虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101340517

感想・レビュー・書評

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  • 宮崎駿
    親から、うちの子どもはトトロが大好きで、もう100回くらい見ています。なんで手紙がくると、
    その度にこれはやばいなあ、と心底思うんですね。
    トトロの映画を一回みただけでだったら、ドングリでも拾いに行きたくなるけれど、ずっと見続けたらどんぐりなんて拾いに行かないですよ。

    しかし、見続けることで揺るがない探究心みたいなものは生まれる

  • 「養老孟司」と「宮崎駿」の対談を収録した作品『虫眼とアニ眼』を読みました。

    「養老孟司」関連の作品は初めて… 「宮崎駿」関連の作品は4年ちょっと前に読んだ、「半藤一利」との対談を収録した『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』以来ですね。

    -----story-------------
    人・自然・こども――たくさん話しました。

    小さな虫の動きも逃さず捉えて感動できる"虫眼の人"「養老孟司」と、日本を代表する"アニメ(眼)の人"「宮崎駿」が、「宮崎作品」を通して自然と人間のことを考え、若者や子供への思いを語る。
    自分を好きになろう、人間を好きになろう、自然と生きるものすべてを好きになろうという前向きで感動的な言葉の数々は、時代に流されがちな私たちの胸に真摯に響く。
    カラーイラスト多数掲載。
    -----------------------

    巨匠と呼ばれる、少年の心を持った二人の対談、、、

    二人の尽きない好奇心には感心させられたし、その理想に共感しながら読めました。

     ■養老さんと話して、ぼくが思ったこと  宮崎駿
     ■『もののけ姫』の向こうに見えるもの
      ・対談1 1997
       みんな「人間嫌い」になっている/あまった「感性」が人間に向いた/
       生きていくための武装に欠けている/日本は自然に助けられてきた/
       お先真っ暗だから面白い
      ・対談2 1998
       理屈じゃなしに通じる宮崎作品/固定しているものも動いているという意味/
       ジタバタしているときに立ち込めるエネルギーの匂い/
       戦争に負けて抵抗の少ないほうへ行った/
       濡れ場があるとかないとかは最低のこと/
       混ざって生きていくしか対応しようがない/
       ブルーカラーがどこかで働いている/あの子を楽しませたい
     ■『千と千尋の神隠し』をめぐって
      ・対談3 2001
       「懐かしさ」という感覚をめぐって/日本の建物を描く/言葉と情報/
       アニメーションはリアリズム/子どもたちの心によりそった映画を作りたい/
       電車のシーンを描けてよかった
     ■見えない時代を生き抜く――宮崎アニメ私論 養老孟司
     ■文庫版あとがき 宮崎駿

    『養老さんと話して、ぼくが思ったこと』は、「宮崎駿」のイラスト(漫画?)で描かれており、イメージも湧きやすく、理想郷として素晴らしいなぁ… と感じながら読めました、、、

    こんな環境で年寄りと子どもたちが愉しく過ごせたら… 実現は難しいとは理解しつつ、こんな環境が欲しいなぁ、とホントに思いましたね。

    子どもには、『となりのトトロ』を100回繰り返し観るよりも、屋外に出て、自然に触れあって欲しいですね… 私は山村で育ったので、子どもの頃は、これに近い感じだったもんなぁ。

    本書で印象に残った「宮崎駿」の言葉、、、

    ≪宮崎≫
    「世の中には悪いヤツが必ずいて、
     そいつをやっつければ、この世はよくなるという考え方、
     あれは、もうやめようと思っているんです。
     そうじゃなくて、こうなったのは、
     みんなで一緒にやっちゃったんだというふうに思わないと、
     なにも道は生み出せないと思う。」

    そうなんですよね… 自分も、今の世の中をつくった人類の一人なんですからね、何らかの責任はあるはずなんですよね。

    「養老孟司」の言葉は、脳の働きに関する解説… 目玉が動いたときに、中心視野は動いても、周辺視野は動かない(例:机の上のコップから灰皿に目線を写しても、背景は動いていないように見える)という事象から、小さな視野の中で、映像を脳が補正しているというエピソードが印象的でしたね、、、

    これっ、ビデオカメラだと背景も動いてしまい、同じ映像にはならないんですよね… 勉強になりました。

    脳って、意識していない部分で色んなことをやっているんですよね… 面白いですねぇ、、、

    色んな気付きのあった作品(対談)でした。

  • 養老孟司と宮崎駿の対談本。現代人は視野が狭くなり、人間関係にばかり視線の矛先が向いている。人工物で溢れた都会、地方に住んでいても、車社会で都市に集中し、実物を見たり触れたりせず、五感で物事を感じる機会が減っているのではないか。子供の頃の感性を今でも持ち続けているような2人、いつまでもそういう大人でありたい。

  • この作品は平成十四年七月徳間書店スタジオジブリ事業本部より発行された。

  • ちゃんと理解できたのかわからないけど、今を生きる子供達のことを考えている方たちなんだと感じた。

  • また読みたい1冊!難しく考えるな
    と言われてるような。頭がクリアになる
    御二方の考えていることはやはり自分には
    まだまだ理解ができないところもあるけれど、
    未熟なりに理解したい!とすごく思ってしまった

  • 二十年前の対談。最近は数年前の情報でも古く感じるのに、この本にはそう思わせない何かが潜んでいた。映画館にジブリ作品を見に行った記憶はとても懐かしいのに、ふたりの対談はつい最近のように感じられたのが奇妙である。情報は変わらず、人は変わる。そんな話を念頭に置き、感性と言語化の関係をぼんやり考えていた。なんとか言葉にしようと苦戦する過程を経て、ようやく言語の枠を超えた貴重な感覚を意識できる気がする。

  • 日常において意識のすべてが脳みそに集約されていくさまを強く意識させる

  • 蔵書整理で手放すので、再び出会い読む日もあるか

  • 口絵の理想の保育園(住居、街)の図にズガンとやられました。
    対談内容も脳に心に身体に沁み渡るように入ってくる。
    でもこれは何度も読まなきゃ血肉にゃならんだろうな。
    ああ何度も読めばいいのか。

    対談は20年前。まだまだ問題山積み。いや増えてるよなあ。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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