心に龍をちりばめて (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.36
  • (28)
  • (118)
  • (157)
  • (31)
  • (9)
本棚登録 : 1067
感想 : 107
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101340715

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 約4年振りに手にした白石作品、評価としては☆3.5といったところ。

    「運命の人」を描いた恋愛小説ですが、主要登場人物3人(本作の主人公・美帆(美女)、優司(元ヤクザ)、丈二(東大卒のエリート))、それぞれの家庭環境も含め、設定がちょっと出来すぎ感を感じてしまいました。

    ありえない設定でも没入感を得られる作品とも沢山出会って来ましたが、本作に関しては入り込めそうな感は何度かあったのですが、スクリーンを通してその世界を見ているような状況のまま読み終えました。

    決して本書を酷評している訳ではありません。

    出来るだけ複数の本を同時に読み進めることを意識しながら読書生活を楽しんでいますが、今までは3~4冊程度の同時読みが、本書を読んでいるタイミングは5~6冊を同時に読み進めていたことに気づきました。

    今の私の能力をover...ということ...
    そりゃ没入感も得られないか^^;

    つまり本書ではなく完全にσ(・ω・`)の責任です。

    さて、今日は気分を変えてなおなおさんに教えてもらった日本一高い展望図書室での読書を楽しんで来よう♪


    <あらすじ>
    美貌のフードライター・小柳美帆は、政治部記者の黒川丈二と結婚する予定でしたが、故郷の福岡で幼馴染みの元ヤクザ・仲間優司と再会します。優司は中学時代に美帆に「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」と言ったことがありますが、その背景には美帆の出生の秘密や優司の過去が関係していました。美帆は優司とともに東京へ戻り、丈二や両親と対峙しながら、自分の本当の運命を探していきます。

    小柳美帆はエリート記者の黒川丈二との結婚を目前に、故郷の福岡で同級生の仲間優司と再会する。中学時代「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」と唐突に謎の言葉を口走った優司。今その背中に大きな龍の刺青と計り知れぬ過去を背負っていた。時間や理屈を超え、二人の心に働く不思議な引力の正体とは──恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる傑作。

    内容(「BOOK」データベースより)

    小柳美帆はエリート記者の黒川丈二との結婚を目前に、故郷の福岡で同級生の仲間優司と再会する。中学時代「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」と唐突に謎の言葉を口走った優司。今その背中に大きな龍の刺青と計り知れぬ過去を背負っていた。時間や理屈を超え、二人の心に働く不思議な引力の正体とは―恋より底深いつながりの核心に迫り、運命の相手の存在を確信させる傑作。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    白石/一文
    1958(昭和33)年福岡県生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋務勤を経て、2000(平成12)年『一瞬の光』でデビュー。’09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌’10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    • ヒボさん
      なおなおさん、おはようございます♪
      そうなんですよ☆
      しかも、たまたま見つけて昨日仕事を早く切り上げて1ヶ月登り放題チケットを購入して来まし...
      なおなおさん、おはようございます♪
      そうなんですよ☆
      しかも、たまたま見つけて昨日仕事を早く切り上げて1ヶ月登り放題チケットを購入して来ました(*^^)v
      早めの昼食を食べたので、準備してお出かけして来ます♪
      2023/10/28
    • なおなおさん
      ヒボさん、お天気が良くて良かったですね。
      チケット買ったんですね!すごい!
      調べました。ナイスなタイミングでゲットできたのでは?ドリンク2杯...
      ヒボさん、お天気が良くて良かったですね。
      チケット買ったんですね!すごい!
      調べました。ナイスなタイミングでゲットできたのでは?ドリンク2杯付きなんですね!なるべくお高めのを選んで元を取らねば!(セコい^^;)
      期限はせめて2ヶ月ほしいですよね〜。
      帰りは専用エレベーター降りた所近くの(5階?)のお土産屋さんが楽しいですよ。地元の食べ物がたくさんあります。
      2023/10/28
    • ヒボさん
      なおなおさん、追加情報ありがとうございます!(´▽`)
      今、到着して展望台からの景色を眺めています。
      さすがに人の声が気になりますが、イヤホ...
      なおなおさん、追加情報ありがとうございます!(´▽`)
      今、到着して展望台からの景色を眺めています。
      さすがに人の声が気になりますが、イヤホン持ってきたので好きな音楽を聴きながら綺麗な景色、coffee & book、癒しの休日を過ごせそうです♪
      2023/10/28
  • 久しぶりの白石一文。
    「僕のなかの壊れていない部分」以来、ずっと敬遠していたのだけれど、これはそこまで嫌悪感を持つことなく読了。
    読後感は、「私という運命について」に似ている。

    ただ、この人の描く登場人物には基本的に共感しにくい。
    白石作品はキャラクタ造形も含めて究極のエンターテインメントなのだと解説されていたものの、ところどころで現実世界とリンクする部分があることも入り込めない一因かもしれない。
    私にとって、読書は現実逃避の手段である場合が多いから。

  • 「眠気が眠る面白さ!徹夜本」の帯に強く惹かれて手に取りました。正直なところ、任侠ものの美学には全く興味すら持ち合わせていない私がこの煽り文句にあえて挑んだ代物ですが、エンターテイメントというよりもファンタジーとしか言いようのない話に何度となく読むのを止めようとしました。
    とどのつまりは面倒を見てやった弟分に裏切られて車ではねられて死んで終わるクチだろう、と思っていただけに終盤の下りは読んでて苦痛でした。
    鼻についたのはそこだけで、読後の余韻とともに巻末の解説を読んだとき、ああそうか、これは往年のテレビドラマ「赤いシリーズ」のようなわかりやすいプロットのドラマチックな演出を極めたものだったんだなとそこでようやく認識しました。
    敢えて踏み込んでみた新境地の世界でしたが、絶賛までいかなくても愉しめることがわかりました。

  • 表紙がとても爽やかで美しい、流れ下る小川のせせらぎと両岸に咲き乱れるクレソン(おらんだからし)の白い花。
    何か、この物語を象徴しているようだ。

    フードライターとして成功している美穂は美貌と知性をもち、理想的なエリート記者、丈二と婚約もしていた。だが丈二は政界に出馬するという野心があり、美穂は将来に不安を感じる。家族、特に母親には軋轢も感じていた。
    故郷に帰ったとき、偶然幼馴染の優司に再会する。彼は弟がおぼれそうなところを救ってくれたことがあった。子供のころ「俺はお前のためならいつでも死んでやる」といってくれた優司は、ヤクザ時代に彫った大きな昇り龍の刺青を背負っていた。
    美穂は次第に優司に惹かれていく。

    先に読んだ「一瞬の光」は嘱望された、将来に向けて開けた生き方を捨て、完璧な恋人も捨てて、悲惨な経験から昏睡状態になっている若い女性の傍で暮らすことを選択した男の物語だった。

    今回は過去に傷のある男を選んだ女の話だった。言い換えればどちらも純愛小説で、読者を喜ばせる設定が揃っている、男は男らしく頼りがいがあり見かけのいい。女は振り返るよう美人だが、本人はそれが自身の美点だとは思っていない謙虚さがある。
    出合った、今で言う「運命の人」に一途に思いを寄せ、困難を覚悟で人生をかける。勇気のある選択は読後感もいい。

    ただ何か美しすぎて眩しい、川の向こうの現実感のない世界を見たようだった。</div>

  • 幼少のころから一緒だった同郷の美帆と優司、その先まったく違う歩みをするが、出生において悲しい共通点をもつ。それぞれ道を歩みながら、徐々に近いしい関係に。最初からこうなる運命だったんだと感じる事ができる作品。

  • 男性視点から書けばいいかもしれない…

  • 白石一文さん、3冊目。

    「俺は、お前のためならいつでも死んでやる」

    久しぶりに、小説の中の男性に恋をしました。
    私が言われた訳でもないのに、まだドキドキしています。
    私は、仲間優司さんが大好きです♪

    相変わらず、女性陣はみんな強いですね〜。
    今回の主人公、美帆は特に強い!
    しかし、それ以上に強い男が仲間優司!!
    それと、優司の博多弁は痺れるほど色気があるのは何故!?
    生きるべき義、死すべき義を語る優司の言葉は、すぅっと胸に入ってきて、かなり納得。

    結末も私好みで、久々の大ヒット小説になりました(^O^)

  • 落ち着いた文章でじっくり書いてある作品なのに、何故か入り込めなかった。
    登場人物の殆どが実の両親とは離別しているという設定までは受け入れたとしても、背景が実親が朝鮮総連の活動家、元覚醒剤中毒で売春させられていた女性、孤児院出身の元やくざでおまけにマグロの遠洋漁船に乗せられていた、自殺した愛人の子を本妻が養子にしたなど、昭和のやくざ映画さながらの極端な事例のオンパレードで、笑えるぐらい「やり過ぎ」ていることが理由でしょう。
    エンターテイメント性と受け止めれば良いかも知れませんが、自分には合いませんでした。

  • こってり塩味。
    たんたんと読み進んでしまった。面白いんじゃなくて、染みるな。

  • 結婚を控えた主人公は、故郷で同級生と再会する。

    読んでいて、最初の方の設定を
    すっかり忘れている状態です。
    おぼろげながら覚えているのですが
    目の前の現実(?)を読み込むのに必死で…。

    最後には驚きの現実も出てきましたが
    これを『愛』だと言っていいのかは謎です。

全107件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

白石一文の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
伊坂 幸太郎
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×