神様のボート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339191

感想・レビュー・書評

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  • 町の描写等はとても素敵だったけど母親に全く感情移入できなかった、、、
    母親としてちゃんと子どもを愛してるは素晴らしいけれど。。
    子どもがいい子で良かった。

  • 30代のお母さんと娘の物語。中盤にやっと内容のわかる部分が出てくる。ずーっと単調に少しづつ娘が成長していく。やがて娘は旅ガラスの生活を嫌がり寮のある高校に入る。小さい娘にも30代の母にも感情移入出来ず、読むのがしんどかった。

  • 久しぶりに江國さんの本を読んだ なんだか、この人と吉本ばななちゃんはうまく読めないんだけど、今回もそうだった なんでだろう 

  • 先日西加奈子の”漁港の肉子ちゃん”を読んだのでついつい比べてしまう所だった。
    母と子の物語。そして放浪する設定。

    しかし、全然違う。こんなに違うものかなーというくらい違う。
    もし”漁港の肉子ちゃん”を江國香織が書いたら、、、それはそれはもっとセンシティブな物語になったことでしょう。

    簡単に言えば(多少無理やりですが)江國香織は東京。西加奈子は関西。のノリ。

    その江國香織のこの物語はまたしても静謐なイメージが強い。沢山のピアノ曲も出て来るけど聞こえてこない。光や風や空気感はすごく感じるのにである。

    この内に内に入っていく様な物語の書き方が狂気と言われる原因なのではないかと思います。
    ただ消えてしまった愛する人を思うあまりに狂気に至ると考えるより、きっと迎えに来るよという言葉に未練(未練という言葉が江國ワールドには無いな~)がある為に現実逃避してしまった結果ととらえ方をするとまた全然違う話になります。

    危ないな~と思えるのはこの物語があまりにも綺麗だから。綺麗な物には誰しも惹かれていきます。
    言葉の綺麗さ、出て来る嗜好品の綺麗さ、(今となってはタバコはあまり好まれませんが)不健康と健康のアンバランス、言葉遊び、これらに引き込まれて行きます。

    映画を観た後に主人公に憑依してしまう様に、この本を読んだら葉子に憑依してしまいそうな。
    そんな危うさがたっぷり込められた物語でした。

  • 昔読んだ作品。

    この本で私が魅力を感じた部分は、葉子と草子の少し大人びた生活です。
    あまり共感みのない、でも少し憧れるような生活を送っているこの本の描写が私は気に入りました。
    他にも、引越しして行く先々で出会う人達や、だんだん大人になっていく草子も見所です。

  • 旅がらすのように、転々と各地を引っ越す親子。

    夫に言われたから、と引越しを繰り返しているのですが
    別にそのまま待っていても問題ないのでは? でした。
    どこにいても、というのを確かめるため
    意地になって引っ越している気がします。
    これに付き合わされる子供は大変、ではありますが
    当然大きくなれば選択します。

    ただただ非現実なような生活が続き、最後には
    小説ですから、な終わりが。
    物語としてはいいのですが、どこまでも夢物語のようで
    現実感はさっぱり、です。

  • この人の、私の書く文章綺麗でしょ?って
    自分に酔ってる感が昔からすごく苦手だったのに、
    それを忘れて手に取ってしまい、案の定、後悔した。

  • あんまりハマらなくて残念。
    丁寧に綴られている文章と、葉子と草子っていう名前は好き。だけど物語設定、登場人物の扱い方に納得出来ないところもあったり。

  • 言葉の使い方、背景描写はとても好き。ただ、登場人物の使い方、物語の設定だけはどうにも気に食わない部分が残り、暖炉で本を燃やしたくなる。

  • 「あの人」の言葉だけを信じて放浪を続ける母・葉子と、その娘・草子の視点から語られる物語。

    私はこの本を読んでいて、心がズキズキと痛んだ。娘の、母に対する感情が、自分のそれとリンクする。

    幼いころ、夢見がちな母の夢を一緒に信じていた草子は、成長と共にそれが実体のない「夢」であることに気づく。

    母親に微笑んでいてほしくて、その違和感を自分の中に押し込めるものの、母はそんな娘の気持ちもつゆ知らず、勝手な行動で娘を振り回す。

    草子が母に、寮に入ると告げてからの心の動きは、まさに私も経験をしたことがある。

    怒りと反抗に満ちていた心が、
    それを認められた瞬間、急速にしぼんでいく。

    胎内のように外界から閉ざされ、
    息苦しく、でも温かくて安全な世界。

    私がそこにいれば、母は笑っていられる。
    いつまでも夢見がちな少女でいられるのに。

    そこから飛び出ようとする私は本当に正しいのだろうか。でも出て行かねばならない。

    ……そうして結局飛び出るものの、
    寂しがる母を見るのは辛いのだ。

    多分、母親に少しでも依存されたことのある娘なら、この気持ちが分かるに違いない。

    静かだけれど、狂気に満ちた物語だった。

    個人的には、ラストはあんなに綺麗にまとめなくても良かったかな、と思う。多分、母の夢が叶ったところで、きっとそれは数年で崩壊するものだと思うから。

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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