いじめの時間 (新潮文庫)

  • 786人登録
  • 3.07評価
    • (24)
    • (53)
    • (272)
    • (49)
    • (11)
  • 112レビュー
  • 新潮社 (2005年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339610

いじめの時間 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • いじめの報道が毎日のように繰り返されている。

    ブックオフで何気なく手に取ったこの本を読んでいる間に、
    世間が(というよりメディアが)このような状況になったのも、
    なにかしらを感じずにはいられなかった。

    いじめは、いじめをなくそう!といったところで、それは戦争をなくそう!と同義くらいの遠さで我々の眼に映る。
    その根は深く、また鬱屈した、それこそ人間の原悪のようなもので。
    何があったから、いじめ、いじめられるんではない。
    というのが、ものすごくわかりやすく書かれている小説。

    アンソロジー系は、好き嫌いがとにかくはっきり出るのだが、
    今回はそれぞれ短編ながら読み応えがあった。

    特に『緑の猫』『亀をいじめる』が良かった。

    多くの人は、いじめるにしろ、いじめられるにしろ、傍観するにしろ、
    多少なりとも通過するこの問題だが、
    読み終わった後、あの逃げ場のない、その世界が全てな感じが息苦しく思い出され、
    そしてそこから逃れるため自ら命を絶ったこどもたちの未来を思うとたまらなくなる。
    その形でしか逃げられなかったというのがわかりすぎて、
    安易に自殺はだめだ!だのいう大人に憤りを感じずにはおられない。

  • いじられる子といじめる子、まわりにいる子、まわりにいる大人。
    いじめをテーマにした短編集。

    子どもたちは(ときには大人も)、みんな知らず知らずのうちに心に傷を負っている。傷に気づかない子もいる。その傷をなんとかして癒し、自分を守るために、「いじめ」てしまうのかな。わたしたちは誰しも、いじめの加害者になりうる。

    江國香織さん「緑の猫」は『いつか記憶からこぼれおちるとしても』で既読。印象深い作品。湯本香樹美さん「リターン・マッチ」は胸に突き刺さった。

  • 痛い。
    ページをめくるごとに、悲痛な叫びが聞こえ、心をえぐられた。
    最後まで読むのが苦しかった。

  • 一番印象に残った作品は湯本香樹実さんのリターン・マッチだった。この作品のよさを説明するには、私の語彙は余りにも少なく、表現力は余りにも拙い。
      この作品は、“あいつ”との出会いによって、ケンちゃんという一人の少年が変わっていく様子が描かれていく。いや、本当は何も変わっていないのかもしれない。友達としてのイジリも“いじめ”も、全ては何の差もなく、何も変わらず、ただコミュニケーションがあるかどうかではないか。人は自分とは違うと思うことで、線引きをしてしまい、自分の世界に閉じこもってしまっているのではないか。ケンちゃんも“あいつ”も藤岡も何一つ変わることはないのだ。全てはラベルを張ったところから始まるのかもしれない。
    2007.2.20

  • 江国 香織、柳 美里、角田 光代などなど、そうそうたるメンバーですが、 さすが今をときめく女流作家たち、これほど難しいテーマをみんなそれぞれの視点から書いていて、色々考えさせられる話しになっていました。
    最後の稲葉 真弓が書いた作品に「いじめるのもいじめられるのも、たいして違わない」という言葉が出てきて、あぁまさにそうだなあ、と思いました。
    そもそもいじめというのは、学校だけの問題ではなくて、それを取り囲む大人たち、そして社会全体の“歪み”なのだと思います。
    マスコミなどはすぐに「誰がいじめたのか、誰がいじめられたのか」という被害者、加害者の図を作りだそうとするけど(それがいちばん楽だから)、そうではなくて全員が被害者でもあり加害者であって、それがいじめの実態なのではないかと思います。
    子供の犯罪のそばには、たいてい大人の陰があるのです。

  • 大半よく分からんかった。『リターン・マッチ』と『かかしの旅』が良かったかな。とにかく〝学校は強制収容所〟です。

  • いじめをテーマにしたオムニバス形式での短編集。読んでみたら、ハッピーな終わり方じゃなくてじめっとした終わり方の話が多くて、心までじめっとした。楽しくなったり、希望を持たせてくれるような本ではない。ので、ちょっととっつきづらかったなぁ。

  • 最後まで読めなかった…
    2014/08

  • 久し振りに読み切れなかった!
    辛くて…
    一話だけなら読めるけど、7話ともなるとさすがに滅入る。

  • 2014/11/18 読了

全112件中 1 - 10件を表示

江国香織の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
森 絵都
江國 香織
綿矢 りさ
有効な右矢印 無効な右矢印

いじめの時間 (新潮文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

いじめの時間 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

いじめの時間 (新潮文庫)の作品紹介

「いじめられる子」と「いじめる子」。ふたりの間に横たわるのは、暗くて深い心の闇。でもいつのまにか両者が入れ替わったり、互いの傷を舐めあっていることもある。さまざまな「いじめ」に翻弄され、心が傷つき、魂が壊れることもあるけれど、勇気を出して乗り越えていく者もいる。希望の光が射し込むこともある-すべて「いじめ」をテーマに描かれた7人の作家による入魂の短篇集。

いじめの時間 (新潮文庫)の単行本

ツイートする