ぬるい眠り (新潮文庫)

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著者 : 江國香織
  • 新潮社 (2007年2月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

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ぬるい眠り (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • きらきらひかるの続編「ケイトウの赤、やなぎの緑」まさか睦月と紺くんが別れるとは。それで何も主張しない睦月よお前は何者なんだ。笑子ちゃんは相変わらず魅力的。
    ラブ・ミー・テンダー、清水夫妻、奇妙な関係、よかった。
    それ以外は自己愛女ばかりで嫌悪感。

  • 短編集。
    絵國香織は癖になる作家かもしれない。
    前は設定のとんでもなさに驚いたりしたのだが。
    そしてやはり古いフランス映画のような感じがする。
    表題の「ぬるい眠り」も他の人が書けばサスペンス風にもかけるような内容だが彼女の世界ではまるでおとぎ話のよう。
    いまさらながらに彼女のファンが多いのはそういうところなのかななどと思う。
    あと、「きらきらひかる」の10年後くらいの話も収録されていて、「きらきらひかる」を読み返して、ちょっと切なくなった。

  • 江國さんの書く文章、やっぱり好きだなぁと思った。読みやすくて、どろどろしている物語でも登場人物がなぜか憎めない。

    (以下ネタバレ注意)


    「ラブ・ミー・テンダー」
    ほっこりするような切ないようなお話。
    お父さんの心情が気になる。

    「ぬるい眠り」
    関係はどろどろしてるんだけど、梨花ちゃんや管理人のおばさん、細かく描かれる情景によって清々しい印象を受けた。雛子ちゃんも一歩間違えたら狂気の方にいってただろうから、切ない終わりではあるけどホッとした。

    「災害の顛末」
    ノミによって本当の自分に気付く(と主人公は言っているけど変わってしまったんだと思う)話。滑らかな肌に戻った後が気になる。ウイスキーかわいい。

    「とろとろ」
    恋人のことが好きすぎて、バランスをとるために複数の男性と浮気する女性の話。他の誰が傷つこうと構わないけど、恋人だけには傷ついてほしくない、と恋人は本当に別格なんだなと思ったけど、共感は出来なかった。

    「奇妙な場所」
    こういうさくっと読めて爽やかな物語、好きだと思った。一緒に帰るんじゃなくて、それぞれ別のタクシーで別の場所に帰るというのがなんかいい。

  • 「きらきらひかる」の十年後の物語が載っているということで買った本。
    でも印象深いのは「災害の顛末」。ひとつの事件により世界ががらりと変わってしまうお話。皮肉なエンディングが好きなのでとても好みでした。

  • 江國サンの言葉が大好き。

  • 9つの話から成る短篇集。
    話の長さは短かったり、長めだったりでバラバラなんだけど、どの話にも共通していえるのが”奇妙”という点だと思う。

    好きな話は「ラブミーテンダー」「放物線」「清水夫妻」「奇妙な場所」。
    「ケイトウの赤、やなぎの緑」は、最初?だったけど、今回読み返してみて「きらきらひかる」を読んでみたいと思った。

  • 初めて本が体に馴染む感覚を味わいました。
    初めて読んだのに、昔からずっとあったような安心感があり、ずっとこの世界観に浸っていたい。そう思いました。
    ぬるい眠りが1番好きで、夕方の情景や、田んぼの情景がありありと目に浮かび、切なくなりました。その切なさも、嫌なものではなく、ぴったりと私の体に寄り添うような、そんな不思議な感覚を味わう小説でした。もっと江國香織さんの本が読みたい、そう思います。

  • 『ラブミー・テンダー』老年期の母がプレスリーに恋をした。それを見守る父。振り回される娘。でもすごく、ハートフル。
    『ぬるい眠り』印象的だったのは出だしのかりんとうを食べるところ。だけ^^;
    『放物線』質の良い男女の友情の話。中華料理がすっごく美味しそうに描かれている。
    『災難の顛末』猫が欲しかったけど、考え物…ノミが怖い~(>_<)

    つづく

  • 何気ない日常の切り取りかたがやはり好きだ。はっとする。電車の赤いシート。

    表題作『ぬるい眠り』がすき。青と夕焼け。静かな終わり。トオルくん。真っ昼間からするセックスの、そのあっけらかんとした感じ。

    『清水夫妻』に魅入られる。黒に白と紅差す背筋の伸びる感じ。フラット。

    『夜と妻と洗剤』『奇妙な場所』この可愛らしさ。お口直しのソルベみたい。

    『とろとろ』は、胸にどこか馴染んでしまう感覚。

    とりあえずやっぱりこの次は、きらきらひかる、ですね。

    20150620

  • 印象に残ったのは「清水夫妻」と「災難の顛末」。
    「きらきらひかる」のその後は、すでにストーリーを忘れていたのもあって、最後は斜め読みになりました。

  • 表題は、潜在意識に閉じ込めた嫉妬から生霊になるなんて、まるで六条御息所みたいだなと思った。
    ここで朝、目を覚ますと体に匂いがついているとかー奥さんの作るカレーとかのーだったら俄然私好みになってくるけど、そこは恋愛小説を踏み外さない江國さん、怪談にはしないよね。『きらきらひかる』のスピンオフ『ケイトウの赤、柳の緑』ふあふあと浮世離れした人たちのなかでは、単純で真っ当で地に足着いた女が物珍しく、揺るぎない存在に映るのだろうな。揺るぎないものなんて幻想だということを一番知っているのは彼女自身だけど。
    刹那の快楽に溢れた短編集

  • 『きらきらひかる』の10年後。
    笑子ちゃんが紺くん殴るところとか、相変わらずで笑うシーンじゃないけど嬉しくなった。
    紺くんの「お前に何がわかるんだ。俺と睦月と笑子ちゃんの」はこの3人の関係性は表面的には崩れても内面的には一生崩れることはないんだな。って思えたセリフだった。
    また『きらきらひかる』読みたくなりました。

    「ラブミーテンダー」はよくある流れだけど久しぶりに恋愛小説を読んだわたしにはうるっときました。

    江國香織さんが描く描写と言葉はキレイでやわらかくて大好きです。

  • 江國 香織ファンならとりあえず読むか感覚の短編集。
    他人には特にお薦めないかな。。
    まとまってなかった単作を単にまとめてもらったそう。
    だいたいは20代前半に書かれたもので、そうでもしないと広く読まれない作品があるわけなので仕方ないですが。
    この中では恋愛ものじゃないのが面白かった。
    葬式に行くのが趣味の「清水夫妻」と中年母娘のおかしな会話がツボの「奇妙な場所」と大学時代の友だちとの会食に小さな幸せを感じる「放物線」が好きかな。
    恋愛ものは相変わらず少々うっとうしかった。
    このうっとうしさに今は食傷気味。
    恋愛小説を読みたくない気分だったらしい。
    じゃあ江國香織を読むなと突っ込まれそうですが。上手だし安心だし、サクッと入り込めるので、つい。

  • 温かいような寒いような現実のような幻想のような中間付近をふらふらしてる感じだった。
    ところで「ケイトウ」って話の中に出てきたかな?

  • ・夕焼けというのはたぶん、善良なひとに似合うものなのだ。「ぬるい眠り」
    ・まっぴるまの電車に乗ると、生活が少し好きになる。偶然おなじ車両に乗りあわせた人たちを、私は少し愛してしまう。「ぬるい眠り」
    ・記憶なんて、いつだって悲しくて、ろくなことがない。「ぬるい眠り」
    ・私だって必要なのだ。誰かを好きになりすぎて、ほんとうにあまりにも好きになりすぎて、自分のバランスがくずれるので怖くて、壊れそうでどうしようもなく怖くて、日々なんとかバランスを保つ。「とろとろ」
    ・人生は愉しむためにあるのだし、相手が男であれ女であれ、会いたいと思ったときに会いたいし、そのときにしか行かれない場所、見られないもの、のめない酒、起こらないこと、がある。
    遊ぶことの好きな連中は大抵貪欲だから、いい店を知っているし、おもしろい奴を知っている。入手困難なチケットの入手方法や、病気とも確執とも金銭とも無縁の快楽や、読むべき本や、聴くべき音楽や。「ケイトウの赤、やなぎの緑」

  • 最初の「ラブ・ミー・テンダー」がこの短編集のつかみとして、とてもいい小説だと思う。

    表題の「ぬるい眠り」が好き。
    「きらきらひかる」の10年後を綴る「ケイトウの赤、やなぎの緑」は笑子ちゃんと睦月と紺くん3人の関係性の変化に切なくなったり、納得したり。

  • 『ぬるい眠り』
    逝ってしまった夏

  • きらきらひかるの続編があるということで読了。
    睦月と笑子と紺くんが、それぞれ同じだけお互いのことを大好きなんだとしたら、その完結された自然な輪を壊すことになってしまった紺くんが実際一番つらかったのではなかろうか...と思ってしまいます。
    形は変わっても、3人が本当にお互いのことを強く愛していることがひしひしと感じられてとても嬉しくて寂しくて切なかったです。

    他、表題作、「清水夫妻」が好きでした。

  • 老いるとなんか違う。

  • 「ケイトウの赤、やなぎの緑」が目当てで読みました。江國さんのつける題名ってどれも素敵ね。きらきらひかるの10年後。読んだら少し悲しくなるけど、でもやっぱり3人の絆っていうのは他の人からしたら理解出来ないのだな。紺のいった「お前に何がわかる。俺と睦月と笑子ちゃんの」 という言葉。妻と夫とその恋人。けして普通な関係ではないけど、そんなの誰が気にするんだよ。三人はどうしたってチームなんだよな。

  • きらきらひかるが大好きで、あの二人がその後元気にやってるか気になって。どうしようもなく現実世界で会いたい二人。江國さんの著書は、劇的に失うことがあまりなく、感情の起伏が少ないことが救いいなる。支離滅裂な他人の感情を一心不乱に受け止める負担がない。気持ちの崖を登らずに、海面の近くで生きたいと願う私には心地よい。

  • 江國香織先生の短編集。内容は恋愛中心ですが、不倫だったりなんだったりで、変わった形が多いです。
    以下、それぞれの感想(おもいっきりネタバレ注意です)

    「ラブ・ミー・テンダー」
     短編集の始めらしい、恥ずかしくなるほど爽やかな内容で、とても好き。

    「ぬるい眠り」
     不倫もの。なのに暗くなくて、でもやっぱり悲しくて、すごく切なくなった。結婚指輪なんて馬鹿みたいとうそぶいて、でも自分の中にはっきりとした嫉妬を認めて情けなくなったり、それでも暗くはならない主人公の感じが、なんだかとても好きです。強がりと本音と色々がないまぜになった感じがリアルで、一番共感できた話かもしれません……

    「放物線」
     学生から社会人になり、変わっていく友人関係みたいな内容。オチも何もないけど、リアルで、それだけで読ませるすごい作品。

    「災難の顛末」
     ノミにさされた!という災難で、人生観が一変するという、とても馬鹿らしい、不思議な作品。もちろんノミは例えで、思いがけない何かでこれまでの価値観が崩れる瞬間が……みたいな内容なんだけど、全然説教臭くならず、なんかコメディホラー風(?)で、おかしくて笑ってしまいました。

    「とろとろ」
     恋人にのめり込むのが怖くて、浮気をしまくる女性のお話。実はこの話が一番感情移入しにくかった。女性の方が感情移入しやすいかもしれない。しかし、江國さんの書く女性は、すごくいいなと思うのに変わりはないけど。

    「夜と妻と洗剤」
     これも始めの作品と同じく爽やか系。この手の爽やか大好きです。

    「清水夫妻」
     葬式が趣味、という罰当たりな夫婦に惹かれていく女性の話。この話は不思議な雰囲気すぎて、生とか死とか堅苦しいテーマを臭わせないのだけれど、そういうことが逆に伝わって、楽しく読めてしんみりもできるという2重でおいしい話でした。

    「ケイトウの赤、やなぎの緑」
     きらきらひかる、の十年後の世界。大好きなあいつらがあい変わらずの感じで、ほっとするようなしないような。”まっとうで、まっすぐで。私に言わせればそれは暴力だ。”ってセリフが心に残った。

    「奇妙な場所」
     これも爽やか系。最後らしくデザートっぽい位置づけ。

    全体的に
     明るく読みやすい感じなのに、実は一般的にかっこわるいとされる感情にスポットライトが当たってる気がした。でもそれが江國さんに書かせるとあんまりネガティブじゃなくて、むしろ魅力的な感じに書かれている気がして(強がりに見える部分もあるけど)、元気をもらえた。自分もかっこ悪いけど……みたいな(ちょっと恥ずかしくて書けませんが)。

  • 恋愛って一対一では必ずしもないんだな、と思った。一対一が当たり前と思っていても、誰が悪いわけでもなく、想う人が別にできてしまうことだってあるのかもしれない。衝撃的だったのは、ノミの話だったけど、なんとなく、あれで関係が終わったようで、実はそのあと元に戻るんじゃないかって気がする話だった。

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