神様のボート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339191

感想・レビュー・書評

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  • 江國さんが紡ぐ言葉はどうしてこんなにも素敵で、美しくて、ずっと目で追ってしまいたくなるんだろう。体にスーッと染み込んでくる感じ。
    自分も苦しくなったり、嬉しくなったり、呆れてしまったり、色んな思いがこの物語の中に詰まっていた。ボートで漂うようにいろんな思いに触れた。葉子も草子も宝物と一緒に幸せでありますように。

  • あとがきの「海に出るつもりじゃなかった。誰かを好きになると、いつもそうです。」がすべてを体現してると思う

  • 江國香織さんの作品は、上品で価値観がぶっ飛んでいる(特に恋愛観)不思議な雰囲気を纏う女性が登場するイメージを抱いているけど、今回も同様だった。

    ヒヤヒヤする部分もあったけど、最終的に娘のおかげでハッピーエンド(?)を迎えられたと思うので、綺麗な流れだった。
    葉子と草子っていう親子の名前も良い。

  • 母と娘の、それぞれへの想いやりがつまっていた。

    宙に浮いたような、柔らかなタッチの文章で、もっともっと江國さんの作品に触れたいと思いました。

  • どんな状況で、どんなタイミングで別れるかで引きずり方が違うよね。ママは恋のピークで、それもどこにいても必ず探すからって言われて、引きずるよね~。もし実際にパパと暮らしてたらこんなことにはならなかったのにと思わずにはいられない。
    内容については、草子が中学にあがる辺りで、もう飽きてきた。

    最後は読者にゆだねるパターンだと思うけど、第一印象はフランダースの犬を思い出した。でもそれでは草子が可哀想過ぎる。なので3つのパターンが考えられるので、草子が幸せになるパターンを採用することにした。
    ①フランダースの犬パターン
    ②現実
    ③この夢を見て目覚めたママは、憑き物が落ちたように目が醒め、体調も回復し、新しい人生を歩み出す。

    ①だと、聡明な草子がどれほどの痛手を背負ってこの先生きていかなくてはいけないのかを考えると、辛すぎる。
    ②つまらない現実が待ってそう。夢を見て彷徨った年月がガラクタになってしまいそう。
    ③彷徨った年月を想い出に変え、ママも草子も、自分の道を歩んでいく。これだな。

  • このくらい誰かを想いきりたい。

  • 夢みたい

  • 草子が旅立ってからを何度も読んだ。
    何がなんでも会いたければ、東京にいた方が良かったんじゃないかと思う。旅を続けていたのはもうあの人が自分を探していないという事実に気が付きたくなかったのかなと思ってしまった。

  • 江國香織さんの中でも大好きな作品。
    透明感のある表現と暗く重い曇天のような表現がとても綺麗に描かれていて音楽を聴いてるような、画集を見ているような、小説とは思えない空気感で読み進められる。
    言葉の表現の仕方や、繊細な描写も江國さんならではでとても好き。
    自分の居場所ってあるようでも実は誰かひとりが欠けただけでなくなってしまうものだから、大事なものはしっかり離さないようにしなくてはと思う。
    何度も読んでいるけど、あの人の肩の下の窪みは私の頬骨にピッタリとはまるって表現がとても好きで、ずっと記憶に残ってしまう。

  • 昔の恋人を忘れられない母と、現実をみようとする娘(草子)の2人の目線で描かれた物語。"俺は必ず葉子ちゃんを探し出す"といった恋人に囚われ、どこにも馴染まない母。骨ごと溶けるような恋は、母にとって忘れられない記憶であり、過去ではなく今も信じ想い続けている存在である。また、それは側からみると狂気を感じさせるが、母の記憶からは愛し合っていた幸せな記憶ばかりであり、恋は盲目であることを感じさせる。そんな母を草子はなぜ箱(すぎたこと)に入れようとしないのか、なぜ現実をみようとしないのか理解できず、高校進学を機に母のものから離れることとなる、、、。

    草子が骨ごと溶けるような恋をしたら、どうなるのか気になりますね。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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