- Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101339153
感想・レビュー・書評
-
読んでいる時は「この家族変!」とずっと思いながらイライラしてたが、読後しばらくして思い返すと、どこの家族も他人様には知りえない不可解で変な日常があるのかもしれなと考えるようになった。というか、こういう変な人々を許容できる人こそ幸福なのかもしれない。自分を省みていろんな事を考えた。ほっこりする、とかの類いではなかったけど不思議ちゃんにはお勧め、かな?
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は、実家に帰る電車の中で読んでいた。
家族と自分がどう関わるか、両親の人生と自分の人生をどう考えるか。答えのないことでもやもや。
そんな中で読んでいて、家族とはおかしなこと、うまくいかないこと、どうにもならないことを乗せ、それでも走っていくバスなんだと、思った。
ここに出ている家族は、毎日同じ朝ごはんをたべる。近所で小さな縁日があれば楽しみにして出かける。ささやかな喜びしかないように見える。しかし、どこかがへんてこりん。
ちょっとずつ、歯車がずれている。それは家族の当たり前、文化。違和感なく、サラサラと日々は流れる。
自分の両親と向きあっていて、
なんでこうなっちゃうんだろう?と、思うけど、家族とはおかしさを含むものだと、思ったら、気が楽になった。 -
隣のお宅の家族の、外国よりも遠いローカルルール。
家族のなかで大切にしている事を、ひとつひとつ丁寧に綴った物語。
何回も繰り返して読みたくなる面白さです。 -
毎度お馴染み、江國香織独特の温度感がそのままでてる。久しぶりに江國節を感じたい時に裏切らない一冊。内容としてはただの日常の徒然なのだが、それを小説として出版できるのは著者の日常の切り取り方・物事の形容の仕方がとても独創的で面白いから。
-
江國さんの作品でダントツに好きな一冊です。
傍から見たらごく普通な、もしかしたら普通より少し常識的にさえ映るかも知れない。そんな宮坂家のお話。
しかし三女こと子の目線を借りて覗きこんで見ると、みんな少しずつ妙ちきりんで読み進めるうちに、その妙ちきりんさが愛おしく思えてくる。
普段はそれぞれが自分の摂理に基づいて生活しているのに、ここぞという時に垣間見せる団結力が微笑ましい。
決して家族の絆とか大切さを声高に叫んでいるわけじゃないのに、勝手にこちらが家族って本当にいいなぁってしみじみしてしまう。
宮坂家は絶対に家族を拒まない。帰りたくなったら、いつだって受け入れてくれる。
そんな感覚が心地よくて、つい折に触れて何度も読み返してしまいます。
それと江國さん作品ではお馴染みでもある、美味しそうな食べ物の数々が話の至るところに登場します。
どれもさらりと添えられている程度の描写なのに、すごくそそられてしまう。
だから読むときは必ずおやつと飲み物が必須です。そしてその後の夕ご飯がシュウマイだったりしたら、もう言うことなし! -
私も「よそのうちのなかをみる」のが好きみたいです。
やさしい家族の物語でした。
文庫本の解説にもありましたが、江國さんの物語の登場人物の名前って本当にしっくりします。響きがその人その人でぴったりで、その名前以外考えられないってくらいに。
宮坂家のルール、しきたり、習慣、慣習・・・、変だなぁと思うこともあるけど、自分の家族も他の家から見たらそんな風に思われるんだろうな。笑
家族をテーマとした小説って家族の大事さを訴えてるものが多いけど、(そういうお話も大好きです!)このお話はなんかちょっと違う。宮坂家はもちろんそれぞれのことを尊敬して愛していているんですけどね。
ひんやりしているようで、やっぱりあたたかい、不思議な温度の家族です。
律の事件に対する父、母、姉たちの味方っぷりが最高です。お父さん、素敵です。随所で、家族に対する信頼が垣間見れて、かわいらしい家族だなと思いました。
久々に読んだ江國さん、文章も内容も登場人物もみんな素敵でした。 -
ひさびさ江國さんでどんぴしゃりだった!
律くんが一番好き。
ゆるやかでどこかが違う(間違ってはない)日常が素敵。
さいきん日常、日常しか言ってない気がします... -
高校生くらいの頃から、ずっと大好きな本。
もう何度も読み返していて、ストーリーをほぼ完璧に覚えている数少ない本です。
でも、「どんな話?」と聞かれても、「家族の話だよ」ぐらいしか説明ができないのです。
田舎ものの私は小さい頃、東京は別の世界のようだと思っていて、デパートの有名店の洋菓子や、落ち着いた品のある服装をした大人など、モダンなイメージをもっていました。
年に1度くらいは出かけていて、実際はそんなこともないと知っていたのに、不思議とそのイメージは崩れることがありませんでした。
なぜかわかりませんが、この本は、私にとってのそんな「東京」を感じさせてくれる本なのです。
きっと、これからもふと読み返して、想像上の「東京」の世界にひたるのだと思います。 -
何度読んだかわからないけど。江國さんの中で一番好き。
-
哀しみとか切なさがなさ過ぎてあまり好みではないかな。