雨はコーラがのめない (新潮文庫)

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著者 : 江國香織
  • 新潮社 (2007年6月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339245

雨はコーラがのめない (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 僕はあまりエッセイを読むことがなくて、しかも江國香織とか食わず嫌いだし、まさかと思ったけど、これがすごくよかった。

    「雨」っていうのは作者の飼ってるアメリカン・コッカスパニエルという犬の名前なのだそうだ。この「コッカスパニエル」っていう犬種が僕にはすぐピンと来なくて、結局読み終わるまで調べなかったから、僕は雨がどんな外見なのか理解してない。想像の中で、近影写真で見たもじゃもじゃパーマの江國さんと、彼女によく似たくるくる巻き毛の雨が、僕の知らないムーディな音楽のかかる部屋の窓から、退屈そうに降りしきる雨を見ている。

    作品に登場するのは、作者のわたしと、犬の雨、だけだ。
    雨はよくしゃべる。もちろん、「わたし」が勝手にふきだしをつけてるだけなんだけど、そこに実際には言葉が存在しないからこその、愛というか、信頼関係みたいなものが感じられて、安心できる。それとはまた逆に、何年も一緒にいるはずなのに、相手(雨)の行動が理解できない描写なんか、恋愛小説のそれよりきゅんと切なくなってくる。

    結局、人間は自分以外のなにも(家族も恋人も、飼い犬も)理解できないのだということ。だけど、その越えられない壁の存在こそが、相手を愛おしくさせるのだということを、雨は教えてくれる。

    愛犬家のための一冊。

  • この本は小説というより
    愛犬 雨と音楽のことを書いたエッセイ
    といった感じの本でしたね

    もともと江國香織さんという作家さんは
    とても叙述的な文章をお書きになる作家さんだと
    私は思っていて、それが音楽のことを書くと
    まぁぴったりとくるではないですか!((´∀`*))

    たまにはこういう、ストーリーのない文章を
    読むのもまた、気分転換になって面白いです

    サラサラと負担なく読めます
    可愛いワンちゃんも出てくるので
    ホッと出来ますよ

  • 私は洋楽に疎い。
    ゆえに、江國さんが挙げる数々のCDやアーティストは、まったく聴いたことがないという有様だ。
    名前だけはビートルズとホイットニー・ヒューストンだけは知ってるけど…、それだけ。(^^;)
    それなのに、ものすごく楽しめてしまったこの作品。
    会ったこともない他人の愛犬と、知らない音楽の話なのに。
    それはもう、江國さんという作家の、人間の、魅力というしかない。
    優雅な気分が味わえるのだ。
    何だか、勝手に江國さんの部屋にあがりこみ、「まったり」したような感じ。
    「掃除をさぼっているので、埃がいっぱい」だなんて書かれているが、どうしても私の頭の中に繰り広げられる江國さんのお家は、掃除が行き届いた、シンプルでキレイで緑が溢れたお部屋。
    こんな時間の過ごし方、いいなぁ。

  • 愛犬と、音楽にまつわる、お話。
    うらやましいなぁ。

  • 江國さんと愛犬雨と音楽のエッセイ集。雨という名前は本当に秀逸だ。こんな素敵で紛らわしい名前の犬がいるだろうか。

    きっと曲を聴いてから読み返したら、共有できる気配が全然違うはず。でも聴かなくたって構わない。なんとなく聴こえてくるし、聴こえてきた音が正解でなくても楽しい。

    江國さんみたいな素敵な生活に憧れるけれど、おそらく自分には向いていないから、本を読んで満足する。江國さんの作品にはそんな本が多い。

    雨への降り注ぐような細やかな愛がいろんなところに感じられた。

    雨の反応はいつも、言ったような言わなかったような曖昧だけど的確なそんなかんじ。
    雨は健やかで、動物として正しい。

  • 現実的な夢のような物語
    ・エッセイという名目で書かれている作品ですが、
     現実感があり、同時に夢のように穏やかなひとつの物語作品
     として読むことができる作品です。

    ・もちろんエッセイとして現実のことを書いているので、他の江國さんの作品に比べて、設定に嘘や無理な奇抜さがないため、イメージがわきやすく、それでいながら、物語めいた音や感覚がふんだんに伝わってくる作品です。

    ・本書から皆さまが感じているような孤独さや、切なさは、
     物書きの孤独なのだろうかと個人的に感じるところがありました。
     美味しい音楽を沢山聞いて、過去の自分や景色をみつめ、愛犬と語らいながら、文章を紡いでいく。そんな生活からくる孤独、それでも文中にあるような暗くはない、立派な孤独なのかなと思うところがありました。
    ・江國さんの作品のなかで、一番好きな作品です。

  • 無防備で、やんちゃで、生命力があって、勇敢な「雨」。
    雨と江國さんのふたりの時間にいざなわれると、江國さんの小説のように、幸福と不幸の境目がわからなくなる。
    読んでいて、すこし淋しくなった。理由はわからないけれど。

  • このタイトルはずっと勘違いしてた。
    面白いことを思いつくよな、雨がコーラを飲むかどうかなんて思ったこともない!と思っていたら、犬のことだった。なぁんだ。刺繍の糸の犬の表紙が好き。

    音楽をよく文字に出来ると思う。感心する。ゆっくりyoutubeでそれぞれ聴きながら今度は読んでみたいと思う。

    世良公則、スティング、ロッド・スチュワートの声がどうしたって好きという彼女に激しく同意。

  • エッセイでも江國さんは素敵。
    だけど、耳なじみのない曲ばかりだったのが残念。
    また江國ワールドにはまりそう。

  • 静かな気持ちになる本。音楽に詳しい人が読んだらもっと楽しいのかもしれない。強い気持ちになりたいときに聴く曲、とか、表現しにくい気分のところを表した言葉が面白いなぁと思いながら、調べて聴いてみてた。多すぎて全部は聴いてないけど

  • 私はこの本に出会って初めて、犬との生活という未知なるものを具体的に知った。それで今は、江國さんにとっての「雨」くんのような存在と一緒にいるから不思議。

    この作品はブクログを始める前に読んだことがあるので、正確には「再読した」のだけど、犬との生活を知らないで読んだときと、知った上で読んだときとは随分と印象が違う。

    例えば、著者が雨に「人間語で」話しかける描写がたくさん出てくるのだが、犬を飼う前では信じられなかったのに、今では当然のように話しかけている自分に気付くとか。

    犬と自分が同じ時間を共有していても、全く違うところでお互いがお互いとして生きていることが鮮明に分かったりとか。

    犬である雨との生活、言語が通じない、今その瞬間を生きる不思議な存在と聴く数々の音楽。江國さんの繊細な視点からその2つについて語られるこのエッセイは、まるで小説を読んでいるかのような錯覚に陥ります。

  • 音楽が好きな人、お酒が好きな人向け。
    私にはまだ早かった

  • 音楽を犬と享受する。いいです。江國香織さんの日本語はそれ自体がリズムを奏でているような感じで、心をさっとなぞっていってくれる気がします。

  • 雨って、なるほどそういうことか。

  • 27
    こうやって、私はまたつい、強くなってしまうのだ。
    35
    あの気持ち。自由だけれどやや沈んだ、かといって全然淋しくはなく、むしろとても陽気と言いたいような、あの気持ち。
    36
    倦(う)んでいて自由な、孤独だけれど淋しくはなく、夜はまだまだながくて、ひつようさいていのものだけを持っている、不思議なぐあいに温かい、あの気持ち。
    73
    しかし、稀に、定番にならずにしまい込まれるものがあり、そういうものは、聴くと瞬時に特定の時期およびその日々の状況、聞いていた部屋の様子まで浮かんできてしまう。それは、現在に満足しているときにだけ、ちょっと愉しい「特別」になり、そうでないときは、容赦のない気恥ずかしさと、ある種の痛々しさをつれてくる。
    96
    全てのものを自分の目でしっかし見て、必要ならにおいをかいだりつっついたりもしてみて、判断してから恐がるひとに、私もなるよ
    恐怖はたぶん、一人一人がみんな個別に、いつも、そしてずっと、戦わなきゃならない何かなんだろうなあ。
    119
    雨もお酒がのめればいいのに、と私は思う。そうしたらこういう午後には、一緒に酔っぱらったりできるのに。
    123
    視力を失うと嗅覚や聴覚が発達する、というのは本当だろうか。もしそうなら、雨の耳のこの人の声はいまどんなに美しく響いているのだろう。もしかすると、感電しそうに美しく響いているのかもしれない。
    134
    なんでも説明をつけて安心しようとするのは人間の悪い癖だ、ということを、たとえば雨は教えてくれる。
    136
    雨の行動に、説明はつけられないのだ。
    153
    私は言葉に依存しがちなので、言葉に露ほども依存していない雨との生活は驚きにみちている。驚きと、畏敬の念に。
    音楽も、言葉には依存しない。歌詞がいい、というのはいわば付加価値であって、音楽としての力には、それは関係のないことだ。だからこそ、雨の世界にも私の世界にも音楽は流れる。

  • 江國さんの愛犬・雨と大好きな音楽のエッセイ。

    雨ちゃん、ほんと可愛い!雨の描写が的確で、目の前にいるかと錯覚するほど、元気ではちゃめちゃ!

    江國さんの音楽に対する感覚が素敵。彼女の紹介する音楽は知らないものがほとんどだったけど、聞いてみたいと思った。

    普段の何気ない体験や出来事が、江國さんの手にかかるとなんだかすごくロマンチックだったり詩的だったり、そんなものになる。毎日がアンニュイなのに淡々としてて、なのに優しさと雨への愛情に溢れてる、そんな雰囲気が一冊通して漂う独特の世界観。好きだな。

    「おもてがあかるくなると、夜に聴いていた音楽というものはいきなり光を失うから、その前に消さなくちゃいけない」
    これすごくわかる。

  • 愛犬の雨と音楽についてのエッセイ。音楽は洋楽が多くて、わからないことが多かったけれど、それでも、江國さんが書かれる文章の、静かで淡々としていてどこか途方に暮れている雰囲気なのにやさしさに満ちている感じがひしひしと伝わってきて読んでいて心地よかった。

  • 購入して再読。江國さんの愛犬・雨と音楽のエッセイ。雨に対する愛が深く感じられる心地の良いエッセイ。大好きです。雨かわいすぎるんだよー。2013/124

  • エッセイの作品なのだが、彼女がいつもどれだけの言葉に溢れた生活を送っているのかがわかる作品。普通の人が彼女と同じ生活を送っても、こんな作品を書くことはできないと思う。まるで小説を読んでいるようなエッセイだった。
    雨と江國さんの1人と1匹だけしかほとんど出てこないため、この二人(という言い方はなかなか変だが)だけで構成された空間に連れていかれたような錯覚を起こした。

  • 江國香織さんが
    飼い犬の雨とのエピソードを
    交えてお勧めの歌を各章で紹介する。

    コーヒーブレイクに
    その歌を聴きながらゆっくりと
    その章を読んで、聞くととてもいい。

    英語の勉強によくなるし
    彼女の世界観がわかって面白い。

    ただ、音楽の趣味が一致しないので、
    そこは少し難点。

  • 犬との暮らしと好きな音楽の紹介。

  • 江國香織が飼っている雨という犬と音楽を絡めたエッセイ。
    直前に夫婦生活について書いてあるエッセイを読んだこともあり結婚しているはずなのに筆者と雨しか存在しないかのような世界にぐいぐい引き込まれました。

  • 再読。エッセイなのに、こういう主人公の日常を読んでいるみたい。自分とは薄い膜1枚分違う世界の、物語っぽい空気感。入れそうで絶対入れない場所。「まったり」するし、区切りが細かいので休憩本むき。余談だけどこの本は、本屋をやってる親戚のおばちゃんから「何でも好きなの1冊もってきなさい〜」って言われたので、気になってもらってきたんでした。やっぱりタイトル、素晴らしいよなぁ。更に余談だけど、愛犬について愛情深い表現が入れば入るほど「私、アメリカンコッカスパニエルは絶対好きじゃない」と確信する(笑)

  • 雨と音楽のはなし。
    雨がすごくかわいい。
    たくさんの音楽が出てくるけど、わたしはそのほとんどを知らなくて少しがっかり。
    でもそれでも楽しめる、まったりしたエッセイ。

  • 飼い犬と音楽と江國さんの日常に関するエッセイ。感性が細やかでいつもドキリとさせられる。

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