ホリー・ガーデン (新潮文庫)

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著者 : 江國香織
  • 新潮社 (1998年3月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339146

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ホリー・ガーデン (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  かきあげ前髪にパンツルックでビシッと決めてる静枝が甘ったれで、ゆるふわショートボブでビーズアクセが似合ってしまう果歩が実は大人というのが対照的でおもしろかったです。
     静枝・芹沢という終始ろくでもない2人――ブーメラン発言女(不倫、保健室)と愛人コントロール男――を当て馬に果歩・中野の関係が描かれているってことは、やっぱり江國さんは性愛がなくとも成立する関係性が理想だと考えているのかな? もちろん、それは現実に即さない、ロマンチックに過ぎる考えかただと断じる人はいるのだろうけど、個人的にはとても共感できる気がします。というか好きです。
     ときおりポンと出てくる江國さんの毒気で、静枝がどんどんこきおろされてゆくのは読んでいて痛快ではありました。でも、自らの未熟さや至らなさを言葉を使って正当化してしまうのは楽だし、気持ちの良いこと。やっぱ他人事じゃない。我がふりも直さなくてはなーという気持ちになりました。
     あと中野が報われてホントよかった!

  • この本を読んだあと、ベートーベンを聴きながら、紅茶を飲みたくなりました。
    江國さんの小説に出てくる固有名詞は、何か特別魅力的なものに思えて、雑誌をパラパラめくっているような心地よさを感じます。

  • 江國さんの小説に出てくる、ちょっとこまったちゃんな女性がとてもすき。
    だから、果歩はとても魅力的だと思った。

    過去に果歩の不倫を責めて、でも現在自分は不倫の恋を真実だと思って幸せに浸っている静枝。わたしは果歩がすきなぶん、静枝をすきになることはできなかった。
    美術室で珈琲を飲むのは、いいなあ。笑

    親友なのに、会うとぴりぴりした雰囲気になるふたり、この関係はよくわからないなぁと思った。

    それよりも中野くん…!
    女性同様、江國さんの小説に出てくる男性にもとてもときめく。
    中野くんに、はやくお嫁にもらってあげないと、と思われたい!笑

  • 高校生の時に初めて読んで、「よく分からないな」と思い、定期的に読み返していたけれどもそれでもやっぱりよく分からなかった『ホリー・ガーデン』。25歳になって、やっとすとんと心に落ちてきて、好きだなと思えるようになりました。

    中野くんがいい。すごくいい。特に合鍵を返すあたり、そのあとおどけて話すあたり。とても素敵な人物です。中野くんみたいな人が身近にひとりいるだけで、とてもとても救われるんだろうなと思う。悪い考えかもしれないけれど。

  • 大人になってしまった女同士には友情は成立しないと思っている。主人公二人の間にあるのはもっと別の感情なのではないだろうか。触れてはいけない問題が多すぎて、いつの間にか不可侵条約が出来ている。でもどうでもいいわけじゃない。
    女と言う生き物の不可思議、哀しみ、おかしさ。
    本当に幸せな女なんて世の中にはいないのじゃないか、でもそれは別にひどい事では無くて、非常に自由な事なのかもしれない。

  • タイプの違う果歩と静枝、
    どちらの女性も、自分にも似た部分があって
    イヤな女だなと思うw

    そしてどちらの女性にも共感よりも、
    心配してつっこみたくなってしまいます。

    静枝が、果歩の過去の男・津久井について
    さんざん、どうしてあんな男と付き合っていたのかと
    不満に思っていた描写が多いけれども、
    静枝の不倫相手芹沢に会った果歩が、
    気障な古い笑顔だと思うところが面白かった。
    (そうそう、女友達のカレって、
    恋愛の渦中にある本人は素敵だと思ってても
    友達から見ればあんまり大したことないものだもん。)

    私は、津久井なんかよりも
    芹沢のほうがずるくて卑劣な人だと思う。

    芹沢と付き合うことで、
    どんどん自分を向上させて
    どれだけ変わったかを楽しむ静枝は
    前向きだと思うけれど、
    向上させ続ける恋愛なんて、
    無理して言い聞かせてるようで、
    恋愛感情がなくても寝てしまう果歩よりも、
    静枝のほうが痛々しく感じました。

    静枝は、果歩の中野を保健室呼ばわりするけれど
    静枝の元カレの祥之介の存在も同じようなものだから、
    果歩がいう、「精神的なお友達はいやらしい」は尤もだと思うし、
    芹沢同様、静枝もずるさを持っている。

    今は静枝も20代で若いけれど、
    30代、40代になったときにも関係は続いているのだろうか。
    芹沢は静枝と同じように
    結婚はしなくても別荘で人生のパートナーとして
    過ごすつもりはあるのだろうか。

    芹沢にはおそらくないだろうな、
    なんて、余計な心配をしてしまうのは
    自分がもう(家庭に入って子どもがいて)恋愛現役世代じゃなく、
    恋が遠ざかってしまってるせいかも。
    既におばちゃん目線だな。

    中野くんも、果歩のワガママを全て受け入れてくれそうだけれど、
    果歩はこども好きだと思ってたり、
    本質を全くみえてないところが心配だ。
    象足のほうがよっぽど果歩を理解しているのかもしれない。

    二人ともこれからまたどうなるのかは分からない
    渦中を描いた小説ですが、

    ラスト、
    (さんざん静枝は果歩の心配をして
    おせっかいをしようとしてきたけれど)
    果歩自らが秘蔵のティーカップを出して
    津久井との過去を乗り越えたのは、
    とてもよかったと思えました。

  • ちょうど人間的に一番荒んでた時期に読んだ一作。
    この人の影響を一番受けてるのではなかろうか。
    そのくらいに読み返して、いまやカバーは破れてしまっている。

    夢の中で生きている果歩も、現実に足をつけつつ逃避した生活を送っている静枝も、自分の中にいる。

    結局は、その無駄さえも糧なのよってことなんだろうけど。

  • 自分の生活とかけ離れた小説を読むことが多いので、
    日常生活を書いているこの小説は新鮮だった。

    一つ一つの心情や状況についての表現が豊富。

  • 煙草が吸いたくなる。
    カフェオレボウルで紅茶が飲みたくなる。
    美味しいご飯を作りたくなる。

  • 10年以上のお付き合いをしている
    大好きなお話

    中野くんや果歩のように
    大人を楽しむことを想像していたら
    いつの間にか年を追い越し母になっていた

  • 前々から少しずつ読んできましたが、もうギブです「ホリー・ガーデン」。無理。だるい。作者は「無駄なことを大切にした」くてこれ書いたらしいけど無理。だらだらしすぎ。去年の春頃に読んだときは半分もいかなかったから、今年は少し進歩。四分の三くらい読めた。高校のときクラスの女の子に「江國さんの本は好き嫌い分かれるもんねー」と言われたけど俺は明らかに後者。あんなだらだらしたわけのわからん本の何処がよいのだと主張したら、女心をわかっておらんと一蹴されました。知るか。司馬遼太郎をオジン臭いとか言うし。わかっておらんのはどっちだ?あー、懐かしいなあ。「竜馬がゆく」を読んで日本史受験しようとか決めたんだよなあ。あの頃からたんじゅ「竜馬がゆく」についてあれこれ言うのは恐れ多いから一言だけ。10代のうちに読んでおくといいかも。特に野郎!

  • 妙に好きで、何度か読み返してる。作中に引用されてる詩も気に入って「尾形亀之助詩集」(思潮社)も入手。
    例によって例の如くステキ女子的さらさらオサレ文章で、訳ありに紅茶茶碗(ティーカップって言わないのがオサレ)をしまいこんでカフェオレボウル(湯呑みとか汁椀じゃないのがオサレ)で紅茶をいただく果歩ちゃんの日々がたらたらゆるゆる描かれる。
    一見何ごとも起こらなげに平穏な毎日なんだけど、まあこの果歩が痛々しいほどに必死の努力でへらへら過ごしているっていうのがヒリヒリと伝わってくる。オサレ文章のくせに。
    果歩の意固地っぷりがミョーに好ましくって気に入っている。気分とか感情とか訳のわからない厄介なものに凛々しく逆らいつつも誠実に向き合う素直さ、自分に嘘をつこうとしてつき通せない不器用さみたいなもの。勇ましくっていじらしい。

    静枝っていう人物がまた、強くてカタそうで男前なようでいながらもぬるくて通俗で偽善なアンバランスだったりして、特に芹沢への忠誠っぷりとか祥之介ほか友人との微温な付き合いが偽善っぽく感じる。それはそれで果歩と好対照でキいてる立ち位置。
    全然好きじゃないけど、自分にもこういう甘いとこあるんだろうなーなんていう後ろ暗さを感じて、いいコぶりたい=自分に媚びたい自分にまたムカつく(笑)。


    話のヤマ場とかオチみたいな筋立ての起伏ではなくって、ひたすら気分とか雰囲気のふわふわした描写。
    そのふわふわ加減とか柔らかさや揺らぐ様子が、華奢な文章で描写されてて、喉ごしよくつるつるさらさら読めてしまうけれど、実は非常に過激で激烈な毒が仕込まれてんじゃないか、と思ったりする。「薔薇の木枇杷の木檸檬の木」は、よりそんな印象が強い。

    で、その毒を服用させるために嫌みなくらいのオサレでつるさらな文章が選択されてるのかなあ、とも思って、オサレ江國怖っ! て戦慄。

  • 友達ってフクザツ。

  • ただただ、中野くんみたいな人に出会えたらいいなと思う。そして果歩のつくるご飯がとても美味しそう。

  • 起伏の欠落した文がだらだらだらだらと並びオチもなくぶつ切れる内容。
    長い割には恋愛も友情も人間も描けてない。

    風呂場で紅茶茶碗を割るって、別れ話出た途端食器をわざわざ風呂場へ運んだってことだろうか。行動が珍妙。
    果歩と静枝キャラ分けた意味あるのかなというくらい同じようなキャラクターに見えた。男達も同様。

  • 五年前の恋人との恋愛から抜け出せない果歩を見守る、小学生からの付き合いの友人静枝との友情と、果歩に想いを寄せる中野の恋の物語。
    江國さんらしい文体で、ゆっくりと丁寧に描かれていて満足。そこまで深入りはしなかった。

  • 単行本版を登録して、レビューを書き続けていましたが、文字数オーバーのため書き込めなかったので、文庫本ーだいぶ前に友人に進呈して手元にはありませんがーを登録してレビューを書くことにしました。どれだけホリーガーデンに固執しているのやら。

    さて!今日のトピック。ホリーガーデンのほぼ最後の部分で、姪の今日子ちゃんが果歩に読んで欲しいといった本のこと。

    さむいくらいよるでした。きがかぜでひゅうひゅうほえているよ。

    今日子ちゃんによる引用部分はこの部分で、引用元の作品が判明!それはアーノルドローベルのかえる君シリーズの「ふたりはきょうも」の「がたがた」でした!いやー、かえる君シリーズだったとは!丁度小1の三男が学校で借りてきてまして。見覚えのあるフレーズに、即座にホリーガーデンと見比べましたよ。さすが、しっかり者の今日子ちゃん、5歳でかえるくんシリーズを読んでいるとは^o^。

  • 2017/01
    不倫ネタが多くて江國作品を受け付けなくなっていたのですが、文章が好きで、また手に取りました。
    なぜか読むと落ち着く。
    汚い世界も、柔らかく素敵なものに見える気がします。

  • 学生の時読んだ本、再読。
    果歩の姉の今日子姉さんが気になって仕方ない。「昔から何でも上手く出来る優等生」なのに「バツイチ子持ちでしかも親と同居」という超超超地雷物件と結婚って・・・すごいブス?実家が酷すぎて居たくなかったの?しかも眼科医の柴原に「この男は何だってこんなにすかしているのだろう」とか考える辺り結構鋭い気がする。果歩と中野と津久井どうでもいい。静江と芹沢どうでもいい。今日子姉さん、気になります。

  • こいつ、ばかじゃないかしら、と静枝は思った。少なくとも私たちは、何でもぶつけあえばいいなどという単純なやり方で、友情をあつかったことは一度もない。


    最大の問題点は、こんな風に常に平穏に暮らしていることだ。調和がとれすぎているのだ。穏やかな口調、穏やかな表情。だいたい、こんなに家庭的な献立てのならぶ食卓だって、穏やかすぎてどこか不自然だ。とりつく島のない感じ、というのだろうか。自足しすぎていると静枝は思う。



    果歩はこういうことが好きだった。これをしてあれをしてそれをして、そのあいだにこっちをこうしておいてー。余計なことを考えずに済む作業。



    果歩は中野を所有した覚えなどなかった。いったん所有したものは失う危険があるけれど、所有していないものを失うはずがないではないか。だからこそ一切所有しないで暮らしてきたのだし、ともかく自分がいま中野を失うはずはない、と、できる限りの理屈をかきあつめて果歩は思った。

  • 果歩の日々を送る生活(と幼なじみである静枝との関わり)を描いているのだけれど、とてもゆるやかな物語だった。

    おかしな例えだけど、蛇口から水がポタッポタッと流れているけれど、それをそのままにしたままみたいな。
    それでも許されているような。
    江國さんのストーリーはとてもゆったりしている。

  • ここ12年でずっと一番好きな本。
    何度読んでもまた読みたくなるし、歳を重ねるにつれて、実感を伴って理解できる部分が増えて行くのも嬉しい。

  • 20160726
    久々に江國香織さんの本を読みました。
    果歩と静枝。静枝のことがどうしても好きになれなかったのは、私が静枝に似てるからなんじゃないかなぁ〜、と思いながら読み終えました。プールなんて何年も入ってないし、不倫もしていないけれど、静枝の芹沢との関係性を高尚なものとするところとか、昔の恋人とお酒を飲めちゃうところとか。反対に果歩に憧れを抱くのは、静枝と同じ理由かもしれません。
    最後の、果歩と中野くんが夜道を歩くところがやっぱり良かった。果歩の人間らしいところをやっと見られた気がして、電車の中なのに微笑んでしまった。
    そして最後の最後。あとがき、で「一九九四年、夏の終わり」って!私1歳になった頃ですよ!今から二十年以上前!そこに一番鳥肌が立ちました。江國香織さんすごい。二十年経ってるのにこの新鮮さはなんなのだ。

  • p311 恋愛のさなかに相手に怖がられていた。そう思うとなにもかもが許せなかった。頭も喉も心臓も、煮えてしまうようだった。

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