源氏物語九つの変奏 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2011年4月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339627

源氏物語九つの変奏 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 豪華絢爛。でした。
    読んでいて幸せでめまいがする。
    江國香織、角田光代、金原ひとみ…ほか九人が書く作家ごとの渾身の「源氏物語」。光源氏の、女性たちの、魅力的なこと、憎たらしいこと、生々しいこと、したたかで、かわいそうなこと。
    角田光代さんは意外なアレンジでしたが初期作品しか読んでいない自分としてはかなり癖を残してくれつつのエンターテイメントで大好きだ。女の子の純粋無垢の裏側。
    小池昌代さんの物語ははじめてでしたがすっかり虜になりました。女の心とからだは、やわくつよい、水、に似ている。そういう美しい描写。
    「川の水よ。わたくしをたちまちのうちに、分解して、骨までをも…どうぞ、微塵も残してくれるな。」
    悲しい最後。

    江國さんの夕顔は素晴らしく可愛らしかった。

    末摘花はみなさまが言われるように天才的な可笑しさ。いるいる…?、こういう……ぷっ。

  • 作家さんそれぞれの解釈、視点が面白かったです。忠実な現代語訳だったり、設定が現代に置き換わっていたり、でも根底はしっかり『源氏物語』で、私が読んだことがない作家さんの文の雰囲気も味わえて、得した気分です。
    角田光代さんの「若紫」と金原ひとみさんの「葵」はなまめかしくて、女性ならではのアプローチだと思いました。
    好きなのは、簡潔な文章の中にも儚げな情景が浮かび上がる江國香織さんの「夕顔」と女三宮視点で描かれた桐野夏生さんの「柏木」です。

  • 源氏物語を9人の作家が描いたアンソロジー。

    ほんの気まぐれで購入したんだけどすごく面白かった!

    町田康さんの「末摘花」は腹筋引きつるぐらい笑った。

    興味深かったのは桐野夏生さんの「柏木」。

    キャラ的な扱いの多い源氏を(原典がそもそもキャラ小説っぽいんだけど)ものすごく人間臭く描いていて、主人公の葛藤や人生よりも描かれた背中やため息が印象強かったです。

  • 源氏物語をまた別の視点から見られるようで、単なる現代語訳で読むより理解が深まる感じもするし、おもしろかった。源氏物語ってやっぱりおもしろいんだなー。よかったのは、江國香織の夕顔(わりに地味にオーソドックスにまとまった感じだけれど、源氏が、ものごとのよい面をさがすのに長けている、っていうのがなんだかすごくツボ。そういう感じ)、町田康の末摘花(いやー、おかしかった、笑った! なんともすばらしい! 命婦の口調とか。命婦の人柄がよくわかったような)、金原ひとみの葵の上(マタニティブルーみたいな葵、頼りない光、がまさしくそんな感じ)、桐野夏生の女三宮(はじめて女三宮のことがわかったような気がした。年とって不満やいらつきが多くなった源氏、っていうのもすごくそんな感じ)。個人的に生理的に単なる好みでイヤだったのが、角田光代の紫の上。紫の上が熱い国の売春宿にいる子ども、っていうのが、なんか悲しくて憂鬱になった。まさにそのとおりかも、って思うんだけど、イメージが壊れるというか。

  • 町田康の末摘花がおもしろかった。
    あと女三の宮視点で書かれたものを読んだのが初めてで柏木が新鮮でした。

  • 源氏物語を題材とした9つの作品を集めたアンソロジー。
    ほぼ現代語訳というものもあれば、時代はそのままに面白おかしく喜劇に仕立てたもの、舞台を現代に置き換え内容も大胆にアレンジしたものなど様々。
    タイトルに惹かれて書店で手に取ったが、江國香織が参加しているのを見てそのままレジに持っていった。彼女の筆で描かれる源氏物語はどんなものなのだろうと興味を覚えたからだ。

    以前何処かで、源氏物語では光源氏は「主役」ではなく「狂言回し」だ、という意見を見かけたことがある。光源氏の恋の冒険譚ではあるが、本当の主役は彼ではなく恋の相手となる女性達だと。
    確かに光源氏とそれぞれの女性との間に描かれる恋模様の違いは、そのまま相手となる女性の個性の違いとも言え、そう考えると個々のお話の「主役」は相手の女性と言えるのかもしれない。

    その個性豊かな女性達の中で、私にとって何を考えているか分からなかったのは夕顔だ。
    少女のようにあどけなく、男性の庇護欲をそそるような可愛い女性。そういう人物なのは分かる。ただそれは彼女の振る舞いがそう描かれているからであって、その裏にある心についてはどうにも分からず、長年もどかしい思いを抱えていた。
    そんな中、収録作の「夕顔」では、状況をあるがままに受け入れ、理屈よりも感覚を重視して生きている女性として描かれている。臆病なのに、いや臆病だからこそ、自分が置かれた状況抵抗せず、いつの間にか馴染んでしまうのだろう。
    いかにも江國香織が得意とするタイプの人物で、彼女の作品を読みなれている身としてはすんなり読み進められた。個人的には、この作品で初めて夕顔がどういう女性なのか少し理解できたように思う。「マ・シェリ」とか「チューインガム」等の一部の言葉には苦笑してしまったが、相変わらず綺麗な文章だし、手にとってよかったと思う。

    他に印象に残ったのは桐野夏生「柏木」、小池昌代「浮舟」。

  • 9人の現代作家が9帖の「源氏物語」に挑戦しましたが、残念ながら、原作のレベルに迫るものはなく、千年はおろか数十年先に残りそうなものすらありません。ただ、「柏木」は女三の宮の目線で描かれ興味を引きました。「源氏」に挑戦するのは女性側の目線というのは有効ですね。当時の女性は言葉少なですが、感受性は現代人を凌いでいそうですから。

  • 「末摘花」源氏の君の悩みが人間臭く面白い。
    「柏木」女三の宮の目線から見た恋愛観。源氏の君を疎い柏木を受け入れた心理がわかった気がする。
    源氏物語も現代風に解釈するとこんな風になるんだなぁ。

  • 「源氏物語」語りに挑戦する。

    現代語訳、といってもやり方は色々なのだと思う。違う話になっているものもあれば(時代とかが)、普通にするっと現代語訳だなというものもある。

    町田康「末摘花」源氏のやさぐれ感がなんともいえない。この感じで全部書いたら、源氏物語はこんなに後世まで残らなかっただろう。多分。

    金原ひとみ「葵」時代は現代。葵と光の妊娠なんやかんや。すごく金原ひとみっぽい。この企画としてはこれが一番成功例なのではないかと。でも、原作だと葵死ぬよね。これは未来を感じるかたちで終わっているけど、この後死ぬと思うと。

    角田光代「若紫」これも時代は現代に移って、幼い若紫視点。ううん、角田光代怖い。角田光代は平然とした顔でえげつない話を付きつけてくるイメージ。これも若紫の、よく考えたら源氏危ない人じゃね、という奇妙さをよくあらわしている。

  • どうなんでしょうか。

    作家とはそれぞれに著したいものを心に抱く存在で。人の言葉に仮託することなどできる人たちではないように思うのです。

    変奏曲は原曲の魅力を生かしてこそ。

    私は読むべきではなかったかもしれません。原典への思い入れが強すぎます。

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源氏物語九つの変奏 (新潮文庫)の作品紹介

時を超えて読み継がれ、日本人の美意識に深く浸透した『源氏物語』。紫式部が綴って以来千年を経た「源氏物語千年紀」に際し、当代の人気作家九人が鍾愛の章を現代語に訳す谷崎潤一郎、円地文子らの現代語訳により、幾たびも命を吹き込まれてきた永遠の古典。その新たな魅力を九人九様の斬新な解釈と流麗な文体で捉えたアンソロジー。

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