版デビュー、いきなり同作がTVドラマ化される。次作「いま、会いにゆきます」は映画化され、100万部を超えるベストセラーに。他の著書に「恋愛寫眞――もうひとつの物語」「そのときは彼によろしく」「弘海――息子が海に還る朝」「世界中が雨だったら」がある。

「2009年 『きみはぼくの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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