異端の大義〈下〉 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101335735

感想・レビュー・書評

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  • 三洋電機をモチーフにしたビジネス小説
    残念ながら、上下巻あわせてちょっといまいち。
    しかし、下巻は盛り上がります。

    主人公はさらに門外漢の営業へ!厳しい人事です。
    そして、結局は転職を決意しますが、MBAを持っていながら転職が難しい!!
    これは、正直びっくり。

    本書の中では、会社の危機がわかっていながらも転職しなかった決断力の甘さが指摘されています。
    そして、会社に甘えていた姿勢が糾弾されています。
    なるほどと思いました。

    さらに、そもそも会社の従業員、役員たちの会社に対する甘えが会社を傾ける原因になっていること。
    また、会社は人で成り立っていることをおざなりにしていること。
    そういったことを警告する物語となっています。
    自分たちはどうなのか?考えさせられます。

    日本企業に警告を鳴らしている感じです。

    主人公は、結局は転職し中国で働き始め、最終的には元会社の建て直しに携わることに。
    この辺はいかにもって感じですね。

    ということで、下巻はかなり動きがあって面白いですし、メッセージ性もあり、楡さんの本領発揮なところが多いです。
    ただ、上下巻ということでは、ちょっと期待値をしたまわります。
    小説というより警告として読むべき本なのでしょう。

  • 後半になればなるほど
    読ませてくれますね!!
    深いですわ~

    日本独特の企業にありがちな嫌~なところを
    見事に取り上げつつ

    いつ、企業が廃退していくか
    いつ何があるかわからないぜ~と
    感じさせます。
    仕事、組織、人間関係と難しいんですが・・・
    よく書かれた企業経済小説だと思います。

    立場が違えど
    いろいろと考える視点から取り組むことも違うのはわかるんですが
    この小説では、昭和の復興した日本を
    昔の良い部分と悪い部分の日本
    今(現在)の再生にかけた日本の企業のありかたとは。

    ちょっと文章が長い感じはしますが
    太い経済小説でした

    GOOD!

    モデルのSANYOは気になるのは当然ですけど
    松下電器(パナソニック)
    頑張って行きましょう!!

  • バブル絶頂期日の丸半導体として世界を席巻した日本企業。僅か10年でコスト競争に晒され厳しい生き残り競争を強いられる。時代背景は90年代。国際競争力が弱くなった日本企業の問題点及び強いメッセージを作者の深い洞察力によって小説に託す。主人公は大手家電メーカーに勤める海外帰任者。リストラと企業再生。時代に翻弄され正義感溢れる主人公が邁進した先は−−。テーマは企業の現地化に伴う生産拠点の海外シフトと国内製造及び経済の空洞化に伴うジレンマ。現在の日本企業の苦悩を予告したかのような作品。小説同様日本企業の再生に貢献したいものだ。そういえば「孫正義の二乗の法則」に記述されていた結果を出す為の組織のあるべき姿がほぼ等価。相変わらず唸るアイデア。脱帽です☆彡

  • 解説にも書いてあったけど、丁寧に取材をして現実とフィクションの間がうまく描かれていると思う。
    結末は小説的だけど、実際にありそうな話だし面白かった。

著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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